ブレイブロード

 暗黒山脈を貫く道は太陽の軌跡を追う勇者の旅路だ。

 そう伝えられるのは古い幹線道路、国道74号、通称ブレイブロードだ。


 理路整然と敷かれた石畳の道は、赤道直下の日差しにやられて色素を失い、古びた写真のように色あせている。背骨のように真っ直ぐピンと伸びた道は、砂漠を左右にかき分けながらどこまでも果てしなく続いていた。


 ジリジリと照りつける太陽は狂ったように燃え盛り、旅人の喉を枯らしていく。そのような地獄の道を一台のオートバイに跨り、ひた走っていたのは異世界人の青年、大井ヨシヒロだった。


 今回の目的は大昔に伝説の勇者が辿ったという旅の軌跡を追体験することだ。そのために向こうの世界では有給を取得し、四連休の構えでこの世界にやってきている。


 ブレイブ・ロードの始点は、かつて大きな川を中心として造られた王国のあった町であり、そこから東の砂漠と荒野を越えつつ、最終的には暗黒山脈と呼ばれるかつて魔王が城を構えていた山の頂に至る。その全長は約1000Kmにおよぶ。


 東西を貫くこの道は、今では流通の要として利用されていた。実際、キャラバンも多く通っていた。だがそれ以上に多かったのは、勇者の道を辿ることで気づきを得ようとする修行僧のような者たちだった。


 かつてここには道などなかった。勇者は魔物を斬り倒し、周辺の町や村を解放しながら一歩一歩暗黒山脈へと進んでいった。そして勇者の偉業を忘れぬようにと、後の人々がこのブレイブロードを作り上げたのだった。


 そのようなわけで、立派な国道の一つであるブレイブロード周辺には町や村などの休憩ポイントが随所に存在している。その内のいくつかは、かつて勇者に救われたことのある場所らしかったが、実はそのほとんどは隊商や観光客、修行僧たちを狙った町だった。宿や飯を提供し、金を稼ごうというわけだ。


「1000キロは長いよなぁ……」


 ヨシヒロは照りつける太陽に辟易しながら、地道にバイクを走らせ続けた。所々、砂が飛び出してきており、気をつけないとスリップしてしまいそうだった。


 ヨシヒロが乗るW650は、その航続距離を370キロ以上とした。本来なら途中で給油を2回は挟まないといけなかった。だが、言わずもがなこのファンタジー世界にはガソリンスタンドなどありはしない。携行缶に燃料を入れてくるにしても限界があった。そこで、ヨシヒロは燃料がなくなりそうになるたびに元の世界に戻っては給油するという、かなり面倒な方法でここまでやってきていた。


 砂漠には魔法のオアシスが点在した。それは町の拠点となり、植物を生やし、多くの人々の命を繋いでいた。


 砂漠の町の多くは白茶けた日干し煉瓦でできていた。オアシスや川からすくい上げた泥を乾燥させて作ったレンガで、人々の家は造られていた。形としては豆腐のような簡易的なものが多かった。また窓には扉がついておらず、覗き込めば家の中の様子が伺えてしまった。


「お兄さん、そんな格好じゃ暑くてかなわんだろ! 水を買っていきなよ。安くしておくよ!」


 途中立ち寄った町で市場を散策しているとき、風呂敷を広げただけのフリーマーケットのような店の前で飲み水を購入した。飲み水は日本のようにペットボトルや瓶で手渡してくれるわけではない。自分で水筒を持っていって、そこに定量注いでもらうのだった。


 町で売られている水は近隣のオアシスの水だ。砂漠での水は貴重な資源だったが、この辺りのオアシスは魔法の力で枯れずに残っていた。しかしその成分は硬水だ。ミネラルを多量に含んでおり、軟水に慣れ親しんでいる人からすると癖の強い味わいかもしれない。


 町の入り口の魔導器置き場に駐めてあるバイクのもとに戻ってくると、時を同じくして出発しようとしている一行がいた。彼らは艶やかな刺繍の入った絨毯を地面に敷いており、そこに中身のたんまりと詰め込まれた麻袋を置いている。そして何らかの呪文を唱えると、絨毯はふわりと浮き上がった。


 魔法の絨毯だ。


 それはこの世界で移動の手段として使われている魔導器の原型ともいえる道具だった。この周辺諸国の人々は、昔はこうした魔法の絨毯で遠い場所まで移動していたらしい。今では魔導器にその立場を奪われてしまっていたが、愛好家という奴はどんな世界にもいるものらしい。


 空飛ぶ絨毯を見送った後、ヨシヒロはバイクに跨って鍵を差し込む。それをガチャリと回して電気を通わせる。右手をアクセルスロットルに這わせ、少しばかり開度を広げる。その状態で右手を固定し、そのまま親指でセルスターターのスイッチを押し込んだ。


 キルルルルッ!

