2
しかし、お腹を壊したのは一体何が原因なのだろう。朝にヤクルトを飲んだからか? それとも昼に食ったヨーグルトのせいか? それとも酒を飲みすぎたか? それとも……。
おっと危ない、意識が尻から離れると思わず出てしまいそうだ。私は再び尻のほうに集中力を研ぎ澄ました。
とにかく私は便を出したかった。いや、出さなきゃならなかった。しかしここは車の中で密室空間、便所なんてあるはずがない。状況が悪かった。
ここで漏らしてしまったら運転手さんにも悪いし、どんな顔で説明したらいいのかわからない。恐らく自分の中の何かが壊れてしまうだろう、そう思い、必死に踏みとどまることにした。
近くのコンビニに寄ればよかった? しかしだな、私の中のプライドがそれを許さなかったんだ。ここで自分に負けてしまっていいのだろうか? この闘いに勝ってこそ、真の喜びがあるのではないか? そんな考えが私を楽園へと連れてはくれなかった。ああ、もちろん後悔した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます