第8話寂しくなんてないよ
「会いたい」
遠距離だと気軽に言えない。
お互い忙しく会う時間を取れない。
言い訳だ…
時間なんてどうにかやりくりしようと思えばできる。
今までだってそうしてきた。
ただ時間を作ってもそのタイミングを合わせられないだけ
「ごめん仕事で忙しかった」
夜に送ったメッセージに朝返事が来る。
朝まで確認する時間がなかったのか…
1分もかからないその一言の返信ができないほどに…?
遠距離で会えず、連絡の頻度も減っていく
典型的な終わりのパターンだと気付いている
SNS上で君の行動を知る
仕事でそんなおしゃれなレストランに?
「いきなり」休みになった?
遠回りに俺に伝えるためなのか…
SNS上の君は眩しかった
会えない間の君は眩しさを増していくばかり
会いたくて、恋しくて眩しく見えるだけじゃないだろ?
自然消滅を狙っているのかもしれない
けど…連絡すれば多少遅くなっても連絡が返ってくる
そんな不確かな糸を離せずにいる
そんな俺を試すかのように
「会えなくて寂しいよね」
そんなメッセージ
愚かだなと自分を笑いながら最後の嘘をついた…
それは自分の虚栄心からでた嘘だった
「寂しくなんてないよ。大丈夫」
嘘だと言えたら、どんなに…
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