第4話【白衣】錬成師

「ヴァン、カリナ、護衛ありがとうね。今こうして無事に居られるのは、あなた達のおかげだよね。少ないけど素材は集まったし、約束通り、私の新しい錬成術を見せてあげるね!」


オルシアは白猪の毛皮を化け学の白衣の様に纏い、白魔石の中身をくり貫いた特製フラスコを持ち、高らかに宣言した。


「いよっ、待ってました!オルシアさんの錬成はイレギュラーなものが多くて面白いんですよね。なんでも、これが見たくて依頼を受ける方も多いとか?」

「今回も楽しみだなー、ヴァンー!」


確か前回は皮袋じゃない水筒を作って、水を長持ちかつ美味しく持ち運べるようにしたんだっけね。魔法瓶ほどではないけど、氷を入れておけば保冷も出来る優れ物だ。凄く喜んで貰えた。鉄より頑丈なゴブリンの心臓、黒魔石を錬成術でくり貫いて作ったものだが、中々実用的だった。完成品がガラス細工みたいに綺麗で楽しかった記憶がある。

ただの魔力元としか見られていない魔石は、レアジョブであるらしい錬成術師にとってお絵描きのキャンパスも同然だった。赤なら火属性だとか、黒なら闇属性だとか、魔石の性質をそのままに、形状をかなり細かく変化させられるのだ。


他には、各種薬草から簡単な薬品くらいなら作れるみたいで。本職の薬師には敵わないが、魔石から錬成したオシャレな容器に入れてみると、ポーションも美容液も大人気。転売品はオークションを賑わせる事に一役買っているようだ。


さあ、今日はいよいよ魔石ソードを作っちゃうぞー。魔石の頑丈さには前々から興味があったんだ。何しろ魔石は鉄より頑丈だからね。だけど剣にするには、思ったより量が要った。レオンが羨ましがりそうだけど、先にヴァンの片手剣を作っちゃおう。今回、凄く頑張ってくれたみたいだから。


「魔石の数は……うん、ぎりぎり一つ分かな。足りそうだ。それじゃあ一同注目!すごいの、作っちゃうんだから!」

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