渡守 

鋳型の舟

酔いが廻る、きっと飲み込まれるだけのあの世とこの世、

永久。

顎を使う、短く刈られた手足の人形に操られた

心臓を抱えられている(カミクダカレタとも云う)

そのうち華邸はなやしきと呼ばれる旧家へ腰かけてしまう

いつかの向日葵は捥がれ飾れて

今の季節見る影もなく、スクリーニングを貪る、

わたしは、

あれは君のようで君では無い、オンナになっていたとする。

青々と茂る草木と蝉の音はこれ以上ないほど

ギラつかせるものだ、無論沈んでしまうというのに

詐病癖のある雲海に乗り込んで蝋燭に「ひ」をともした

出逢いたくもない美しい過去が蘇るばかりでばったり、

立ち尽くしてしまっただけでも

思う以上に荒廃した坪庭から小道が伸びているのを確認して

きっとある。どうしたって避けきれない遊戯場に、向かう

動翼は握られているものこそが

君の声をこの手の鳴るほうへ、こなくそも生かす

視覚を喪っても疑うこともなく、あしどりもかるく

これは罰ゲームらしい簡単な偽造罪。

右ぽっけにトルマリン、左頬に毒蛾を飼う。

檻の奥には赤いカッパを着た女児が痕跡を崩さずに、嗤って

 




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