第三章 4
ソファの上では少し無理な体制であったが、二人は抱き合い互いの唇を求め合った。
「プファ。」
ようやく唇を離した二人だったが、まだ抱き合ったままだった。
悟はRuriの柔らかさを感じて自分の中の欲望が高まってくるのを感じた。
あぁ。女性の感触は久しぶりだ。こんなに柔らかかったかな?気持ちいいな。
いっそこのまま…。いや。ダメだ。こんなに簡単に雰囲気に流されては。
僕の方が一回り以上年上なんだから、もっと感情を抑えなければ…。
「ねぇ…。」
抱き合ったままRuriが声を出した。
「少し苦しいわ。ソファじゃ体を捩らなきゃならないんでキツい。」
「えっ。ごめん。夢中になって気がつかなかった。」
悟は慌ててRuriの体を離し、向き合った。
「うふっ。そんなにあわてて離れなくてもいいじゃない。私と抱き合うのは嫌だった?」
「あっ。ごめん。そんなつもりじゃ…。」
「謝ってばかりね。悟さんってかわいい。」
これではどっちが年上だか分からないな。情けない。
僕はすっかりRuriの虜になってしまったようだ。
「Ruriがせっかく買ってきてくれたクッキーを食べようか。」
急に恥ずかしくなった悟はテーブルの菓子器に手を伸ばした。Ruriはその手をやさしく押し留めると悟の耳元に口を寄せて囁いた。
「クッキーはあ・と・で。ベッドルームに行きましょう。」
Ruriの雰囲気がガラッと変わった。悟はあまりの変わりように戸惑いを見せた。
「Ruri。さすがに早すぎないか?」
「ここは、そう言ってないわよ。」
Ruriは、そう言うと悟の股間に手を這わせた。
「あっ。そこは…。」
悟は慌ててRuriの手を外そうとしたが、Ruriはさらに強く手を押し付けて来た。その刺激で悟の股間はさらに強く反応した。
「うふっ。さあ、私をベッドルームに連れて行って。」
Ruriは悟の手を取りゆっくりと立ち上がった。手を引かれ、悟も立ち上がる。Ruriの瞳は潤んでいる。
このままRuriを抱いてしまってもいいのかな?Ruriは本当に僕のことを
愛してくれているのだろうか?僕が彼女の病気を引き受ける決心を
したために引け目を感じて自分を犠牲にしようとしているのではないのか?
悟は立ち上がったもののRuriの真意を計りかねて動けずにいた。
「どうしたの?ずっと言っているように私は悟さんのことが好きなの。悟さんが私の代わりになると言ってくれる前から。だから悟さんと愛を交わしたいと思ったの。いけない?」
「いけなくはないけど、急すぎない?僕たちはまだ知り合ってそんなに経ってないんだよ。」
「時間は関係ないわ。悟さんと私は魂で繋がっているの。だから身体でも繋がりたいと思ってるのよ。」
そう言ってRuriは悟に抱きついた。再びRuriの柔らかさを感じて悟の理性は活動をやめた。
「わかった。Ruri。ベッドルームに行こう。」
悟はRuriを優しく離すと手を引いてベッドルームに続くドアを開けた。
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