下り

相変わらず@

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 轟いた。大地を割くような轟音と共に悪寒がした。来る、奴が来る。もうすぐそこまで来ている──。


 タクシーで家に帰るところだった。いつも会社までは電車で通勤するのだが、今日は会社での飲み会があって終電を逃してしまった。


 自分の自慢できることと言ったら酒の強さくらいだ。今日もガッブガブ、溺れるくらい飲んだが、さほど酔ってはいない。頭も冴えてるし、真っ直ぐ歩ける。自分の色気には少しばかり酔ってしまうのが難点だ。


 乗り始めはなにも起きなかった。むしろ疲れていたのでリラックスしていた。だがしばらくすると、急に腹が引き裂かれるような痛みに襲われた。それも並大抵のものでは無い。長年の経験上、コイツは来る、と悟った。そこですかさず、兜の緒ならぬ、尻の緒を締めた。

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