第7話 特訓だぁ!!

「ふっ!ふっ!ふっ!!」



 あ、笑っているわけじゃないぞ?素振りをしているんだよ!素振り!!今、俺は訓練場に居るんだが、まずは素振りをして下さいと頼まれたんだ。何故かって?



 いや、一度騎士団の人と戦ってみたんだが、どうにも俺は基礎がなってなさすぎるらしいんだよ。もうね、デタラメすぎて、どう教えてみたらよいのか分からないレベルなんだとさ。



 とりあえず、騎士団に混ざって素振りからってんで今やっているんだが…地味過ぎないか?いや、分かるんだ。努力の積み重ねが強さになるってのはな?しかしだ、俺はこういう作業的な動きを繰り返すのはどうもな…



 俺はチラッと風香の方の様子を窺ってみる。すると…



「やぁ!!」



 掛け声と共に、矢を放つ風香。そして・・・見事に的の中心に当たったと思われる矢。それを見て、頷く指導者っぽい人。



 うん、風香は今弓術を学んでいるようなんだが…あっちはあっちで上手くいってないようなんだよ。え?真ん中に当たっているのに?と思うだろ?まあ、聞いててみ?



「さすがです、風香様」



「えっへん♪」



「もう、お教え出来る事はございません」



「ええっ!?まだ基礎しか習ってないよ!?奥義とか色々あるでしょ!?」



「いえ、何度も言っておりますが、弓術にそんなものはございません。そして、百発百中の風香様に教えられる技術はもう…」



「そこを何とか!」



「そう言われましても…」



「私、強くならないといけないの!!」



「ですから、私からもう教えられることは…」



 と言う感じなんですよ。あっという間に師を超えてしまったようで、奥義を教えろって風香が弓術の先生を困らせている状況みたいです。いや、強くなりたいって気持ちは分かるけどな…いや、俺からしたら、弓をあんなにバンバン当てられるだけで凄いと思うんだけどな?



「皆!昼の休憩の時間だ!根を詰めすぎて倒れたら元も子もない!しっかりと休むように!!」



 そんな声が訓練場に響いた。何でも、無理して倒れる者が昔多かったそうで、いつの間にかお昼は必ず休む習慣が付いたそうだ。まあ、俺に限っては無理する気はない…あ!?も、もちろん!強くなるためには無茶するつもりだぜ!!え?今更遅い?ですよね…



「和登!お昼食べよう!お昼♪お昼♪」



「だな!腹が減っては戦は出来ぬ!!お昼♪お昼♪」



 俺たちは、そろってスキップしながら食堂に向かった。え?子供かよって?馬鹿者!風香がご機嫌なら合わせるのが俺なんだよ!!そこまでご機嫌取りたいのかって?当たり前だろ!?俺の、彼女がいる青春が掛かっているんだよ!!必死過ぎてすいませんね!?まあ、実は楽しいからやってるのが大きいんですけどね!!








「ねぇ、和登?」



「ん?なんだ?」



 俺が、昼飯をかきこんでいると、不意に風香が話し掛けて来た。もちろん、ご飯より風香の俺はすぐに返事をした。あ、ちなみに昼飯は美味しいぞ?ただ単に、俺は風香と話をする時間が欲しくて急いで食べていただけだ!



「その…この世界に来てよかったと思ってる?それとも、すぐに元の世界に帰りたい?」



「ああ、その事か」



 俺は、風香の質問を吟味してみる。・・・うん、考えるまでもないな。



「確かに、少しだけ帰りたいと思った事はあるけどさ。この世界に来たからこそ、こうやって風香たちとも喋れるようになったんだぞ?あっちにいたままだったら、恐らくこうやって話す事もなく卒業していただろうな。だから、少なくともその恩義を返すまでは、帰るわけにはいかないな」



「そっか…また70点だね?」



「しまったぁ!?風香が一番!風香と話せて俺は一番幸せだと思っております!!」



「言い直しは認められませ~ん!また0点になっちゃいました♪」



「なんてこったぁ…」



 項垂れる俺を見て、にこにこと笑い続ける風香。うん、どうやらホームシックって訳じゃなさそうだな?それなら良かった。他の娘たちにも、それとなく探り入れた方が良いのか?と言うか、俺ってば異世界満喫する事ばかり考えて、そう言う面を考えてなかったなぁ…



「和登、無駄だと思うけど言わせて?」



「え?無駄ってなんだ?風香の言う事なら何でも聞いちゃうぜ?」



「私は、無傷だとしても和登が魔物に囲まれて痛みで喘ぐ姿を見たくない」



 ふざけて返した俺にぶつかってきた言葉は、どこまでも真剣だった。風香は、俺の事を本気で心配してくれている。それが伝わって来たけど、それでも俺は・・・



「ありがとな、風香。でもさ…俺が前に出ないと他に出れる奴がいないだろ?それなら、俺が行くしかないじゃないか?それで、みんなの安全が確保出来るなら安いもんだよ。ほら、俺ってタフだから痛みにもだんだん慣れて来たしな!今度は無様を晒さないさ!!」



 少しだけおどけながらそう宣言する俺を、風香は心なしか心配そうに見つめている。風香は優しい娘だな。ますます惚れてしまうぜ!!え?最近格好つけすぎ?まあ、その落差が俺だしな?気にするな!!



「はぁ、最初からそう言うのは分かっていたんだけどね…一つだけ約束して?絶対に…私を置いて行かないでね…」



「え?そ、それって…」



 まさか!?風香は俺を…



「和登!午後は俺がびしっと鍛えてやるからな!!しっかり食べておけよ!!」



 ナンテコッタ!?良い雰囲気の所を大柄な筋肉ダルマに邪魔されてしまった!?風香は、恥ずかしそうに俯いてしまったし、これじゃあ何も聞けないじゃないか!?くそぅ!?



「・・・おっさん、俺を本気にさせたみたいだぜ?どっちが上か教えてやろう!!」



「お?元気良いな!その言葉が嘘じゃないって所を見せてもらおうか!!」



俺たちは、互いに睨み合いそして、闘志を燃やしながら訓練場へと向かったのだった。








 え?結果はどうなったかって?聞くのは野暮って物だろ?…そうだよ!ボコボコにされたよ!!でもな?聞いてくれ!!風香が応援してくれたんだぜ!!これは、俺の勝ちだと言っても過言ではないな!!え?それでも負けたんだろって?違わい!女の子の声援を貰えた方の勝ちなんだよ!心理的にな!!



「風香の応援のお陰で勝てたぜ!」



 俺は、きりっとした表情で風香に告げる。



「あ、うん…一発も当てられてなかったよね?」



「ぐはっ!?」



 風香の率直な返事に俺は大ダメージを受けた!立ち直れないかもしれない!?みんな!俺に癒しを!!わーい!やっぱり追い打ちだぁ!!がふっ!?



「でも、めげずにずっと立ち向かう和登は、ちょっとだけ格好良かったよ♪」



「俺様ふっかーつ!!」



 立ち直るのが早すぎ?ずっと倒れていろ!?ふっ、俺には風香の格好良いと言う言葉があれば何度でも立ち上がることが出来るのさ!!単細胞?誉め言葉だ!!



「あはは、起き上がりこぼしみたいだね?」



「それだけ、俺にとっては風香の言葉の影響力が強いって事さ!」



「言葉だけなのかな?」



「違うな!風香の存在自体が俺の癒しだ!!」



 キリッと言い切る俺!羞恥心?そんなものは捨てたさ…愛と言う背負うべきものを手に入れてしまったからな!いたっ!?何でここで投げますかね!?



「えへへ♪正面からそんなに真っ直ぐ言われると照れちゃうね」



  両頬に手を当てていやいやと照れる風香、マジ可愛い!!スマホ!すぐにスマホを持て!!



「さあ!俺の胸に飛び込んでおいで?」



 余りの可愛さに抱きしめたくなってしまった俺は、冗談でも言って紛らわそうとした‥のだが



「わ~い♪」



「なん…だと!?」



 俺は驚きで数秒硬直してしまった。だって、マジで抱き着いて来るとか、普通は思わないじゃん!?しかし、そこは俺、僅か数秒の硬直の後、風香を抱き締めていた。俺の脳内を占めていたのは…



 風香可愛い・風香柔らかい・風香良い匂いがする・風香が近い・風香が抱き着いている・風香を抱き締めるチャンス・風香を抱き締めるしかない!!!!



 そんな感じの命令を受けて、俺の身体はほぼ反射的に風香を抱き締めてしまっていたのだ。恐るべし、和登細胞!!



「和登、あったか~い♪」



「いやいや、風香の方が温かいぞ?」



「いえいえ、和登の方があったかいよ!」



「まてまて、風香の方が温かいって!!」



「ぽかぽか、和登の方があったかです!」



「ぬくぬく、風香の方が温かいんだから♪」



「ダウト!和登の反則負けです!!」



「マジでか!?やっちまったぁ!?」



 何してんだお前らだって?さあ?良く分からんけど、風香との掛け合いは楽しいので問題ない!後、少しでも風香を抱き締めていたいと思っている俺の作戦です!!え?成り行きだろって?その通りです!!



 それからしばらく、俺は風香の温もりとか柔らかさとかを満喫していたんだが、流石に長すぎたようです。



「ええと、その…流石にそろそろ放してもらわないと恥ずかしい…かな?」



 腕の中でちょっともじもじし出す風香、めっちゃ可愛い!放したくない!!何て訳にもいかないですよね…当たり前?実際に抱き締めていないからそんな事が言えるんだい!!



 俺は、しぶしぶ腕を放す。すると…



「本当に放しちゃうんだ?」



 あれ?放さない方が良かったのか!?教えてくれ!みんな!!え?自分で考えろ?つれないな!?



「ええと、その…」



 未だにちょっと顔が赤いような気がする風香に、俺は何て声を掛けて良いか分からず、必死に考えていると



「休憩は終わったか?そろそろ、また鍛えてやるぞ!!」



 宿敵、筋肉ダルマが来た!?わざとやってるだろ、お前!?



「おっさんは、俺を今度こそ本気にさせちまったようだな!!明日の朝日は見れないかもしれないぜ?」



「お?言うなぁ?またコテンパンにしてやるぜ!!」



「上等だぁ!!世の中は筋肉だけじゃないって事を教えてやるぜ!!!」



 俺たちは、再び決戦の場へと赴く事になったのだった。結果?何で聞くの?聞く意味ないよね?・・・負けたよ!コテンパンにな!!分かってて聞いても面白くないだろ!?チクショー!?



「和登の凄い所は、諦めない心を持っている事だと思うよ!」



 俺が、一方的にまたもやられた事で少し気落ちしているのを見て取り、風香がそう言って励ましてくれた。マジで女神!女神風香様です!!



「俺、風香がいればどんな困難にも立ち向かえる気がする!!風香、俺と結婚してくれ!!」



 テンションが上がった俺は、勢い任せにまたやっちまった!?口から出た後に意味を考えるとか空恐ろしいね。



「私たち、まだ付き合ってもいないのに結婚とか、流石の私でも冗談だって分かるよ?流石に、私もそう言う冗談はどうかと思うな?」



 むくれる風香、やっぱり可愛い!!って、違うだろ!?まずい!風香に嫌われたら生きていけない!?



「ごめんなさい!調子に乗り過ぎましたぁ!!」



 すぐさま土下座をする俺。プライド?そんなものが俺にあるとでも?



「必死に謝ってくれるのは良いけど、すぐに土下座ばかりしていると信頼性に欠けちゃうよ?」



「それほど風香に嫌われたくないだけなんだけど、言い訳ですね、はい…」



 さらにダメだしされて凹む俺。ふっ、景色が灰色に見えて来やがった…



「はぁ、仕方ないなぁ?そう言う冗談は、今度からなしだからね?」



「はい!以後気を付けます!!」



「私が言うのも何だけど、和登ってノリが良いから勢いでまたやりそうだよね?」



「うぐっ!?否定しきれない自分が怖い…」



 いや、今はすっごく反省しているんだよ?しかし、今後の俺にやるなよ!と言っても、その場のテンションが上がると何やるか分からんのだよ、未来の俺は!!ただの阿呆?その通りだよ!!



「はぁ、仕方ないなぁ…奢ってもらうご飯のランク上がったからね?」



「は、はい!懐を温めておきます!!」



「心意気だけは立派だよね♪仕方ない、許してあげるよ!本当に気を付けてね?・・・私だって、不意打ちされるとドキッとしちゃうんだから…」



「気を付けます!!・・・最後の方はなんて…?」



「何でもないよ!本当に、和登と居ると飽きないけど複雑な気持ちにさせられるよね」



「???」



 なあ?何て言ってた?え?お前の馬鹿さ加減はものが言えないレベルだって?そ、そこまでじゃない!…はず?



「よし!また復活したな?続きをやろうぜ!!」



「また現れたな!おっさん!!今度こそ引導を渡してやるぜ!!」



 その後、その筋肉ダルマと俺は死闘(一方的にボコボコにされる)を続けたのだった。訓練になったかは不明!明日があるさ!!








 そして、夜の俺の目の保養…ではなくて、報告会。今日は、俺と風香以外は纏まって動いたらしい。そして、それぞれの成果の報告をまず行うのだが…



「僕たちは、思ったよりも早く強くなれそうだよ。詳細はまだ教えられないけど、一週間後にはみんな上級の魔物でも軽く倒せるようになると思うよ」



 上級だと!?俺は、低級と思わる緑の魔物すら一匹も倒せなかったんだぞ!?こっちも攻撃は効かなかったけどな!!え?痛がってた?終わったとか思ってた?か、過去にはこだわらない男なんだぜ!俺は!!



「そっか、凄いね!私は、弓が百発百中になっただけだったよ…ダメダメだぁ」



 と、落ち込む風香。ええっ!?そんな事を言われたら俺なんて…と思いつつも、俺はすぐさま風香のフォローに回っていた。



「風香は可愛い!じゃなかった。風香が近くに居てくれるだけで、俺はどんな特訓だろうと耐えられるんだ!だから、風香は全然ダメダメじゃないぞ!!」



「ホント?」



「ホントホント!お陰で今日は絶好調だったぜ!!」



 明日からも風香には傍に居てもらいたいものだな。いるといないじゃ、きっと訓練への意欲が全く変わってしまいそうだ!



「それで、絶好調の和登は何が出来るようになったんだい?」



 ぐっ!?聞いてはならんことをあっさりと!?



「そ、そうだな…強さってのは、目に見えるものだけじゃない!俺の強さは、この心意気だ!」



 くわっ!と目を見開き、俺の精神論を突きつける!これで…



「ああ、具体的に何か出来るようになった事はないって感じかな?」



 誤魔化せませんよね!?分かってたけどな!!



「だ、だから!目に見えるものだけじゃないんだよ!?」



「まあ、何も成果はなかったって事だね」



「うぐっ!?」



 い、一日目だし?あと6日で俺は開花するんだよ!!多分・・・



「そんな言い方したらダメだよ!和登、今日はすっごく頑張ってたよ!倒れても倒れても、自分よりおっきい人に何度も挑んでいたし!私、思わず力一杯応援しちゃったもん!」



 何と!?俺が、勢い任せに何度も突撃していたのを、あんなに真剣に応援してくれたのはそう言う事だったのか!頑張ってる人を思わず応援しちゃった!みたいな感じか?お、俺への愛情はどれくらいあるんですかね?え?ないだろって?そ、そんなわけないし!すっごく距離縮まってるし!!



「なるほど、何も考えずに何度も突撃している和登の姿が目に浮かぶようだね」



「うぐっ!?」



 な、何てこと言うんだ!?思いっきり正解じゃないか!?い、いや!実はちゃんと考えてましたし?ほら、俺ってタフだからいつか相手がへばるかもってな!!うんうん、体力切れを狙うのも戦略って奴だろ?え?訓練でそれは何か違う?そうなのか!?



「もう!月姫!何でそんなに意地悪言うの?和登が可哀そうでしょ!大丈夫だよ、和登!私は、和登が頑張ってるところを見てるからね!!」



 そう言って、俺の手を握って来る風香。やっぱり、天使!!俺、絶対に幸せにします!!調子に乗るな?付き合ってもいないだろ?あの、何度も下げるの止めて下さいませんかね!?



「風香は、和登に甘すぎるね」



「月姫は、和登に厳しすぎるよ?」



 バチバチと視線での攻防をし出した風香と月姫。俺は勿論、風香を応援するぜ!え?止めろ?はっ!?ここは、あれか!?私のために争わないで!!って、え?気持ち悪いからやめろ?そうですか…



「もう、二人とも?和登君を困らせたらめっ!だよ?」



「・・・そうだね、こんな話をするために集まったんじゃなかったね」



「うん、私たちは魔物殲滅部隊の仲間だもんね!」



 ごめんと謝り合う美少女たち。うん、やはり美少女同士仲良くするに限りますな!え?原因の癖に何もしなかったって?だって、止めたじゃん!!私のためにってやろうとしたのに!!え?余計こじれた?そ、そうかね…?



「それじゃあ、話の続きに戻りましょう?私たちはね、昨日の立てた予定通りこの世界の自分たちと同じ職業の人の話などを聞いて、色々と試行錯誤している所なのよ。それで、色々分かった事もあるんだけど、まだ憶測の域から出ていないから、もう少しまとまってから話そうと思っているの」



「なるほどな。確かに、がむしゃらに動くだけでは分からない事も多いかもな」



 う~ん、明日は俺たちも何か違う事をした方が良いのか?



「そう言う事だよ。だから風香も明日はこちらと合流したらどうだい?弓をがむしゃらに撃ち続けても無駄だと言われたんだろう?」



「えっと…そうだろうけど…」



 ま、待って!?まさか、風香まで俺から離れてしまうのか!?そ、それは俺のテンションが大暴落だよ!?まずいですよ!?見捨てないで!?



 俺は、風香が明日から別行動だと聞いただけでお先真っ暗になってしまった。きっと、青い顔をしているに違いない。え?情けなさすぎる?俺のテンションってそんな理由なんだよ!?悪いかよ!?でも、大事でしょうが!?



「和登が一緒に居て欲しいって顔をしているから、私は明日も和登と一緒に行動するね」



 そう言って、俺に微笑んでくる風香。女神降臨!!俺の真っ暗だった未来に眩しいほどの光が注ぎ込まれた!!だから大げさだって?大げさじゃないんだよ!俺にとっては!!



「風香!愛してるぅ!!」



 俺は、走って行って抱き締めようと思ったのだが…



「はい、おさわり厳禁だよ」



 後ろ襟を月姫に掴まれて止められてしまった。チキショー!?え?犯罪が未然に防がれて良かった?そんなやましい気持ちじゃないって言ってるじゃんか!?



「まあ、ある意味ではバランスが取れたカップルになれるんだろうけどね」



「ん?何か言ったか?」



「何でもないよ」



 また出たよ!やれやれポーズ!!やらないと気が済まないんですかね?って、君らもやるんか!?何なんだよ!?








 そして、明日の予定もざっくり決まり、俺は部屋へと戻ったのだが…



「お帰りなさい、ご主人様」



「何で、いるんですかね?」



 何故か、今度は部屋の中にフィーナがいた。何なの?一週間後じゃなかったの??



「お疲れだろうと思って、マッサージしようかと思ったんですが…嫌そうなのでやめ」



「お願いします!!」



 はっ!?反射的にお願いしてしまった!?俺、悪くないよね!?



「では、横になって下さい」



「お、お願いします」



 そして、何かセクハラされたらどうしよう!?とか、ドキドキしていた俺だが、そう言う事はなくマッサージをしてもらい、気持ちよすぎていつのまにか寝てしまったのだった。ヘタレ?関係なくない!?

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