夜糞峰榛

 私ではないなにかを 求めてやまぬ。

 まわりくどい なんて今更 童子を呼び停めて ボヤけた視界 これが真実だと蜘蛛の糸で吊るした。ゆめうつつの靄 この不安を、振り子に託して。

 黄昏の比率は怖々と顕著に召される、晴れ渡る秘部に と奥に 烏が見知った。

 展が天よりも空虚で 愛しているよと突き放す、そらよりて青を覗く 底からも見えるほどに殺伐。

 僕と君の距離は 遠く近くに、アンバランスな雨季が 泪に移り込む春寒を流して。結ばれている その刹那の運命が。しかし振り向くなかれ、出会いて貴石と伝染る 偶然と必然の 創造と今を仕留める。

 わかい 露地に 狂わせた 黒鳥が重なりやってた それがあっての軌跡である。

 青々と殖えるどうぶつの、小高い峰に わらいごえにも 追い越せないものを、手放した。僕は僕でいて 天使だった悪魔だった。

 でも なあ、足元の影が尾ってこないんだ。どうとでもよかったから

 みそらだった 囀りはくすんだ寂を齎す。君は従ったんだ。

 言い訳じみた壁に向かい あおいとりとなり果てたのだ。なんて勝手だよそんなの、あと四拾七歩のところでねえ わらいなよ

 それ以上の唄が 聴こえるよう 葺いて廻る 風は吹いていて

 ねえ、なかないでよ。シロに剥げた 愛用の椅子の骨組みは きっと、冷たいよ寒いよ、ねえ ねえ 瞬く間に黙って凪いで 何か言いなよ。

 僕は薄明に落とされた 削ぎ落した頬から垂れ下がる 糧 を いくつほし 数えても 青白磁の器 この躰もなかなか 馴染んでいく。

(だから星屑は嫌いだと言ったのに )

 容易く。あしはもぎとられ 腐臭を抱く その某を握っている 小さな奥地に吾ら イモムシに成り代わろうと(千切られていくは、闇雲に、) たどりつけるのも真実とはたがう、現実を垣間見る。

 あなたはそこにいるのか

 想像を超えて、いまであえる 乳鉢に圧し潰された彼等とは、旅の計画書にセンの砂礫を置いて或る。其処に今、 わたしといた。

 個々確かに とけだしたガラスの青嵐だけを紅さしゆびで 画く。

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