飲み会です!(1)
快楽で泳ぐ女の子は美しい。暴れる魚も丁寧に扱えば上品に泳ぐ。
初仕事で元カノが来るアクシデントもあったけれどまた来るねと言いライン交換した後去って行った。たまに営業ラインしてみよう。早くも固定客ができてしまった。その後初出勤は日付を跨ぐ前に終わった。本日は元カノ含め五人の女性をベッドで泳がせた。お給料もいいしこれこそ天職。
「綾ちゃんおつかれ~今からラブホいくでしょ?」
楓さんとラブホ会、言い換えるなら紅茶テイスティングパーティ。最悪なほど下品だけれど横文字にすると上品だ。貴族の戯れっぽい。
「もちろんですよ~楽しみましょうねっ」
楓さんの手に指を絡めて新しい職場の裏口から出ると楓さんに引っ張られて近くのラブホテルに連行された。えへっへ。手が渇く暇がないぜ。
部屋に入ると良く見慣れた顔が一つ、女豹、女豹の飼い主、それと弱った小動物みたいにベッドの端に体育座りした優さんが居た。
何この状況。下着姿の恵子はなにがあったんだ。っていうか
「楓さん!セックスしに来たんじゃないんですか!?」
「それはまた今度っ、瑠衣さんから飲み会するぞーってラインきてたから」
完璧に出来上がった下着姿の恵子がショットを片手に近づいてくるとそれを私に突き出してきた。
「駆けつけ一杯!」
「それやるなら普通ビールとかでしょ…これ何よ」
渡された透明な液体に満たされたショットをぐいと一息で飲み干すと喉が焦土と化す感覚に襲われた。
「spirytus」
「殺す気か!」
恵子の露出した腹に拳を打ち付けたあと水を大量に飲んでトイレに駆け込んだ。
「おー珍しく綾死んでるじゃん」
トイレの水たまりを眺めていると恵子が後ろから胸に触れてきた。超ムカツクけど回復してきた私に手を出してきたのが運の尽き。すぐ後ろの恵子のパンツに指を滑り込ませた。するともう準備万端ダム決壊寸前といったところだったので一度イかしてシャワーを浴びてから先ほどの部屋に戻った。
「また負けた…」
バスタオル1枚の恵子は悲しそう言うとチューハイの缶を開けた。
「あんた捕まらないようにしなさいよマジで」
冷静に考えて、スピリタス飲ませて胸揉むとか逮捕されてもおかしくないだろ。
「えーなにもうヤってきたの?」
白黒の下着姿の楓さんはもう結構飲んでいて出来上がっていた。というか何故下着。さっきまで来てた服はどうした。
「じゃあ次綾の番~」
恵子に背中を押され瑠衣さんの正面に立たされた。女豹の隣に座る飼い主は私を見添える。左手に持ったショット飲み干しその手を天に掲げると勝負の宣言をした。
「野球拳ゲーム!」
恵子、楓さん、沙織さん、優さんが下着姿で瑠衣さんだけが服を着ている理由が分かった。
つまり、現時点野球拳王の瑠衣さんとのじゃんけんに勝てば私が王となる。あと定番だけど普通王様の命令って絶対だよね。やる気出てきた。
「ふふ、いいですよやりましょうそして私が勝ったらヤりましょう」
「いいの?両方で負けちゃうよ?」
うう、強者の余裕を感じる。けれど余裕だけ。だって種目はじゃんけん。勝つか負けるか二分の一。
「じゃんけん!」
「ぽん!」
結果は予想通りか運命なのか私が負けた。そりゃあそう。完璧人間である瑠衣さんに勝てるわけないし瑠衣さん以外下着姿だったし私も下着だけになるのは必然的であった。
「はい綾の負け!どうぞ!」
恵子がショットを渡して来たので勢いで飲み干した。またスピリタスだったら死んでたけれ
ど、そこは配慮してくれたのかコカレロの味がした。いやまあどっちにしろきついが。
「いい眺めね」
王はソファーの上からベッドに並ぶ下着姿の私たちを眺め、ウイスキーの入ったグラスを傾けている。私たち敗北者。だけど見方を変えれば下着姿の女性のハーレムに居るような。最高だ。王様神様瑠衣様ありがたや。
美女たちの胸をさりげなく触ったりしていると部屋に入ってから全く動かず酒を呷る女性に気が付いた。タチの優さんだ。何かあったのは明白だ。ああそういえば彼氏のとこに行くと言っていたのにここに居るということはつまり。
「綾ちゃん、優振られたらしいから慰めてあげて」
やっぱりか。正直長い間話聞いて話に共感してあげてご機嫌取ってセックスまで持ち込むのしんどいのだよ。達成感は段違いだけれど。まあノンケを落とすよりはハードル低いか。一応王様から頂いたチャンスだありがたく活かしてイかしてあげよう。
ベッドの端に座る優さんに後ろから手を回してみた。
「元気ないですね、何かあったんですか?」
「ほっといて」
うーわめんどくさっ。話聞くと長くなるだろうなあ。だけど抱き着いて思った。この人おっぱい大きくて抱き心地よさそう。やっぱりめんどくさくても性欲発散の為に頑張りますか!
「えー嫌ですよー、今日優さんがあまり話してくれなかったから私ちょっと怒ってるんですよ?ほーら私がしっかり聞きますから、彼氏さんとなにかあったんですか?」
少しの沈黙の後昼間のクールさみたいなのが消えた小さな女の子が口を開いた。
「…彼氏に仕事バレたんよね」
「ああ…」
「しかも今日朝間違えて隣の店に入ったんだけどそれ見られたのが最悪でさ、ああ…そりゃそうだよね彼女が風俗嬢だったとか最悪よね、ああ…ほんと私最悪…最悪」
落ち込んでる姿が可愛くて話頭に入ってこないていうか下着えっろ。白とピンクのコントラストこれどこのだろう?どこかで見たことある気がするような。
優さんの秘部に吸い込まれそうな指を必死に静止して抱く力を強める。
「それは辛かったですね、でも今日は大丈夫ですよ?私が居ますから、付き合いますんで飲みましょう」
あ、ヤバい今私絶対世界一カッコいいわ。お酒のせいかな。酔い良い。
恵子に目で合図してお酒の準備をさせた。私の腕の中でちょこんと座る優さんが可愛すぎて今すぐにグチャグチャに犯して乱れたいけど、まあこういう恋人っぽいこともたまにはいいかな。
「はい優ちゃんこれどうぞ~」
恵子は持ってきたショットを優さんに渡す。こいつショットグラスしか持って来てないのかよ。
「ありがと」
優さんは恵子から貰ったショットに口を付けるとぶっ倒れた。
「spirytus」
恵子のせいで台無しだ。
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