第3話【その後】ギルドへ帰還した
オルシアは昏倒したまま、ギルドに担ぎこまれた。失血が酷かったようだが、迅速なヴァンの回復魔法と、その後の適切な治療の甲斐もあり、漸くオルシアはベッドで目を覚ました。
「よかった、オルシアさんが目を覚ましてくれて。気分はどうですか?」
「ヴァン、まだオルシアは惚けているのだ。もう少し待ってやってはどうなのだ?嬉しいのは分かるけど。」
あー。とオルシアは惚けた声を吐き出すと、カリナにもたれかかった。くんくん。獣人、いい匂い。獣臭いっていう人も居るんだけど、カリナはオルシアにとって精神安定剤なのだ。変態扱いされたくないから、口が裂けても言えないけど。
「オルシア!大丈夫ですか!」
「ほれ見た事か、なのだ。オルシア、ほれベッドに寝るのだ。あちきはベッドじゃないのだ。しっかり!」
ぐいぐい押し返してくるカリナに体重をかけてみる。「おもいのだー!」とか叫んでるけど知らない。ちゃんと依頼主を守れなかった罰って事で、あと少しの間だけ我慢して貰うとしよう。カリナの左腕が枕の位置になるよう、巧妙に計算したオルシアは漸くベッドに倒れ込み、腕枕を入手して眠りについた。カリナは仕方なくといった感じで添い寝してくれた。オルシアの完全勝利である。うん、いい匂いだ。ヴァンは依頼の進捗報告をしにギルド1Fに降りていった。ここは多分2Fか3Fだね。気絶している間だったから、どちらかは分からないけれど。
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