第4話幸せなんて、どこにもないんだ
「ねぇ?幸せ?」
そんなこと聞いてくる君はいつも愛してほしいと全身で訴えている
「幸せだよ」
そう答えてやると君は満面の笑顔を向ける
そんな君がかわいいと思えて抱きしめてやると
従順な犬のようにすり寄ってくる
こんな幸せがずっと続くと信じていた
「ねぇ…ほんとに幸せ?」
いつもの台詞だと思っていた
「幸せだよ」
いつものように答えた
「そっか…」
いつもと違う返答だった
違和感を感じたのに放置した・・・
あの時の違和感をすぐに何か行動に移していたらこんなことにはならなかったのだろうか
後悔ばかりしている
記念日を忘れると怒り出す君なのに
記念日をぶち壊すのも君なんだね
君の誕生日…
「貴方とじゃ幸せになれない…ごめん。別れて…」
そうか…それが君への最後のプレゼントか…
なぜ?どうして?疑問が頭の中で狂い踊っている
最後に格好付けさせてくれ・・・
特別に優しい声で最後の嘘をついた。
それは何もわかっていない俺のための嘘。
「俺の幸せなんて、どこにもないんだ、ゴメンな」
と・・・
格好つけても胸の痛みは消えやしないな。
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