第6話 戦いの準備だぁ!!


 前回の…え?いらない?そうですか…いや、ワンチャンツンデレ対応って事も!?ない?そうですか…まあ、いいや!では、和登の大冒険!始まるよ!!


※次回からはこの件はなくなるのでご安心ください








 さて、もう次の日かと思っただろう?残念!実は、現在俺たち召喚された勇者五人組で集まってます!あ、すでに色々済ませた後だからな?入浴シーン期待した人は残念でした!期待した人とは俺です!とても残念です!!!



「何で無念そうな顔をしているんだい、和登は?」



「聞いてくれよ、つっきー!可愛い女の子の入浴シーンがないんだ!何とかしてくれよぅ!」



 俺は、反射的に男同士の悪ふざけのノリで月姫に返してしまった。言ってしまってからハッ!?となったが、そこは俺のポジティブシンキングで仲良くなるチャンスだと思い込んだ。さすが?嫌味だよね、それ!?



「…名前で呼び合うのは許可したけど、変なあだ名で呼ぶのを許可して覚えはないんだけどね?」



「そんな事言うなよ、つっきー?俺とお前の仲じゃないか♪」



 そう言いつつ、肩に手を回そうとした時だった。月姫は、いつもの笑顔何だけどその奥に何か黒いものが見え俺は思わず両手を上げて降参の姿勢を取ってしまった。



「その手を、どうするつもりだったんだい?」



「いえ…その…調子に乗ってすみませんでした」



 俺は、顔を引きつらせながら謝った。何か、一瞬月姫が物凄く怖かったぞ?何だったんだ…?



 そう思って、首を捻っていると背後から何かを感じてビクッとなってしまい、慌てて振り向いた。だが、そこにいるのは残りの3人のみ。何かがあるわけではなく、俺は首を再び捻る事になった。



「どうかしたのかい?」



「いや…何やら背後から寒気を感じた気がしたんだけど…気のせいだったようだな」



「へぇ…それは、失敗したね。肩くらい抱かせてあげた方が面白かったかもね」



 そう言って、何故か笑顔の風香の方を見る月姫。む?どういう事だ?さっぱりわからん!誰か説明してくれ!!



それはそうと、月姫がチラッと言ったけど、俺は全員と名前の呼び捨てで呼び合えるようになったんだぜ!!凄いだろ!?え?何故そうなったかって?それはな…良く分からん!!



 何かな?風香がな?みんながもっと親密にならないといざって言う時に困る事が分かったからそうしよう!とか言い出して、それをみんな受け入れたんだ。良く分からないけど、俺の頑張りのお陰だと思われる!!え?都合よくとり過ぎだ?良いんだよ!それが俺の良い所!!



 それでもって、現在は明日からについて話し合いのために集まっているわけだ。あ、でもな?すでに明日から一週間は魔物退治はやめて、訓練期間になったんだ。すでに、王様とも話が付いている。



 もちろん、何か不測の事態で俺たちの力が必要になったら助けに行く事になっている。最近は、特にイレギュラーな事が多くあるそうで、その時はお願いしますと頭下げられてしまったよ!



 元々、俺たちが訓練をせずに魔物と戦いながら実力を付けさせようとしたのも、魔物が増えてどうしようもない現状を少しでも良くしようとしていたからだと言う話だ。なので、最初は今日の帰還時、誰も見た目には怪我すらしてないから、明日からもそのまま魔物相手の特訓みたいな感じでいくはずだったんだ。



 その話が出た瞬間に、風香が食いついたんだ。俺が、大変な目にあって危なかったと話し出して、もしそんな扱いするつもりなら他の国に行くと言う話まで進めた。王様たちもそれは困る!って感じで、風香の要望を受け入れてくれた。俺のために怒ってくれた事は嬉しかったけど、責められている王様たちがちょっと可哀想だったかな?



 まあ、俺としてもまた仲間たちが危険にさらされるのは困るから、訓練云々は賛成だったわけだ。なので、今日から一週間!今度こそ、俺は勇者として力を付けねばなるまい!!ファイトだ!俺!!え?懲りてないのか?ふっ、俺にネガティブと言う言葉はない!!