 ドルルンッ!


 けたたましい唸り声を上げながら鋼鉄の馬が目を覚ます。ヨシヒロはジェットヘルメットにゴーグルをつけると、再びブレイブ・ロードを走り始めた。


 熱砂に覆われた世界はけして果てなきものではない。砂漠というものは多くの者が想像するほど、砂だけが無限に続いているわけではなかった。ブレイブロードにおける砂漠もまた然りで、幾重にも折り重なった砂丘が広がるのはせいぜい10km四方くらいだ。


 砂丘を抜けると砂地は赤い地面の荒野に姿を変える。そこもまた油断のならない厳しい自然環境だったが、砂地とは異なり完全に乾き切っているわけでもない。サボテンなどの植物もまばらに生えているし、生き物の姿もちらほらと見られた。


 例えばサンドワームだ。ミミズを大きくしたようなその生き物は、名前から砂漠に出現すると考えられている。しかし実際は荒野を生息地としており、砂漠にいるのは冬眠期のみである。彼らはその巨体から身を隠すのが難しく、冬の間は砂漠に守ってもらっている。


 生物としての特徴は何よりも巨大であること、大蛇のように長いこと、そして目は退化しており非常に小さく、手足の類は存在しないこと。ワームという生き物のほとんどに共通するように、この金色の体表を持つサンドワームもまた、蛇のように体をくねらせながら移動する。


 意外なことに、サンドワームはあまり凶暴な生き物ではない。なにより人間のような大型の生き物は捕食しなかった。その餌となるのは、ほとんどが地表をうろつくサソリやアリなどの昆虫だった。とはいえ、素人が近づいてみるのは賛成できない。噛みつかれることはないが、サンドワームがその巨躯を一度揺らせば、人間など簡単に弾き飛ばされてしまう。


 赤茶けた大地を遠方に見える黒々とした山脈を目掛けて走っていると、ふとしたところに移動式の売店のようなものがポツンと存在していた。あまりにも景色から浮いたその店では、案の定、水や食糧が売られていた。


 バイクを止め、ヨシヒロは水と軽食を購入する。

 サボテンサラダのサンドイッチだ。


「これ、何です?」


 売店のお土産物をひょいと手に取る。細長い筒にいくつも差し込まれていたのは、小さな木刀だった。デザインが凝っており、刀身には魔法の文字のようなものが彫り込まれている。


「ああ、勇者の剣だよ」

「勇者の剣?」


 伝説によると、勇者は精霊王から授かった魔法の剣を携えていたらしい。その剣を使い、荒野を支配する魔物や凶暴な怪物を撃ち倒していったのだとか。


 勇者の伝説とその観光客向けのお土産はブレイブロード周辺の重要な観光資源だった。この売店のように、大きな町では必ずといっていいほど勇者グッズのお土産が溢れていた。


「どう、一つ買ってかない? 在庫抱えすぎちゃてさあ。安くしておくよ?」

「は、はあ……」


 甥っ子へのお土産にするにしても木刀は危ないだろう。使い道に困るなとは思いつつも、店の主人に押し切られてしまい、結局は購入することになってしまった。


 子供サイズの小さな木刀を荷台にくくりつけ、三度バイクを走らせる。


 それから小一時間も走っていると、見えてきた小さな町の中では小さな劇団が小さな演劇をやっていた。舞台も何もない固い土の上で、男4人と女2人が勇者の冒険活劇を演じている。


 これもまた観光業の一種だ。演劇にはそこそこの観客が集まっており、木箱の中にはそこそこのお金が投げ込まれていた。演技力もそこそこだった。


「さあ、魔王よ! 今こそ我が封印の剣を––––封印、ふ……あ、あれ?」


 勇者役と思わしき青いマント姿の男が、何も入っていない鞘に手を当てながら戸惑っていた。どうやら休憩中に、勇者の剣をどこかに置き忘れたらしい。


「よければ、使います?」


 ヨシヒロは先ほど買ったおもちゃの剣を差し出した。


 こうして演劇は無事に終了した。

 魔王は封印され、勇者は拍手喝采を受けた。

 勇者はおもちゃの剣をヨシヒロに返そうとしたが、しかしヨシヒロはそれを断った。どうせ自分が持っていても使い道のないものだった。


「じゃあ、お礼にこれをあげるよ」


 剣の代わりにヨシヒロがもらったものは、小瓶に入った金属の欠片だった。何の変哲もない、ただの鉄の破片のように見える。


「勇者の剣の欠片だってさ」

「本当ですか!? え、いや、もらえませんよそんなもの!」

「いや、どうせ嘘だよ。この前、カードで勝ってもらったんだ。お互い酒が入ってたし、鑑定所持ってって調べてもらったけど、鼻で笑われた」

「ま、まあそれなら……」


 偽物ならばそれこそ持っている意味はなかったのだが、相手の好意も無碍むげにできず、渋々とポケットにしまう。


「あんた、今夜の封印祭に行くんだろ?」

「はい、そのつもりで来ました」


 封印祭というのは年に一度、魔王城の跡地で行われている儀式を兼ねたお祭りだ。教会の偉い人とその関係者、そして市井の人々が集まって勇者の活躍を讃えながら飲み、騒ぐのだった。


