第18話 小倉、キレる

俺の義妹、結を(エロ)だろうけどマスターと呼ぶ中学生SM専門中学生。

14歳で本名を豊島雪穂(とよしまゆきほ)というらしく。

頭が非常に良くうちの学校の高校1年生として転校して来た。

俺は成績がそんなに良くないがこの学校は一応、進学校である。

その為頭が良くないと来れないのだが.....頭が良すぎた様だ。


中学生にして飛び級で豊島はこの高校にやって来たから。

俺はその事に盛大に溜息を吐きながら変わりゆく世界を傍で眺める。

窓から頬杖を突きつつ桜の木を見ていると教室で和樹に話し掛けられた。

和樹は横に腰掛ける。

そしてニヤニヤし始めた。


「よお。大丈夫か。随分と腐った目をしているけど」


「いや、やかましいわ。何だよ腐った目って」


「ハハハ。お前に似合うかなって言ってみただけだ。それはさておき何だか.....困惑している様な目をしているからな。声を掛けずにはいられなかった」


「.....まあ.....それは.....」


俺と関係性が有る変態美少女中学生が転校して来たからな。

因みにあのガキンチョは一応、1年2組に配属され.....ってかそんな事は知ったこっちゃないけど.....俺関係無い、と思っていると横から死のオーラを感じた。

ビクッとしながら横を見る。


そこには.....ヤンキーの様に、外に出ろ、的な感じの女子が居る。

小倉であった。

いや何だよ一体.....?

和樹は?を浮かべながら小倉を見る。


「ん?随分と小倉と仲良くなったんだな?お前」


「.....すまん。それは皮肉か?」


「違う。マジに仲良くなったんだなって」


「.....いや.....仲良くなった訳じゃ無いから誤解しないで頂きたい.....」


小倉は仮にも頭のおかしい変態なのだから。

和樹やクラスメイトに言って無いがレズ系の変態であるのだ。

その為.....俺は蚊帳の外の様な扱いだが.....何だアイツのあの視線は。

思いながら俺は盛大に溜息をまた吐き。

立ち上がって外に居た小倉に付いて行きながら聞く。


「どうしたんだよ」


「.....あのクソガキは何かな?結ちゃんにベトベトだけど」


「いきなり口が悪いなお前。.....まあ確かにマジもんのかなりのクソガキだが」


「.....調子に乗ってんじゃないの?何?結ちゃんに近付くとか。私の許可無しに」


腕を組み俺に眉を顰める小倉。

いや許可無しっておま。

かなり怒った様子で俺を見つめてくる小倉。

宥めたいけどどうしたら良いのやら。


俺はその様子に、うーん、と悩む。

どうしたものかな。

思いながら顎に手を添えて言葉を発した。

その事を、だ。


「.....信じ難いかも知れないがあのガキンチョもかなりの変態なんだよ。それもあって何か変態専用のクラブみたいなの作ってたぞ。結がそのクラブに入っていた。それこそお前が入ったらどうだ?俺は嫌だったから断ったが」


「え?変態なの?.....で、そのクソガキが作ったクラブに入ったらどうかって?私が?.....確かに結さんが居るなら入りたいけど私はクラス委員だしね。ちょっと無理があるかも.....知れない」