「しかし、特訓と言っても、実質一人…いや、二人しかまともに出来ないだろうからね。それも、いきなり低級とは言え実践の場に放り込まれた理由の一つだろうね」



「ん?どういう事だ?」



「どういう事だ?」



 俺が首を捻って月姫に聞くと、風香も真似して来た!何この子、可愛い!持ち帰って良いですか!?え?ダメ?やっぱりだめかぁ…



「・・・良いかい?和登?君の盾や、風香の弓術士と違って、僕の砲術士や、彩夢の器術士、そして、一番解り易い古都の魔術師。これらを、訓練施設で練習したらどうなると思う?」



「あ・・・しかし!ここは異世界だ!!きっと、物凄い結界か何かがあるはず!!」



「あるはず!!」



 俺の最後のあるはず!!だけ拾って真似する風香!可愛すぎる!!え?真面目に話を聞く気あるのかって?し、仕方ないし!可愛いは正義だし!!つまり、避けようのない癒しがそこにあるのだ!!手を伸ばさないのは人生の損失である!!いたっ!?物を投げないで下さい!?



「あのね、和登?そんな便利な結界のような物があるなら、魔物の襲撃何て怖くないと思わないかい?」



「・・・確かに!!い、いや!きっと、限定条件とかで町を覆えないだけで小さくならきっと出来るはず!!」



「出来るの?」



 む?真似されなかった!?何か悲しい!!でも、首を傾げる風香が可愛いから良し!!・・・そんな、呆れた顔しないで良いじゃないですか!?日常に潤いを求めるのは、人間の本質でしょう!?



「出来たとしても、そんな貴重な物を特訓で使うはずないと思わないかい?」



「た、確かに…」



 いや、分かってたんだよ?うん。ほ、ほら!風香にちゃんと説明してあげないとと思いましてね!!ね!?え?言い訳にしか聞こえない?そうだよ!言い訳だよ!悪いかよ!!いたっ!?開き直ったのが鬱陶しいからって物を投げないで!?



「しかし、古都はともかく、僕と彩夢は何かしないとね?実戦で何も出来ないで足を引っ張るのは問題だからね」



「問題ない!厳しい特訓は俺だけで良いくらいだ!俺が、みんなを守るぜ!!」



 俺は、気合の入った声でみんなに気持ちを伝えた!きっと、俺の決意が伝わったはず!!



「今日は、結局何も出来ないに等しかったよね?」



 うぐっ!?



「突っ込んで、私たちに心配させたよね?」



 おぐっ!?



「風香を泣かせるくらい心配させたわよね?」



 ぐはっ!?



「あ、しかも、最後は古都ちゃんに助けられただけで、魔物を一匹も倒せてなかったよ?」



 ぐふぉあ!?



 俺は、余りのダメージにその場に膝をつく。何の役にも立たなかったのは分かってるけど、言葉にされるとダメージが大きい!!みんな!俺を慰めてくれ!!ちゃんと反省しろお調子者め?的確な止めをありがとうございます…ぐふぅ



「和登!明日から一週間一緒に頑張ろうね♪」



 そう言って、俺を立たせて笑顔を向けてくれるマイエンジェル風香!俺の癒しはすぐそこにある!!ビバ、異世界!!え?異世界関係ないだろ?あの、一々突っ込むのやめてもらって良いですか?俺のダメージが回復しないと困るでしょ?え?問題ない?そ、そんなことないはずですぞ!?



「本当に、風香は和登の事が大好きだね」



 おい!月姫さんよ、何て事を言うんだ!?そう言う事は、直接言ってはいけないルールがあるんだぞ!?



「うん、大好きだよ♪」



「ぐはぁ!?」



 な、何と言う破壊力!?エンジェルスマイル恐るべし!!月姫よ、時にはルールを破ってでも手に入れなければならない物があると学ばせて貰ったぜ!グッジョブだ!!



「わずかも躊躇わないとはやるね」



 月姫は、何故か風香を称賛している。バカめ!純粋な風香は、俺の事を大好きと素直に言ってくれただけだ!他意はないのだ!あって欲しいけどないのだ!!その純粋さが眩しい!俺はとっくに失っちまったのさ…純粋だった俺!戻って来い!!



