第5話 風呂シーンはカット……出来なかった。
一糸纏わぬ姿となる真希と夏希。
銀色の長い髪に白い肌、胸は小さく腰は細く、尻も小さい。
上から表現するならば、きゅっ、きゅっ、きゅっ、である。
ナイスバディやグラマラスであれば、ボンッ、キュッ、ボンッというやつである。
真希の体型は所謂、男子が守ってあげたくなるような妹系少女の典型である。
一方の夏希は赤い肩までの髪に、健康美溢れそうなやや日に焼けたような薄い茶褐色。
胸は真希同様小さく、腰は括れて細く、尻は真希よりは大きい。
それでも上から表現すれば、きゅ、きゅっ、きゅ、である。
身長も真希の147cmに対し、夏希は158cmとそれなりに差がある。
そして性格は真希は可もなく不可もなく特段特徴はないものの、夏希は好戦的。
妹系の真希に対し姐御系の夏希。
しかし
大事な事なので何度でも再生……
風呂の洗い場で椅子に座り、身体を洗い始めると真希はそっと近付き夏希の背中から抱き着いた。
「洗ってあげる。」
それだけで何を察しろというのか、しかし夏希には真希のやろうとしている事がわかっているため反論はしない。
真希は自分の身体を使って夏希の背中を洗う。
そして手を使って前側、主に胸を中心に擦って洗っていく。
決して汚れを落としていくではない。
「夏希に汚いモノなんてないしね。」
恋は盲目という言葉がこの世界にも存在するのだろうけれど、真希と夏希の間に汚いモノなど存在しない。
「んんっ、ま……まき。」
「ん?なぁに?」
首筋に息を吹きかけながら首に唇を当て吸い付いた。
「ちゅちゅぅぅ。ちゅっっぱはぁっ」
唇が離れると吸い付かれたところには見事なキスマークが出来上がっている。
「んふふ~、今日はちょっと疲れたから夏希成分補給~。」
それから真希の手は夏希の股間へと移し、既に濡れているそこへ指を侵入させ、陰〇を摘まんで反応を楽しむ。
「ひゃっ、だめっ、しょこっ、ちゅまんじゃでゃめっ。」
真希に攻められてる時の夏希は、容姿とは裏腹にMとなり少し幼稚化する。
そこがまた真希の心と脳を刺激し、さらなる攻めへと繋がっていく。
「夏希可愛い、何度もイって。んっ、ね、夏希。私の事も洗って?」
攻守交替し二人で何度も絶頂を続け、きちんと洗った後湯船に浸かり風呂を上がった。
「多分、亀の血まともに浴びたからかな?いつも以上に性欲が強い気がする。」
「確かに、何度シたかイったかお互いわからないもんな。」
髪と身体を拭き、下着姿で話を続ける。
「ホンモノが欲しいな。」
ホンモノとは男性器の事である。
しかし真希が言うホンモノというのは今の女の子の身体にさらに男性器が欲しいという意味である。
「相互で出し入れ出来るのって究極の愛のカタチだよね。」
「そうすればお互いに子供も産めるしな。」
そのような身体聞いたことがないが、この世界には魔法や錬金術が発達しているため、望むモノがいつかは手に入るかも知れない。
どこかの禁書図書館で見たあの薄い本に載っていた「フタナリ」というものと、「性転換」魔法。
これらをどちらかだけでも立証し、昇華させる事が出来れば理想の関係になれるかもしれない。
冒険者をしているのも各地を巡り、それらの手掛かりを探すためというのもあった。
そしてベッドは二つあるにも関わらず同じベッドに入り、本日の3ラウンド目が日付を跨いで行われた。
冒険の疲れなど感じさせない二人は行為疲れで動けなくなるまで続けられた。
翌朝起きた時はお互いの液体で身体もベッドもべちゃべちゃに濡れて、シーツはまだ冷たいままだった。
真希と夏希がサービスを利用してベッドメイキングする理由は主に行為後の清浄をお願いしたいからなのである。
「昨晩はお楽しみでしたね。」
階段を下りて宿の受付に顔を出すと、看板娘のエリーちゃんが話しかけてきた。
こういう女性専門の宿のため、実の所女性同士の常時というものは少なくない。
元々の関係だったり、男性冒険者に嫌気が指した結果だったり、酷い目にあわされた結果だったり。
そのため洗浄サービスする宿屋側としては、そういった行為を推奨はしないけど黙認してる。
防音機能もあるにはあるけど、完璧ではない。
どうしても漏れたりはするし、場合によっては振動となり伝わってくる。
それは一体どのような行為が行われているのか興味深いところではあるけれど。
共用スペース(1階)以外の行為は人傷沙汰以外は黙認するのがこの宿、「愛の巣」だった。
最初は女性専用宿「安らぎ宿」という安直な名前だったのだけれど……
違う意味で安らぎを与えるという事から付けられた通称「愛の巣」が先行し、いつの間にか宿名まで「愛の巣」に変わっていた。
「強引な男性冒険者も、貴方たちが泊ってるという理由で出待ちとかもいなくなりましたしね。本当に助かるよ。」
3ヶ月前の夏希の件が広まり、あいつらを敵に回したらイケナイと街全体に浸透した結果である。
宿の食堂で朝食をすます真希と夏希。
ねこみみメイド喫茶とは違い、一般的な宿のメニューだ。
パンにスープに野菜、後は肉と川魚を選べる。
残念ながら海は近くないため、流通の関係で仕入れは少ない。
真希達の持つ空間収納でもあれば別であるが。
「そういえば、収納を利用した運搬の仕事を始めたら一定数稼げない?」
「悪くはないけど食後の運動が出来ない……事もないか。」
ギルドに顔を出すと依頼表を確認する。
運搬系は流石に張り出されていなかったが、護衛依頼はあった。
何もなければ馬車で3日の距離にある街までの、商人の護衛だ。
「護衛人数は10~15人程度、護衛対象は馬車3台分の荷物と商人達1台の4台。」
「それぞれの御者と、商人5人。」
護衛は歩けという事か?
