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 私の思いとは反対に、奴は私のお腹の中で暴れ回った。辛かった。冷や汗が止まらなかった。一刻でも早くこの悪魔を自由にしてやりたかった。この狭い監獄から解き放って、大空に羽ばたかせてやりたかった。いや、この苦痛から開放されたいのは私自身だった。


 幸い、運転手さんには私が漏らしそうなことに気づかれていない様子だった。が、今思えば気づいてくれていた方が良かったのかもしれない──


 だんだん痛みが治まってきた。どうやら安定期に入ったようだ。とりあえず、なんとか家まであと半分のところまで来た。いける!


 しかし、そう簡単に家には帰してくれやしなかった。屁だ。屁が出そうになったのだ。もしここでしてしまったら、本体である実が出てきてしまうかもしれない。そうなるとまずい。それでも私は屁がしたかった。

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