第19話「言って無かったけど七年前から俺、勇者になったんだ」


「あの、秋山先輩と秋山……ここでは快利って呼ぶけど、あいつが仲良くしても姉弟きょうだいなんだし問題無いんじゃね?」


「「「「は?」」」」


「な、何だよ……」


 金田の当然の疑問になぜか生徒会三人とルリの奴が反応した。理解は出来ないが、ここは話し合いの推移を見守ろう。そしてさっきから黙っていたルリが金田に向かって説明を始めた。


「私も仕方なく、この場では分りやすく言うために……カイって、仕方なくてカイって呼ぶけど、カイの家は複雑なのよ。二人は義理の姉と弟の関係なの、ちなみにもう一人お姉さんも居るわ……ほんとはそっちの方が厄介で……ああっ、しかも下の姉ともだったなんて……迂闊だった」


 そう言えばルリにはよく俺の家庭の事を相談してたから知ってるんだった。しかしもう一人って……ユリ姉さんが厄介ってどう言う事だ?ルリに話したのはエリ姉さんの事がほとんどで、ユリ姉さんについては俺の初恋の相手で綺麗な黒髪が好きだった事ぐらいしか話した事無いはずなのに……謎だなぁ。


「そうなのです。しかもどう言う訳か最近は私達と目を合わせて下さる回数も、リボンを直して下さる回数も、お声をかけて下さる回数も全てが先週に比べて当社比で七割も落ち込んでいるのですっ!! まるで私達など目に入っていないかのような振る舞いっ!!」


「それに最近は妙に隙が増えてしまったので男共の視線に晒される事も多く、エリカ様の貞操の危機なども有ります。そしてこの憎っくき秋山快利がお姉さまに近づき、電車内ではこのような!!」


 資料をめくる金田を背後から見ていると次のページには俺が満員電車でエリ姉さんを庇った時の写真が添付されていた。その写真の下には週刊誌のような見出しの文字まで付けられ『ゲス義弟、麗しの姉を無理やり壁ドンする愚行を犯す』等と詳細に記されていた。いやいや俺は盾にされていただけですよ。こうやって冤罪って作られて行くんだな……電車通学怖いよぉ……。


「いいなぁ……じゃなくて!! こんな資料を見せられても困るんですけど……べっ、別に私に関係無い話ですから……」


「私はただ今まで通り、秋山快利に対するあなたの歪んだ感情をこの男にぶつけてくれればそれで良いだけ……従ってくれますよね?」


(えぇ……それはマジで勘弁して欲しいんですけど……)


 そう言えば今更だけど風美軍団の石礼野はともかく、残りの名前知らない二人が嫌に無口……は~ん、なるほど見えて来た。ここで蹴り付けても良いんじゃね?


『それはいけません。未来が変わります。ここで姿を現した場合に彼女の寿命が延びるだけであって死の定めは変わらないと考えられます』


(その心は?)


『ここで彼らを排除した場合に手引きした者が分かりません。その者が引き続き対象者の風美瑠理香を狙う可能性が高く、ここで助けた場合も行動が全て無駄に終わります。よって手引きした者を見つけ殲滅しなくてはいけません』


 でも、この気配どう見てもコイツらが犯人なんだよなぁ……それでもダメなんだろうか?でも万が一間違ってたらルリがこの先、何度も命を狙われるって事を考慮したら、ここは犯人を待つしか無いのか。


「とにかくっ……私は私のやり方でカイと決着をつけます……」


「ふ~ん……では家業のことを彼にお話しても良いんですね?」


「はっ? 何の事ですか?」


 生徒会長たちは何のリアクションもしないルリに驚いていた顔をしていたし、金田や石礼野は何のことか分かっていないような顔をしていた。だけど俺は分かった。一瞬だけ右肩がピクッと反応した。ルリの癖だ二人でババ抜きやってた時の最後の一枚で必ずあのリアクションをして俺は毎回勝っていた。つまりかなり動揺している。でも家業って何だ?あいつの親ってサラリーマンって言ってたけどな……店とかやってるわけじゃないし……。