詳しく見ていくと商品用の馬車には2人がそれぞれに乗れるスペースが確保されており、残りは商人と同じ馬車に乗車可能となっていた。
あまりに人数が多い場合は歩く事になりそうだ。
報酬は街までの護衛で一人銀貨50枚。
愛の巣の通常1泊が銀貨2枚を考えれば25日分である。
道中の魔物討伐に関しては冒険者側で話し合いで分けて良い事になっているが、争いに発展するようなら契約は破棄となる。
依頼表には契約魔法というものがかけられてあり、嘘をついてもログという形で自動記録されるため誤魔化す事は出来ない。
当然正当な理由もなしにクライアントを傷つけることも出来ない。
その逆もまた然り。
便利な魔法もあったものである。
「出発は明後日か、亀さんの報酬は明日だし受けてみるかな。新しい何か見つかるかもしれないし。」
受付嬢に件の護衛依頼を受けるため依頼表を持っていくと。
「あら、丁度良かった。あと2~3人で締め切るところだったのよ。」
との事だった。
翌日の昼に商人から説明と顔合わせがあるとの事で、亀さんの報酬を受け取った後そのまま参加しようと考えた。
その日も薬草採取と食後の運動を兼ねて街の外に出向いたが、今日の戦利品は豚さんが大量だった。
豚さん=オークの肉は見た目に反して美味である。
どこぞの国では品種改良をして畜産までしているとかいう噂もあるくらいだ。
全く人間の業は深い、自らを殺めにかかる魔物でさえ飼いならし食糧にするなんて。
もっとも、噂であり真実かどうかは定かではない。
「いつも薬草採取の依頼でどうしてそんなに大量に納品出来る魔物を狩ってくるのかしらね。」
受付嬢はいつも通り呆れていた。
真希達は依頼として魔物を狩っているわけではないので、どれだけ討伐してもランクアップ対象にはならない。
素材買い取り料は貰えるが。
彼女らが未だDランクなのはこうした理由もある。
「Dという言葉に苛立ちを感じるから早くAランクに上がりたいんだけど。」
とは言うものの、緊急時の招集などが面倒なため中々本腰を入れたりはしなかった。
「昨晩はお楽しみでしたね。」
エリーちゃんがお馴染みの言葉で出迎えてくれる。
ある意味おはようございますと同意の朝の挨拶である。
「エリーちゃんは今日も可愛いねぇ。」
その言葉にビクっと身体を震わせるエリー。
「あははー、女将さんに怒られるから承諾を得ないのに何もしないよ。」
承諾を得たらナニかすると聞こえなくはない。
エリー14歳、貞操は守れるのだろうか。
「あ、真希さん夏希さん。昨日は上質のオーク肉ウチに卸してくれてありがとうね。お母さんとても喜んでいたよ。」
昨日食後の運動で得たオークの内、数体はギルドに納めず愛の巣に卸していた。
愛の巣は時折こうして冒険者からの差し入れが後を絶たない。
これも女将さんとエリーちゃんの人柄に惚れた女性冒険者の感謝の現れである。
唯一の男性従業員である旦那さんは厨房から殆ど出ることがない。
同じパーティで活動していた幼馴染元冒険者がエリーちゃんの両親である。
最初は美味しくいただかれた女将さんだったようだけど、最近では旦那が尻に敷かれているそうだ。
それはこの宿が愛の巣と呼ばれた頃かららしいけど、一体何があったのやら。
「ちょっと護衛の仕事で往復10日くらいかかるから、前払いで30日分支払っておくね。」
「多い分は清掃代や部屋の確保代ということでおつりはいいからな。」
「あ、それって隣町に行くって事?それじゃぁアレ、入手してきてくれないかな?もちろんプラスアルファも払うから。」
エリーちゃんのおつかいも頼まれたが、アレとは……
正規に注文すると元々希少なモノはもろもろ込みになって高くなる。
場合によっては元の値段よりも何十倍に跳ね上がってしまうモノまで出てきてしまう。
そのため、ついでに買えたらお願いしますという感じで頼める仲のいい冒険者は貴重なのである。
真希達はエリーとの信頼関係は高い方なのでエリーもお願いし易いわけである。
「なぁ、エリーの言ってたのって。」
「ん?そうだね。エリーちゃんも腐ってるからね。」
真希と夏希は冒険者ギルドへ向かって歩き出した。
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