庵航路
みすぼらしく散漫な蒼紅。その倦怠期の心の柱の傷の舐め合いは何処か儚げな空気人魚、らしかった。芯や白蟻の、翔きの光の速度で、眼帯を黙読して置いて。空気中に浮遊する 薔薇の濡れ衣 白銀の影狼には追いつけない 似合わないかぎ爪の 膿んだ後を反り返して、左遷したような有形である。手の内の収まる匣にはきっと似合わないであろう 無駄な時間を ただ黙祷していただけ。すでに海鳴りも止んだ なよなよした湿気った風も ちっとも吹きはしない。言葉にしたら乾かなくなりそうな 雨ざらしは、何故に存在しなかったように、溺れた眼球を そのままにチカチカ濁らせている。視界の楚の先
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