 祭りは夜とともに始まる。今の時刻は2時を少し回ったところだ。ここから魔王城跡地までは、暗黒山脈に入って山の中腹まで登る。馬なら2時間、バイクならもっと早い。町には参加客目当てで魔法の絨毯を利用してタクシー業を営む者が大勢いた。普段はそんなことないらしかったが、毎年この時期になるとどこからかやってくるのだという。


 地形の影響を受けない魔法の絨毯はさすがに便利だ。ヨシヒロは先んじて出発したのだが、入山してクネクネと曲がった道を走っているうちに追い抜かれてしまった。


 暗黒山脈は黒々とした岩肌に覆われた山の連なりだ。嘘か本当かはわからないが、元々は色とりどりだったものを、魔王が邪悪な魔力で変質させてしまったのだという。ただし、どういうわけか木々はしっかりと生息しており、そのほとんが背の高い針葉樹だった。


 観光名所ということもあり、中腹に続く石畳は完璧に整備されていた。まるでワックスでもかけてあるかのようにピカピカだ。タイヤで走ればツルッと滑ってしまうのではないかという恐怖にも駆られたが、そのようなことはなかった。


 果たして魔王城跡地はだだっ広い灰色の大地の上に存在していた。跡地と呼ばれる通り、すでに城は取り壊されており、その姿は当時描かれた絵の中だけに存在する。今では城の見張り灯などが取り残されているだけだった。


 いつもならば閑散としていて寂しげなこの場所も、今日ばかりは屋台などの店や出し物で賑わっていた。跡地の入り口には「封印祭」の垂れ幕がデカデカとかかっており、集まった人々はすでに酒を酌み交わしている。


 ヨシヒロは銅貨を支払って魔導器置き場にバイクを停車すると、さっそく祭りを見て回ることにした。


 祭りの会場は中央の焚火を取り囲む形で本会場の巨大なタープや机、椅子が配置されており、またその周囲には多くの出店がある。砂糖菓子や串焼きなどの食べ物屋からエールやワインを提供する店、それから小さな子供向けの的当てゲームの店などだ。


「あれ、お兄さんは確か……」


 ヨシヒロはふいに声をかけられて振り返った。

 そこには知った顔がある。

 いつしか高山の町で知り合った端正な顔立ちの吟遊詩人の青年だ。

 彼は奏でていたハープを止めると、赤いマントを翻しながら歩み寄ってくる。


「久しぶり! 君も来ていたんだ」

「まあね。お祭り騒ぎには吟遊詩人さ」


 彼はニヒルに口の端で笑いながら答えた。


 吟遊詩人は焚火の前に小さなお立ち台を用意し、そこで物語を詠んでいた。それはこの国を魔王の魔の手から救った勇者の伝説だ。ヨシヒロもまた、何人かの大人や子供たちとともにその話に耳を傾けた。


 確かに、勇者は魔王を倒した。

 しかし、魔王の命を奪ったわけではなかった。

 勇者には魔王を殺せるだけの力はなかった。

 だから、勇者は魔法の剣で魔王を魔石の中へ閉じ込めた。


 魔王を封じた魔石は“スレイブパープル”だ。それは魔王城跡地から山の頂に向かい15分ほど歩いた場所に鎮座している。パープルと名がついているが、巨大な岩の塊ほどもある魔石は白い輝きを放っている。


 スレイブパープルとはパープル……つまり闇の眷属を無力化する生なる白い魔石のことだった。あるいは、そうした石はヨシヒロの世界ではダイヤモンドと呼ばれている。


 この世界のダイヤモンドは一般的に光の魔石と呼ばれていたが、光の魔石の中でも魔王を封じたこの魔石だけは、そのように特別な名前で呼ばれていた。


 俗物的な考えだとは思うが、これほど巨大なダイヤモンドならば自分の世界ではどれほどの価値がつくのだろう。ヨシヒロはそのように考えながらも、月光の下で神秘的な輝きを放つ封印の石に心を奪われた。


