面影

皆皆知っていて、叩き潰した運命はカゴのメの数だけ

囁くばかりの踏切の警鐘はまるで導きのように

そこだけが誰かの視線にスライドしていくこと。


一反の端を持ち天に掲げる。逆説を弾き延ばし旋律を奏でゆく。


月夜の庭に注いだ 青藍を、知らないはなが日々 眺める

鈴の声色と息んでいる、未来は明るくも そこが見えぬから

そりゃあ素敵な巣をこさえていくだろうとだぶついて魅せても

とても恐いのだと諭す。ピアスの温もりが重く楔を擡げていた


世界は穿き違える のを じっとして感じてください


戸棚の底に仕舞われた昔ながらの煙管が かたちづくる

何気ない夕餉のこと

手を離せば柔らかな古布に摘まれるという。

案外そんな気分で。


屹度終わりの見えない徒労であることは

数多ある棘の針の錆びた地軸 聞き取れぬ足掻きで添って、

動転した あれは隙間に落っこちたグズノロにでしか無かった


救いを得るよう羅針盤を廻る、私が芯に思えるからだで、

まるで導きのように固く口を閉ざしたまま、苦虫を逃すのだ。


つまらない唄だ、

あれは旧い集成で風に靡くとも知っているか

いっそ過剰な土壌に白蟻を溢してわらわらと埋まるのを待つか

どうせたなびきたる未知は定められている


そのうち良いも悪いも狂乱の宴と化す、

その予兆ら美味だろうな 捏ね繰りまわす未来を、

仕立て上げる記憶ごと揺さぶったとしてさ

それでも縋っていたいのだよ。まったく、

いい加減な蜥蜴である きみもわたしも。


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