第6話 ムーランルージュ商会とねこみみメイド喫茶の新人ちゃん
亀さんの報酬は金貨500枚になった。
内訳は割愛する。
血もまだ体内に大量に残っていたし、肉は美味いしスープにしても美味い。
甲羅は防具や屋根に使えるしと全て商品化すれば10倍は軽く超えるお金に変わる。
むしろはした金にも感じるくらいになると考えられる。
「私がムーランルージュ商会代表代行カオリです。」
なんと依頼主の商会のトップは若い女性でした。
この後軽く自己紹介をされたが、父の跡を継ぐための修行でいくつかの街を巡って商いをしているとの事。
その後一人一人紹介されて、一言挨拶があるがモブ男達に興味はないので華麗にスルーしていく。
それは真希達だけでなく他の護衛を請け負った冒険者も同じだった。
次に冒険者達が軽く自己紹介をしていく。
真希達以外には3つのパーティだった。
男3人組の紅蓮、男2人女2人の4人組のスワップ、男3人女1人の4人組姫親衛隊の3組だ。
人数構成だけで判断するのは危険だが、パーティ名と男女比率を考えると紅蓮が一番まともに見えてしまう。
真希と夏希が自己紹介を終えると、男3人の紅蓮は見る目が変わった。
最初は狙ってやろうとギラついていた目をしていたが、今ではシュンと牙を抜かれた狼みたいになっている。
貧乳乙女隊の噂を聞いた事がある連中なのだろう。
解散したあと前屈みになっていた。
「夏希恐れられてない?」
「いやぁ、そうかもしれないけど。あいつら真希を見てる時もビビッてたぞ。」
「何もちょっかい出さなければ私達人畜無害なんだけどね。」
それはつまりちょっかいを出せば人畜有害ということである。
「では、明日の朝7時に北門から出発しますので、遅れずに15分前には北門前に集合してください。」
そして本日は解散となった。
暫く街には戻れないので、癒しを求めてねこみみメイド喫茶へと足を向けた。
店に入ると新人の子に案内された。
「あら、新人さん?」
「そうなんです。今日からねこみみメイドさんになりました秋希と申します。常連さんですか?今後ともよろしくおねがいします……にゃ?」
いきなり真希が新人メイド秋希に抱き着いた。
「くんかくんか。」
顔を胸に埋めて匂いを嗅ぐ真希は周囲から見たらただの変態である。
「ちょ、真希……」
「これからよろしくね。」
注文を伝えると去った秋希を目線で追うと夏希は真希に問いかけた。
「同類なのか?」
「出来れば仲間に加わって欲しいと思うくらいには。」
「まぁここで働き始めたというなら難しいんじゃないか?」
「う~ん確かに。夏希的には?」
「アリだけどさ。なんつーか嫉妬心は拭えないつーか。」
「あら、元々人数増やして良いと言ったのは夏希だし?」
「そうなんだけど、いざその時が来るかもと思うと。」
「多分、将来的にはそれなりの人数になるんじゃないかと思うけどね。」
「もー、明日からは護衛任務で忙しくなるし今晩はいつも以上に可愛がるから。」
機嫌直して?と首を傾げる真希に、夏希はわかったよと照れながら答えた。
癒しを堪能し、道具屋でいくつか旅の必需品を購入すると宿に戻る。
「あ、明日7時15分前に北門集合なので、6時になって下りてこなかったら起こしてね。」
エリーちゃんに伝えるとわかりましたと返事をもらう。
この宿にはモーニングコールがある。
あまり早い時間は無理であるが、朝食の仕込みの始まる5時以降であればサービス可能である。
なぜモーニングコールが必要か……
「ちょっ、んっ、ぁぁっ。」
縄で縛られた夏希がベッドの上でくねくねと身じろぎを繰り返す。
その傍らで真希は夏希の身体と逆向きになり股間に顔を埋め、自分の股間を夏希の顔に埋めている。
つまりはクエスト前にヤる事をヤるために朝起きれる自信がないのであった。
もちろん自前の目覚ましはあるけれど、保険のためのモーニングコールである。
「それじゃ、行ってきまーす。」
「行ってくるぜ。」
目覚ましとモーニングコールのおかげで無事に起きれた二人は護衛任務のため、北門へと向かった。
空間収納を誤魔化すためのリュックを背負って。
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