黄泉の客

内萌乃苑うちもえのその

その薄紗の潤む睫にも濡れ伏せた余光に浸る

幸遠い未来をどうか翳りだけでも覗いて視たい、

夜の帳をでっちあげる我が身にもなりたまえ

あなたの解れ髪のうなじの白波に添わせ

私を傍に侍らせ贈れば、少しなりとも絵になるのではないか、

などと夢物語を掻き鋳出す、ばかりにこうして此処まで

ならば申し訳も経たずに、天上の沁みに掲げる青い鳥の

不揃いな毛羽立筆を暗む灯りにとおし、虚勢を囀るが好い

はたはたと夜光虫がちらついては燻り焦げた旨に、故に

小声にも摩ればあたたかく、そのうち泪してくたりと折りました。 


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