「俺も、風香の事大好きだよ♪」



 どうだ!純粋な気持ちを込めて俺も言ってみたぜ!え?きもいからやめろ?う、五月蠅いやい!!キモくないもん!可愛いもん!!いたっ!?物を投げる頻度高くないかい!?



「嬉しい!ありがとう♪」



「ぐはぁ!?」



 くっ!?クロスカウンターをもろに貰っちまったぜ!可愛すぎる、この娘!!テイクアウトします!!犯罪の匂いがする?そんなやましい気持ちじゃ無いやい!俺を癒してくれる天使に傍に居て欲しいだけだい!!



「風香!余り、和登を刺激してはダメよ?その…彼も男の子なんだし…」



 そう言って、俺の事をチラチラ見て来る古都。え?何?もしかして、俺の男の証を見せればよいたたたたっ!?物凄い勢いで物を投げるのやめて!?お茶目なジョークじゃん!!え?セクハラにしか聞こえなかった?そ、そんなことないし!!絶対に口に出さないからセーフだし!?



「なるほどね。和登、これからが大変だね?」



「ふっ、勇者たるものどんな困難にも立ち向かうのみ!乗り越えて見せるさ!!」



「・・・絶対に分かってないね、これは」



 おや?何故か月姫がまたやれやれってし出したぞ?何故だ?今のは、明日からの特訓が大変だろうけど頑張れって事だろ?違うの?な、なんだよ!何でそんなこいつダメだみたいな目で見るんだよ!俺が何をしたってんだ!?



「わ、私たちは私たちで出来る事をやりましょう!同じ職業の先輩方がいるのが、逆に私たちの強みだと思うのよ」



「確かに、僕たちの職業は結構いるらしいからね。でも、僕たち異世界人しか出来ない力の使い方もあるはずだよ。まあ、どちらにしろ知識は必要だから、古都の言う通り情報集めに徹するのも手だね」



「わ、私も二人と同じように頑張るね!」



 ふむ、つまり…俺と風香の二人っきりでデートだな!え?特訓?わ、分かってるよ!言ってみたかっただけだよ!!夢見るくらいいだろ!!



「よし!俺たちの闘いはこれからだ!!」



「がんばろう!おー!!」



 俺と風香で盛り上げる中、他の3人も付き合ってくれた!ふっ、完璧なチームワークだな!!え?完璧って言葉を知っているのかって?知ってらい!気持ちの問題なんだよ!!こういうのは!!







 一応の話し合いが終わった後、俺は自分の部屋と戻った。そしてすぐに、ボフッと枕に顔からダイブした。そして、思う事は一つ!



「湯上りの女性陣は最高でした!!」



 一応言っておくが、手は出していないぞ?あくまで、見た目と香りを楽しんだだけだ!え?犯罪臭がする?自分から嗅ぎにはいってないぞ!?漂って来ただけだ!そして、必要以上にジロジロ見てはいないぞ!…多分?いたっ!?今日何度目の投擲ですか!?



 だって仕方ないじゃん?あの幼さの残る風香でさえ、風呂上がりは色っぽく見えるんだよ!!見ないでいるなんて無理に決まっているだろう!?大丈夫だ、そんなにじっくり見てないからバレていないはず!え?女性は視線に敏感?・・・マジっすか!?だ、大丈夫だよ!きっと!!…あの、一緒に謝って貰えません?ダメですか、そうですか…



 その時、俺の崇高なる思考を妨げるノックの音が聞こえた。え?崇高とか俺には無縁の言葉だって?そんなことないですよ!俺はいつだって気高いんだ!!・・・あの、呆れた顔するのはやめてくれません?物を投げられた方がまだましと言うか…



 仕方ないので、俺は部屋のドアを開ける事にした。



「あの、どちらさんでしょうか?って、フィーナ?こんな時間にどうしたんだ?」



「失礼します」



 俺の問いかけを無視して、部屋に入って来るフィーナ。相変わらずの無表情だ。何の御用でしょうかね?



「あ、もしかして明日の予定が何か変わったのか?」



「和登様は寝るところだったのでしょうか?」



 このメイド、全然俺の話を聞いてくれないですよ!?どういう事なんですかね!?