「.....まあそりゃそうだよな。お前は表がクラス委員だしな」


真面目なクラス委員だから。

俺は苦笑しながら小倉を見る。

すると小倉は顎に手を添えながら考え込む。

そして俺を柔和に見てきた。

それから怪しげな笑みを浮かべる。


「.....分かった。じゃあこうなったらあのクソガキを社会的に消せば良いのかな」


「いや良くねぇ。何を言ってんだ。社会的に消すってどういう事だよ。怖いわ」


「恥じらせて社会的に抹殺するの」


「.....絶対にお前が死ぬぞ.....死亡フラグだ.....」


死亡フラグな訳無いでしょう。

本当に実体を殺すのは犯罪だしね。

でもこの世は甘くないってあのクソガキに思い知らせてやろうかな、とニヤッと俺に対して怪しい笑みを浮かべる小倉。

俺は苦笑いを浮かべながら.....小倉を見つめる。

勘弁してくれ.....俺は一般人だ。


「私は結ちゃんの為なら何でもするから。決めているから」


「一言、言っていいか。お前の言っている事ヤンデレだぞ。明らかに常軌を逸しているんだが」


「.....私はヤンデレじゃ無いんだけど.....何だと思っているのかな」


「いや、どう考えてもヤンデレなんだが.....」


酷いね。

こんな優しいクラス委員は居ないよ。

と母性を感じさせながら俺を見てくる小倉。


明らかにこれは偽母性だな.....。

俺は顔を引き攣らせる。

そして見ていると小倉はとんでもない事を言い出した。


「とにかく。貴方も協力してほしいかなって」


「.....協力とは?」


「私はあのクソガキが結ちゃんに接触するのが許せないからね。クソガキを引き離す。社会的に抹殺する」


「それではいそうですか、と納得するかアホンダラ。協力出来ん。一人で何とかしてくれ」


それから踵を返して教室に戻ろうとすると、そう。そうなの?

残念だね、と俯く小倉。

それから.....じゃあクラスメイトに貴方の性癖をじわじわと暴露しようかな。

とニコッとした。

俺は、は?、と目をパチクリする。


「貴方の性癖は巨乳の様だからね。それを浸透させようかな」


「.....あのな.....何でお前がそれを知ってんだよ.....」


「和樹君から聞いちゃった。和樹君ってなかなか協力的だよ」


「.....」


畜生だな。

あの野郎.....何でだよ.....ぶっ殺して良いのか?

いとも簡単に喋りやがって.....。

俺は額に手を添えながら.....脅してくるそんな小倉に言う。

マジに困る。


「.....分かった。.....くそう。やればいいんだろ.....お前そのうち天罰が下るぞマジに」


「天罰が下ろうが私は結ちゃんさえ忘れなければいいの」


「.....ハァ.....」


本格的に変態ばっかりだ.....。

俺は何度目か分からないが盛大に溜息を吐きながら小倉を見る。

小倉は、うんうんそれで良いの、と俺をニコッと見る。

この笑顔が純真無垢だったらどれだけ良いのやら.....。

今はもう悪魔の契約としか思えない。


「俺はそんなに協力しないし社会的に巻き添えを食らいたくはない。加減しろ」


「私もだから安心してね」


「.....いや、お前の場合信頼が.....」


「何か言った?」


ニコッと暗い笑顔を見せる小倉。

俺に一歩を歩んでくる。

少しだけ赤面しながら俺は再び額に手を添えた。

勘弁してくれよマジに.....。


「じゃあ早速だけど作戦を立てないとね」


そうしていると。

階段下から声がした。

あ!居ましたです!、と、だ。


俺は顔を下側に向ける。

そこには手を振っている豊島が居た。

こっちに寄って来る。


「何をしているんです?こんな場所で。結構探しましたです」


「あ?何で探していたんだ」


「私の友達になってほしいです」


「.....いきなり何でだよ.....」


いきなり詰め寄って来てその様に話す豊島。

いやいや。お前.....敵対していたんじゃねーのかよ.....。

俺は顔をまた引き攣らせる。

どういう事だってばよ。


「学校の友達が少ないです。学校では別の顔で居たいですから。だから友達になって.....ん?この女誰です?」


ようやっと横に気が付いたようで。

イライラしていた小倉を見て?を浮かべる豊島。

完全に色々と逆なでしている。

俺は.....豊島に解説した。


「此方はお前の先輩だぞ.....」


「え?そうなんですか?かなり腐った魚の目をしていますが?」


「.....」


「.....」


何を言っているのだ。

やだわ!この子!

気持ちを逆なでするのが得意過ぎるわ!このままでは殺されるわ!

俺は青ざめながら居ると小倉は#を額に浮かべながら。

全力でニコッとした。


「初めまして。貴方が豊島雪穂さんですね?」


「え?私の事、知っているですか?」


「ええ。かわい子ぶっている屑だって承知しています」


「.....え?そうですか.....え、く、屑!?!?!」


いきなりの事に目をパチクリする豊島。

小倉は満面の笑顔を浮かべる。

どいつもこいつも.....。


取り合えずはお前ら落ち着け。

そして取り合えず考えてから発言しような。

いい加減にしてくれ.....。

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