秋色の恋

 なぜこれほどまでに枯葉輝るのか、枯れ果てぬのか 円環の理に被われる つぶさに祈る。

 損な気分にも射せる うつくしい破鏡の奥で、描かれる おぼこまなこの千里眼

 くるくると未知を包む 冷淡の一閃がこの身を逸らして いつかに逝く

 

 ほらまた、駆け抜けること、つむじかぜに舞う心象に目を細めて

 

 どの程度のものか薄い 氷の結晶を花にみたて、あなたの香りに結うように

 吐息を寄せれば、そっと消えてしまう 夢のように まわれめぐれども

 飽きることの無い 毎度のみちすがら

 なみだだけがほころんでいく。秋色の故意でした。

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