「まあ、一応今日は疲れたしそろそろ寝ようとは思ったけど、何か用事があるんじゃないのか?」



 俺の問いかけを無視して、何故かフィーナは俺のベッドに向かい、更になぜか入った!?



「何しとんねん!?」



 驚きの余り関西弁になったぞ!?マジで何なの!?



「あの、なるべくなら電気を消して頂けると助かります」



「あ、はい…って、寝るの!?寝る気なの!?俺の部屋で!?」



 マジで意味分からん!?誰か説明を!?



「はい、寝ますよ?和登様と一緒に寝ます」



「へ?俺と一緒?・・・俺と一緒に寝る!?」



「何故驚かれているのですか?」



「驚かないわけがないだろ!?どういう事なんですかね!?」



 どういう事だ!?今すぐスマホで検索だ!!って、持ってねぇ!?それは仕方ない、あったとしても異世界じゃ電波来ないしな!!って、そうじゃねぇだろ!?何故、フィーナが俺と寝るなどと…まさか!?



「もしかして、俺とその…そうなれって命令されてんのか?それなら、無理しない方が…」



「いえ?違いますよ?大体、和登様にはあんなに可憐な少女たちがいるのに、そんな命令が下るわけがないですよ」



「そ、そうか…フィーナも十分可愛いと思うけどな?」



「ありがとうございます」



「いや、表情筋使おうぜ?全く動かないとか、喜んでいる気がしねぇ…」



「言われ慣れてますので」



「言われ慣れてんのかい!?」



「冗談ですよ?」



「あの…無表情での冗談はやめてもらえません?全然分からないんで…」



 この俺がここまで押されるとは!?無表情メイド恐るべし!?もしかして、この城で一番の強敵なんじゃないか!?



「それでは、緊張がほぐれたところで、和登様もベッドの中へいらして下さい」



「そうですか?じゃあ、失礼します…って、なるかい!?説明してくれって言ってますよね!?理由を教えてくれませんかね?」



「え?冗談じゃなくて本気で聞いていますか?」



「はい、本気で聞いていますね」



 何なの?このやりとりは!?本当に、俺がペースをここまで掴めない何て稀ですよ?



「なるほど、魔物にボコボコにやられたと聞きましたし、そのショックで記憶を失ったんですね」



「無表情の中にも憐れみを感じる!?記憶を失ってなんかいないですよ!?元々忘れっぽいだけだし!!」



 うむ、言った後気が付いたけど、物凄く情けない事を言っているな?俺!どんまい!!



「忘れられてしまったんですか、悲しいですね」



「…だから、表情筋が全く動いていないので悲しそうに見えないんだけども?」



「悲しくないですからね」



「悲しくないんかい!?」



「それはともかく、忘れてしまったのなら仕方ありませんね」



「ああ、うん。俺のツッコミは無視ね、良いけども。忘れてしまったのは申し訳ないけど、話してくれないと問題しかないのでお願いします」



「仕方ありません、一度しか言わないですよ?」



「うむ、どんとこい?」



 一体、どんな真実が顔を出すのか…!?え?煽り過ぎだろ?分かんないじゃん!すっごいことかもしれないじゃん!?



「私を…お嫁さんにしてくれるって言ったじゃない!和登の馬鹿!!」



「な、なんだってー!?そんな重要な事を忘れている何て俺のあほぅ!!って、さすがに嘘だろ!?そんなこと忘れるわけがない!!」



「はい、嘘です」



「だから!無表情で冗談や嘘を言わないでくれない!?分からないんですよ!?」



「はい、実は…ぐへへへ、お前の全てはこれから俺の物だ!今夜は無茶苦茶にしてやるから逃げるなよ!!と言われたので泣く泣くやって来ました」



「おおぃ!?それ俺の真似!?俺の真似なの!?そんなこと絶対に言ってない!確かに、多少はスケベなのは認めるが、そんな変態で鬼畜な事を言うはずがない!!」



「多少スケベという事は、私を無茶苦茶にしたいとは思っているんですね?」



「そこまでじゃないし!胸大きいな!とか、スタイル良いな!とか、良い匂いするな!とかくらいしか思ってないぞ!?」



 ハッ!?今、言わないで良い事まで言った気がする!?メイドの誘導尋問恐るべし!?え?俺がおバカなだけ?そ、そんなことないし!!