「その様子では無理ですか……結構。では以降は相互不干渉で、金田さん? あなたはどうしますか? 今イジメに加担して下さるならアナタには何も致しませんよ?」


「イジメってハッキリ言うんだな……ま、俺も二ヶ月近くあいつの事パシったり笑い者にしたりイジったりしてさ。偉そうな事言えないし、いまさら感も有るけど、俺はあいつから金貰ったからな……買収されたんだ。だから俺も抜ける」


「はぁ……大人しく協力して下されば良かったのですが、では後になって気付いても遅いですからね? 二人とも、ごきげんよう」


 そう言うと用は終わったとばかりにシッシッと手を振る。なので俺も二人に付いて出て行く間に再度後ろを振り返ると生徒会長たちの何かを企んでいる顔とニヤニヤしている石礼野……どう見ても一波乱有る。だけど気になるのはコイツらの動機だ。どう考えても俺を消すなら分かるけど二人を狙うとは思えない……。




 二人はそのまま教室に戻って来ていたので俺も付いて行く。教室には二人と隠れている俺以外は誰も居ない。話し合いは結局二〇分くらいしてたんだな。


「金田、あんたどうすんの?」


「ま、秋山が許してくれんならあっちに付くわ、あの三人ともつるむのは、もう無理だろ? それよりお前こそど~すんだ? 最近のアイツならたぶん」


「無理だよ。あんたとは状況が違うから、私は……あいつが、カイが選んでくれなかったから……じゃ、私この後用事あるんだ、また明日ね」


 そう言うとルリはスマホを弄りながら歩き出していた。選ばない?何を言ってるんだルリのやつは……そのままどこかに連絡しているようで、俺が後を追おうとするとガイド音声から待ったが入る。


『このまま行動するのは危険かと思います。この時間に留まって動いた場合何かの拍子で歴史が変わる可能性が有ります』


(でも隠形してるんだし問題無いのでは?)


『イレギュラーは避けるべきかと、仮にあなたがこの時間に長く留まった場合にも結果的に運命の変わる人間も居るんですよ?』


 なるほど、仮に俺が何らかの形で隠形したままこの時間の人間に影響を与えたらマズい、いや俺には問題が無くても俺が接触した事により運命が変わる人が出て来る可能性が出て来る。


『その通りです。未来は勇者カイリだけのものではありません』


(ごもっとも、あと一応エリ姉さんも調べておきたいんだけど大丈夫?)


『逆にそちらは問題有りません。この時間勇者カイリは学園外、対して対象者はこの学園内です』


 そして俺はその足で武道場に行くと部活を始める前のエリ姉さんを見つけた。幸いまだ着替える前だったので制服姿だった。


「エリ姉さん!」


「快利!! どうした? お姉ちゃんに会いたくなったのか? それとも入部する気になったのか?」


 その瞬間死ぬほど刺す視線が俺に突き刺さる。な~る、そう言う事か……神々の視点を発動、ビンゴだ……居る。じゃあトドメも刺しておくかな?


「入部は俺なんかじゃ無理、ダメだよ。でも半分正解。大好きなエリ姉さんの顔を見たくなったんだ。部活頑張ってね!!」


「快利……うん!! 私も大好きだぞっ!! よしっ!! 気合入った!!」


「良かった。じゃあね!! 俺のエリ姉さん?」


 よし、これだけ餌も巻いた……。やっぱり凄い嫉妬……だから、これだけ人が多くてもバレバレだ。違うんだよなぁ……一人だけ。よしっ!!次は職員室かPCルームか……と考えながら顔を真っ赤にして鼻息の荒くなったエリ姉さんと別れる。


『はぁ……勇者カイリは勇者としては有能ですね……勇者としては……』


(どう言う意味?)


