R305

曇り窓

どの春も躑躅を寝室に施す。

儀式には黒羊のピースはもう足りず 嗄れた喉をならすのみ

だから 待ち人は現れず 残念ながら思うようにはいかないのだ


あらわな 感情を抜きに勝手に配色されていくほころびを追っている

光と闇のこもれびを瞬く間に見紛う、それで__


茶請けの羊羹は質素で 口に含んだ、ぬるい茶を含む。

これも出がらしだった。踏みつけられた屍は凍えているが

硝子の欠片を持ってくるい、ほほえみながら、ふらふらと選って集る。


傍らの童らもそのうちに青い鳥を剥ぎ、羽根ペンを作り出す

誣いたような花に末代までこの道を祟るように引いていく

偶然で必然の出逢いでしかない。一糸まとわぬ 愛で抱かれて


受付版号は またたく 間に長され、待合室は疎らに 反り返る

緩く組み直す甘さと 手負いの影に どこか爛れたハレモノのよう

魔女の帽子の奥の 星空すらあられもない、やはり嘘に事欠かない

さて、まっさらな織物を広げた うえで 毒を喰らい蜜を吸う。


ただ煤けた額縁では無いか。だからあれがなんだと言うのだ、

海辺を走るわたしの足跡に花が咲く。

きっと強いた未知に、その顔は曇り窓から滴る採光で見えない。

知らしめている。とも、夢物語は 正されていくのだな

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