「なるほど、それで私を愛人一号にしてくれたんですね」



「愛人一号?・・・あ!?」



「思い出しましたか?」



 た、確かに!?今朝、ラジオ体操の件でそのような話が出た気がするな?しかし、冗談だと思うだろ!?普通は!?マジでマジなの?と言うか、え?もしかして、そう言うつもりで…?



「もしかしてだけど、その…そう言う事をしようと来たんじゃないよね?添い寝に来てくれたとか?」



「愛人って添い寝だけで成り立つんですか?」



「ど、どうだろう?愛の形って人それぞれじゃん?色々とあると思うだ…うん」



 や、やばい!?マジでそう言う事な気がして来た!?いや、お分かりだろうけど俺は経験ないので…いや、そもそも俺には風香がいるし!!え?勝手に彼氏面するな?あれだけ仲良いんだから、もう付き合うのは時間の問題だと思うのです!自意識過剰?そ、そんなことないっすよ!!多分…



「なるほど、和登様はとんだチキン野郎だったと」



「言葉の暴力反対!?」



 何て事を言うんだ!?このメイドは!?



「余り調子に乗っていると、本気で押し倒すぞコラ!?」



「どうぞ?」



 許可出たぜ!ヒャッホー♪何て行くかよ!?



「降参です!!」



「…普通、こういう時って、とりあえず押し倒すまではするんじゃないんですか?とんでもないヘタレですね」



「がほぁ!?」



 俺は、余りのダメージに床に手を付いた。このメイド…出来る!!言葉の暴力の威力が桁違いだ!!



「はぁ…折角、永久就職先を見つけたと思ったんですが、困りましたね」



「ええ!?…つまり、俺が勇者として稼ぐだろうからそれを目当てにって事か?」



「その通りです」



 即答されて、俺はさらに額を床につけるくらい沈み込むのだった。ここまでか…



「仕方ありません、愛人一号の席を予約でお願いします」



「え?そんな予約制度聞いた事なんですけど?」



「たった今、出来ました」



「あの…お腹を押さえながら言われるとちょっと違う意味に聞こえると言うか…」



「わざとです」



「分かってますよ!?」



 何なのこのメイド!?絶対に、俺を主人だと思っていない事だけは分かるけどな!!



「つまり、早く本命とエッチして下さいって事です。その後なら、私の身体をむさぼれるでしょう?」



「何て事を言うんだ!?君は!?」



 このメイド、もしかしてビ○チなんじゃ!?



「違います、処女ですよ?」



「心読まないで!?あと、堂々と言わないで!?」



 そんな情報、俺にどうしろって言うんだよ!?



「と言うわけで、早く風香様とエッチして下さい」



「ななな、何を言っているのかね!?君は!?」



 何故俺が風香を狙っていると知っている!?エスパーか!?意外と解り易い?マジでか!?



「見た目で問題あるから難しいですか?では、古都様ではどうですか?」



「だから、何を言ってるんですかね!?」



 やめろ!?意識してしまったらどうするんだ!?古都は、めちゃくちゃドストライクなんだぞ!?まずいだろ!?今は浮気とかそんな事言ってる場合じゃないんですよ!?



「分かりました、では姫様で手を打ちましょう」



「ステーシィまで供物みたいに捧げるんじゃねぇ!?」



 相変わらず、恐ろしいメイドだ!?姫まで差し出そうとするとは…しかも、俺が意識しているベスト3をピンポイントで当てて来るなんて!?あ、ちちち、違うよ!?そう言う事じゃないんだよ!?思春期なの!許して!?



「では、一週間以内に誰かと結ばれませんと、初めては私という事になりますので頑張って下さい」



「一週間は短くないですか!?と言うか、マジなのか…?」



「どちらが良いですか?」



「…ごくり」



 ここに来て、初めて表情を動かしたフィーナ。その妖艶な微笑みに思わず魅入ってしまった。



「では、一週間後を楽しみにしていてくださいね」



 そう言って、微笑んだまま出て行ったフィーナ。結局どっちなんですかね!?



 その後、俺が悶々としてしまって中々眠れなかったのは言うまでもない。

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