『勇者の未来が少し変わったのですよ……今ので少し……』


 そして俺は調べものを済ませるとすぐにいつものトイレに戻る。やるべき事はしたそして調べる事は調べた。予想通りで拍子抜けしたくらいだ。そしてこの時間にこのまま留まるのは危険。万が一俺が、この時間の俺に会う可能性を考慮して次の地点に飛ぶ必要が有る。時間軸は……。


『時間軸、深夜0時……我々の時間での風美瑠理香の生体反応消失時間は0時12分です』


(ああ、飛ぶぞ!! 本日二回目の因果律操作魔法全部俺の思うままに、時空魔術付与開始……約九時間後に跳んでくれっ!!)


『時空魔術充填確認、ワームホール開きます。座標固定……跳びます』





 トイレから出るとすっかり真っ暗だった。時間は0時きっかり、後12分で事件が起きるなら急ぐ必要が有る……。だけど、ああ、濃いな魔力オドが、屋上を調べた時、そしてさっきの生徒会室、さらにエリ姉さんの周りの人間。なんで?どうして?俺が思った違和感、疑問はそれだけだった。


「こっちの世界で魔力オドの反応がこんなに有るんだ? そして職員室で調べた名簿……。じゃあチート名探偵と行きますか!?」


『勇者カイリ、時間までは対象者にですらバレてはいけません。ここまで来ればもう未来への干渉によるズレは起きませんが……気を付けて下さい』


 俺はそっと扉を開ける。これだけ魔力が濃いのは魔王領域や四天王の城くらいだったな。取り合えず屋上へ……。屋上付近のドアに耳を当てると話し声が聞こえた。屋上の端の方に魔力が集中している。


『――――なっ――――スキル!? なぜ一般人が……』


『まさか――――なの!? 私も殺そうと……』


『なんて強力な――――まさか――――のスキル!?』


 時間は0時8分……時刻が迫っていた。





 私は今、屋上の一角に追い詰められていた。前には無表情の女子生徒と少し前まで友人と思っていた男子生徒が二人……。陽菜からの助けを求める電話を受けて私は一人で学校に来た。嫌な予感がしたけど誰にも相談出来ない。そして私はさっきまで饒舌だったその生徒、生徒会室で会った女を見る。


「これは、何なのよ……今の変なのも、私の周りのこれも……」


「まさかこれ程の守リ……ダケド、ツギデオシマイ……ダカラヨビダセ、アキヤマカイリヲ!!」


 私に黒い塊をぶつけて来た時にそれが目の前で弾かれた。いや消えた。その瞬間に目の前の女生徒は驚いて声を上げた。でも今度はその黒いだけじゃなくて炎や雷で攻撃して来た。まるで魔法、でもそれも弾かれる守ってくれてる……そっか。そうだったんだ……ほんとアタシはバカだ。


「そう言うこと……じゃあ絶対に嫌!! これ以上アイツに、カイに迷惑かけられないからねっ!!」


「その輝き……やはり勇者の縁者……ケサナクテハイケナイ!!」


「逃げられないか……あ~、最悪……どうしよっか?」


 とぼけたフリをして私はここまで逃げる間に生徒手帳に書いておいたメモを確認してそれを破いて投げつける。簡単に細切れにされたけど、これでヨシ。あいつならカイなら絶対に手がかりに気付く、今のアイツなら。後はこの女がお姉さんの関係者だって気付くかだよね……今でもボッチだから情報は多い方が良いと思うし……だから最後にこれくらい。


「じゃあね化け物!! 恋する乙女舐めんじゃないわよっ!! カイは来させない、そして私も、あんた達に利用されるくらいならっ!!」


 そう言って恐怖に引き攣りながらニヤリと精一杯の強がりで笑う。最後の最後で少しは良い事出来たかな?そして後ろを見ないでそのまま後ろに向かって屋上から私は落ちた。凄い……空を飛ぶってこんな感じなんだ。浮遊してる感じ?あと数秒後には私、死んじゃうのか……やっぱり怖いな……カイ。