 参拝客とでも呼べるような列が徐々に消化されていく。

 その間も、ヨシヒロだけはずっとその魔石を見つめ続けていた。


「じゃあ、おれもそろそろ行くよ」


 吟遊詩人に声をかけられ、ヨシヒロはハッと我に返った。


「あんまり長居すると、魔王に体を奪われそうだからね」

「……どういう意味だい?」


 ヨシヒロは眉根を寄せた。


「魔王は封印されたんだろう?」

「お兄さんには特別に教えてあげるよ。魔王の封印は完璧じゃなかったんだ」

「完璧じゃない?」

「そう、勇者の剣にはけして刃こぼれしない魔法がかかっていたんだけど、それでも魔王の力の前に負けて一部が欠けてしまったんだよ。だから魔法の剣は完全な力を発揮できなかった。彼は今でも復活のチャンスを窺っているのさ」


 吟遊詩人は愉快そうに不気味な笑みを浮かべると、そそくさと山道を下って行ってしまう。ヨシヒロは青年の赤いマントがじんわりと闇の中に溶け込んでいくのを見送った後、振り返って今一度魔石を見上げた。次いでポケットの中からガラス瓶を取り出す。


 勇者の剣の破片は月光の下で白い輝きを放っていた。

 コルク栓を抜いて小さな欠片を掌に落とす。

 魔法の光だ。

 まるで空に輝く星が掌に転がり落ちたかのようだった。


「……」


 ヨシヒロは手にした剣の欠片を巨大なダイヤモンドにあてがった。するとどうだろう。欠片は吸い込まれるようにして魔石の中へと飲み込まれてしまった。


 宝石は淡い輝きを一瞬だけ増し、しかし次の瞬間には再び柔らかで静かなものへと戻ってしまった。


「…………これでよかったのかな」


 本当に勇者の封印は不完全だったのだろうか。


 首を傾げながら祭りの会場に戻ったヨシヒロだったが、考え込むあまり肩を他の人とぶつけてしまった。


「あっ、すみません」


 すぐに謝り、ぶつかった拍子に相手の男性が落としてしまった物を拾おうとする。

 と、


「……」


「いや、こちらもよそ見して……どうかしたかい?」


 拾い上げたソレをジッと見つめていたヨシヒロを心配し、男性が不思議そうにたずねてきた。

「あ、いえ、なんでも」


 ヨシヒロは戸惑いながらも平静を装い、男性が落とした小瓶を手渡した。


「それ、何ですか?」

「ん、ああ、これか。なんでも勇者の剣の欠片らしいよ」

「……ひょっとして、旅芸人か誰かにもらいました?」

「ああ、よく知ってるね。それじゃ、これから参拝があるから。スレイブパープルをお目にかかりたくてね」


 片手を振り、男性は坂道を上がって行ってしまった。


「…………そういうことか」


 ヨシヒロは会場内を見回し、赤いマントの吟遊詩人を探した。


 案の定、彼はハープを爪弾きながら勇者の伝説を歌っていた。


「全部仕組みだったんだろう?」


 そのように聞くと、吟遊詩人は悪びれることなくニカッと笑う。


「そう言わないでよ。ブレイブロードって、そういうものなんだからさ」


 つまりこういうことだ。


 ブレイブロードでは新参者を見つけては様々な手段で“勇者の剣の欠片”を渡し「魔王の封印は不完全だった」と興味を惹かせる。そして実際に不思議な体験をさせられた参拝者は、気になってその後もブレイブロードに通うようになる。


「ちょっと悪質なんじゃないかな?」

「でも、ちょっとドキドキしたでしょ?」


 吟遊詩人は飄々としていて、何を言っても暖簾に腕押しだ。


「勇者の剣の欠片って本物だったのかい?」

「まさか! 魔石をそれっぽく加工しただけだよ」


 なんだか呆れてしまう。


 全ての謎が解けたのと同時に、ドッと疲れが出てきて小さくため息をついてしまう。


 今日一日はこちらの世界で過ごそうと思っていたのだが、さっさと元の世界に戻って自宅のベッドで眠りたくなってしまう。


 そのように思ってヨシヒロが踵を返したその瞬間、後ろ髪を引くように吟遊詩人が言葉を繋いだ。


「ああ、それと勇者の剣が欠けていたって言うのは本当だから」


 振り返った先で吟遊詩人は端正な顔を怪しげに歪めていた。


「不完全な聖剣で魔王を完璧に封じるなんて……本当にできたのかなって」


 そのように言って、彼は再び大勢の前でハープを演奏し始めてしまった。


 まったく、気になって夜も眠れそうにない。ヨシヒロは心の中で肩をすくめ、結局はみんなと共に勇者の活躍を讃え夜通すことに決めた。


 宝石を散りばめたような夜空の下、ヨシヒロたちはさざ波のような音を立てる篝火を囲む。そして演劇や音楽に酔いながら、東の空が朝焼けに赤く色づいていくのを共に眺めたのだった。



〈終わり〉

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異世界ツーリング ブンカブ @bunkabu

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