弾頭


 

 広大な夜空までの境、壁一枚隔てた地下空間の基点と装填を曲げ伸ばして利用する。

 そして数多我楽多に住まうものたちから、遺されたものを取り戻す。今日はその日である。

 

 ほら、腰下ろし空を見上げている、そうだと、見えてくるものがあるはずだ。

 

 今宵はかの著名な流星が極大を迎えるということで、いつでも、いつも……ならばひっそりと焦がれる住宅街は、

 感情移入を繰り返し編み込まれた蜘蛛の糸で、やっと結われたら、廃墟に見舞われていると、らくに夜目に気付く。

 イカサマを忘れた我々がほんの少しの夢に落ちるよう。

 誰かの祈りたちがこの耳をつんざいて、エラーを吐き抱いた賛美歌の光と輝気がまたたいて散っていくのを、

 降り出しに代えるように ちょっとだけ救われたように、ルーレットは廻り廻る。

 

 食卓の賽の目はいつだって LUCKY SEVEN!!

 あたたかい奥底に死したたましいが呑み込まれ宿ります。

 

 静寂のうねりがこの世界を少しだけ開かせていく

 眼差しの奥底なのかそれとも夢見の丘の上か。

 盤面に拓かれた人生ゲームに当たれば、

 

 誰一人疑うとなく死した一線の瞬ぎに 心奪われて、充たされたものたちから、この身は霧散して逝く。

 光とともに闇に呑まれるままに酩酊しているDICEの如く我々はあがりを待つ。

 然しその夜はやはり阿鼻叫喚の坩堝と化す、運命に。且つ。

 

 呼び鈴を提げて列を生す。通過点は クロス紛いの膝、赫赫。

 黒ずまないからブラックダイヤモンドにもみたなかったが。炭化した足跡が見始める、ことに灯された数だけ、

 

 空蝉が沢山へばりついた、恩知らずの者が、空洞の十字架に、

 火を、くべていた、やっと暮れ残る、燻製の、このみを観察する、

 

 遠巻きの同情が聴衆の間からこぼれて消えて、溜息とも喝采とも想え……

 星星が眠りにつくように眼が堕ちる。

 我々は等に腹をすえている。

 結果はもう過ぎ去っていくばかりを、いつどきも繰り返すのです。

 

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