「ルリいいいいいいいいいいいいいい!!」


「えっ?」


 声が聞こえた瞬間、ガクンと体を支える衝撃がしたけどそれも一瞬で、少し冷たい金属の感触が私の足や腕にヒンヤリと染み渡った。少し痛かったけどそれ以上に驚きの方が強かった。


「バカルリ!! スキル掛かってんだからお前には攻撃は通らねえんだよ!! 二度と自殺とか考えんなっ!! バカっ!!」


「はっ? じゃ、じゃあ教えておきなさいよ!! カイの、バカァ!!」


 彼は私の想い人で、でも絶対に手の届かない人、私を選ばない人、だけどこんな私のために来てくれた……。白銀の鎧に薄い金色のラインと中央に緑色の宝石、エメラルドに似た鉱石が、はめ込まれている胸当てをして、頭にも額当てのような物を付けていた。その金と白銀に中央にはルビーの意匠が施されていて、左腕の鉄板みたいなのは盾なのかな?

 背中には青と白のマントをなびかせていて腰には鞘にしまわれている剣。それを抜いて無いのは私を両腕で抱いているからだろう。その姿は、まるでお話の中やゲームの……。


「……勇者?」


「ああ、実は言って無かったけど七年前から俺、勇者になったんだ」


「えっ!? ちょっと、それって――「しっかり掴まってろ上に戻るから!!」





 俺は腕の中にルリが居る事をしっかり確認すると屋上まで飛んで戻る。まったくギリギリまで手を出すなと言われたけど、思わず予定よりも早く飛び出してしまった。ほんとは地面にぶつかるギリギリまでと言われていたけど我慢出来ずルリが落ちて数秒で助けてしまっていた。


「よしっと、立てるか」


「ええ、大丈夫、あの、カイ……」


「後で全部話す。だから今は見ていて欲しい……元勇者カイリの戦いを!! そして、やはりそう言う事なのか……もう二度と会いたく無かった」


 俺はそう言いながらルリに結界魔法を張る。スキルもかかっているから大丈夫。全てを拒絶する聖域引きこもりの味方だと強過ぎるからルリを対象に展開しては危険な可能性がある。それだけ確認して振り返って奴を睨みつける。


「勇者、勇者カイリ!!」


「カイ、あいつは……!?」


「ああ、しっかしさ、綾吊あやつり人魚マーメイドはセンスねえなぁ? いくらキラキラネームが流行っていてもバレバレだ。現にどこ探してもそんな生徒は居ないんだからなっ!? そうだろ魔王軍四天王!! 幻惑のヴェイパール!!」


 ここまで濃い魔力、そして密度、いくら何でも気付くんだよな……どうせ俺が出て来るのを誘っていたんだろうけどな。屋上でも、エリ姉さんの周りでも魔力をぷんぷんさせてる奴は何人か居た。今、目の前の奴を守るように立つ男子二人もそうだ。


「演技はした方がいいぜ? エリ姉さんは微魅了が常に出てるんだ。取り巻きに居るのに視線すら向けて無いのは無理が有る。俺の姉さんは人気者だからな?」


「ナルホド、シカシ、キサマの姉ハ、ミツメルトこちらを石化サセテクルからミレナカッタノダ勇者よ」


「あぁ……そう言えば姉さんのシャツにそんな効果も付いてたんだわ……わりいな? お前って状態異常が通る四天王最弱だったもんな~? 悪い悪い」


 そう言うと怒りに身を震わせる。そろそろ限界なはずだよな?正体を現せよ!!


