第3話

「くそっ」


 駆け出した影。やはり上。


「あっ」


 吹き抜けを飛び降りた。


「あぶないわ。けがしちゃう」


 ま、今から殺すんですけどね。


 エスカレーターが影になって撃てない。走って、位置を変えた。真下に落ちたのか。それとも、中二階か。


「中二階ね。わたしならそうする」


 階段を駆け上がった。


 ばっちり。


 交錯した。


 お互いに。


 撃ち合う。


 走りながらで、どちらの弾も当たらなかった。


「ぐっ」


 リロード。焦ってマガジンが下に落ちる。


「おちつけわたし」


 綺麗に殺しきるには、まず。落ち着かなくちゃ。


 リロードして。サイトを指でごしごしして。構える。エスカレーターの手すりにおしりを乗せて。


 一気に滑り降りる。


「あっちっち」


 おしりが摩擦であっつい。


「ばかじゃねえのっ」


 彼。


 こちらを確認して、びびってる。


「スカートは犠牲になりましたわ」


 あなたを殺せるならスカートのひとつやふたつ。いらないもの。


 撃ち込んだ。




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