浄玻璃


変わり果てた姿に沿う、この モノクルの翁をのぞく


 暗闇に絆されたらループに捕まる、

  だとしても雲霓へ扮飾する櫂船と

   彷徨える悪癖に収まるはお月様さぁ


 さあさあ、ほつれかけた秒針にうずくまる、

 アバラヤに潜む まだ見ぬ君を助けられたなら


明窓浄机。

 どこへ行けば今に追いつけるの(瞳をうら遷した。)

  なにを信じれば過去も懐けるのだ(彼方への烏と啼かせよ、)

 

 四方を切り開く。どうせ縋りつき貪るのが愛である

  生まれ逝く泥濘に撥ね、胎内の生体反応を呪詛に連ねます

 朝に有ればソナタと甦る、ひとさしゆび、碧落の下で。

  目まぐるしく、羽根も舞うことなのだろう

 

 すきだらけの君だけを遺し世界は変わると信じ

   (どうせ掬われないだけで流され続ける)

 まばらうた もう どうでもいい

   (この身はとうに腐りきって)

 ならば瓦礫の川 脊椎だけが繋ぎ 眠ろう。

 

この鉄屑の芯を集めて、仙骨だけがぼくを司る

 破屋に点した、

  心だけが叙景に満たぬとアレを又殺したのだ

(これがマザー)

  彼方だとして、好き勝手にいきまいてしまった


 もつれだした枝葉、金環日食と削がれた砂埃はスクリーンへ

   湾曲した漆の艦を圧迫して、低い夜を塗り替えていくとき

    みな一様に 歩を垂れる ひかりとして

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