「アアアアア!! このカワモ不要ダ!!」


「えっ!? 何あれ……黒い人魚?」


「いや、一応オスだからマーマンって奴だ。幻惑魔法に催眠に暗示、自分は精神異常魔法をメインで使ってくる割に状態異常に耐性がねえ。ま、最初は見た目が騎士っぽいから魔法効かないで焦ったんだけどな」


 後ろのルリに補足しながら言う。そう、コイツは俺が元の世界で戦った魔王軍の四天王で俺が仲間と一緒に一番最初に倒した四天王だ。黒いマーマン、人魚の男版で騎士のような鎧を着ているけど実際は魔法使いだ。


「それがな~んでここに、俺の世界に居る? お前は七年前に俺が倒したはずだ。どうやって復活した!? 世界を渡る事も、ましてや過去に戻れるはずも無い!!」


「スナオニ話すトデモ? 我がノゾミハキサマヲ倒すこと……シネ勇者!!」


 黒い呪詛の砲弾、闇魔法の類だが全て俺の前で弾ける。今度は闇の槍が大量に放出される。しかしそれも全て聖なる防壁何でもガードで防がれた。確かに七年前なら効いたかも知れないな。


「七年前には剣士や戦士のオッサンはお前の魔法で操られて大変だったぜ……だけどな……七年前とは違う!! まずは……聖魔術展開、聖剣付与!!」


 白銀の聖剣が白く輝き、そして一振りすると男子生徒たちを切り裂いた。倒れた瞬間にはヴェイパールと同じようなマーマンが二体倒れた。


「バカな……アノカタが強いと言ってイタガ、コレホドトハ……」


「カンスト気味の勇者に最初の中ボスが勝てるとでも思ってんのか?」


「ナメルナ、ワレハ魔王軍一の魔法の使い手!! 幻惑のヴェイパールだ!!」


 本当はコイツの背後関係を聞きたかったが話す気は無いか……なら仕方ないな……やるか……。


「なら、これくらいで良いだろ……聖魔術・闇魔術、同時展開、聖剣に付与……白と黒の螺旋よ……聖剣に纏い輝かせろっ!!」


「ナ、ナンダソレハ……シラナイゾ……そんな技……ワレハ……」


「当たり前だ、これはお前の知らない未来、邪神六騎士の技だからな……魔王より強かったんだぜ? だから、これで終わりだ……光と闇、二つと交わりて我が敵を撃ち滅ぼせっ!『虚無の彼方への旅路二度と帰って来るな』っ!!」


 白い奔流と黒い波動が斬撃に乗ってヴェイパールに到達する。奴は何重もの結界魔法を展開するが全てバターのように溶け、あるいは消え去り瞬く間にヴェイパールを包み込む。


「アアアアアア!! 魔王様……ヤハリ、ヤハリ勇者は驚異……ヤツノ技をヒトツ引き出シマシタ!! 魔王サマアアアアアア!!」


「やっぱ、奴が飼い主か……コイツが生きてた時点でそりゃ生きてる。いや生き返った? だけど、死ぬ直前に話してくれて感謝するぜヴェイパール……やっぱ四天王最弱だな……」


 ヴェイパールや奴の結界、魔力力場の消えた屋上に静寂が戻る。学園を包んでいた魔力が完全に消滅した。俺は聖剣を二振りして鞘に納める。そして胸に手を当て……っていつもの癖で決めセリフを言いそうになっちまった。ここは王国じゃないんだ。討ち取り宣言とか要らないんだった。


「カイ……あの……」


「色々言いたい事が有るけど、無事で良かったルリ……本当に……」


「うん、あの……さすがに頭が凄い混乱してるんだけど……」


 それはそうだろうな、いきなり目の前でクラスメイトが魔法やら魔術やら聖剣使い出して化け物を倒したりしたら発狂ものだろうからな。


「ま、色々有るけど取り合えず。武装解除」


「わっ、一瞬……凄っ!!」


 俺は聖剣以外の装備を全て解除した。一応用心のためにこれだけは装備しておく、辺りを索敵して敵が居ない事を再度確認すると俺は、少し興奮気味に顔を赤くしていたルリに向き直って言った。


「取り合えず、二人っきりで、ゆっくりと、ご休憩出来るところに行かないか?」


 言った瞬間になぜか盛大にビンタされた……どうして聖なる防壁何でもガードが防御しないかなぁ……そっか、ルリの事はとっくに驚異認定してないし、コイツも俺に悪意を持ってないのか……でも左頬がヒリヒリして痛いです。

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