第17話 やって来た変態

この世界には色々な変態が居る。

どんな変態かって言えば簡単に言えば変態を従う変態。

それとかマジで直球な変態。

隠れな変態。


なんかもう.....疲れてきた。

これが当たり前の世界なのだろうか。

それだったら俺はこの世界を嫌悪するだろう。

思いながら俺はスマホを机に置き、宿題を解いていた。


翌日の夜の事だ。

4月なので試験がある。

その事で宿題を解いて勉強をしていた。


頭の良い結とは違い俺は頭が悪い。

心底、結を恨むぐらいに.....頭が良くない。

その為に必死に勉強をしていた。


少しだけでも点数が上がればと思いながら、だ。

そうしていると.....ゴツンゴツンと音がした。

俺は?を浮かべて目の前の窓を見る。

そこに.....栗毛色の髪をした長髪の.....制服姿の女が見えていた。

えぇ!!!!?


「うぁ!?何だ!?」


「早く開けるです」


です?、って事は.....オイ。

まさかと思うが豊島かコイツ。

何をしているんだ!?っていうかどうやって二階の窓まで上がってきたんだ!


バルコニーとか無いのに!

構造的に隣とは離れているが.....!?

俺は窓をガバッと直ぐに開ける。


「.....お前.....!?どうやってこの窓の近くにやって来た!」


「この家の庭先に有った梯子を使いましたです」


「ハァ!?梯子だ!?おま.....うわ!?マジかよ!?勝手に上って来たのか!?完全な住宅侵入じゃないか!」


俺の大騒ぎを傍に置く様に、まあそれは良いとして、と俺を見てくる豊島だが.....ってか何だこの美少女。

あどけない笑顔が似合いそうな顔に顔立ちは幼いが大人びている整った顔立ち。

それから長髪の栗毛色の髪の毛。

更にトドメでスタイルも抜群であるが。

ただマジに性格が残念過ぎる。


「っていうか何でこの部屋を、この位置を知っているんだ.....」


「マスターが隣なら普通に考えればその隣がアンタの部屋になるかなって思いましたです。私も姉が居ますからその様な構造です」


「マジかよ。ってかカンかよ。それにしても.....」


と呟いて考えていると。

豊島が部屋に、よっこらしょ、と言いながら靴を脱ぎつつ侵入してきた。

オイオイ!?入って来るなよ!?

思いつつ豊島を見つめる。

豊島は、きったない部屋です、と見渡して眉をひそめた。


「いやあのな。バレたらえらい事だぞ!これ!親に知られずに侵入してんだから!」


「侵入罪にでも問われると?それは問題ありませんです。私は窓からまた帰りますから。不自然さも無いですね」


「いやアホか。そういう問題じゃねぇよ.....」


額に手を添えながら俺は盛大に溜息を吐いた。

すると豊島は見渡すのを止めて学習机の上に置かれている俺の勉強していた宿題を見ながら.....ん?


突然首を傾げて、これ間違ってますです、と言う。

何!?問題が解けるのか!?

俺は驚愕の眼差しで見つめながら言葉を発した。


「お前!?問題が分かるのか!?」


「当たり前です。私は中学生ですが飛び級しようと思っていますです」


「.....マジか.....」


にしてもアンタ馬鹿ですか?ここに記載の問題は全部間違っていますよ。

と指摘する豊島。

え.....そうなのか.....。

俺は直ぐに学習椅子に腰掛けて問題の答えを教えてもらいながらそのまま解き方を教えてもらいながら.....学ぶ.....って!!!!!

こんな事をしている場合では無い。


「違うだろ。.....一体、何をしに来たんだお前は」


「ああ。私ですか?私はアンタに勧誘しに来ましたです」


「.....勧誘ってなんのだ?」


「アンタも変態クラブに入りましょう。ここは仲良くしましょうです。協定を結びに来ました」


ただ一言、断る、と俺は告げると。

じゃあやはりアンタは敵ですね、とニコッとしながら認識された。

俺は目をパチクリする。


それから勢いよく胸倉を掴まれて思いっきり引き倒される。

俺は、うぁ!?、と言いながら地面に叩きつけられた。

何だよイッテェな!


「グフフ。私はSM専門の変態です。だからアンタを調教してあげますです。入るまでずっとです」


「そういう事か!それでお前はエッチ系では無いと!」


「エッチ系言うなです。私はそっち専門の変態じゃ無いです。弄る側の変態です」


「何を言っているかさっぱり分からん!いずれにせよお前は変態って事だろ!馬鹿なのかお前は!」


まあ取り敢えずは一緒にするなって事です。

さて。私が今からボコボコにしてあげますです。

アンタは何処まで耐える事が出来るか.....勝負ですよ!と俺の上に乗っかって来る。

させるか!、と思い俺は豊島の肩を掴んで。

そのままコインの裏表がひっくり返る様に引き倒した。


「.....」


「.....」


豊島は俺を赤面で見てくる。

本当に恋とか.....それなりにエッチな事には疎いのな。

俺は思いながらジッと見つめる。

完璧に形勢逆転だな、と。

豊島は、ちょ。離せぇ!、と暴れる。


「覚悟を決めろ。SMに興味あるなら俺にSMをされても文句は言えないな?」


「ひ.....いや.....それはちょっと違うです.....」


「お前が俺をやる気にさせておちょくったんだから責任取れ。絶対に許さんぞ」


「ひぇぇ!助けて助けてぇ!」


するとその時だ。

ドアがバァンと開き.....そして、煩い!、と結が入って来てから俺達を愕然とした目で見てきた。

それから.....指差して震える。

何で、的な感じで、だ。


「.....何をしてんのよアンタ.....このペドフィリア.....!?!?!」


「先に仕掛けたのはコイツだ」


「この男です」


互いに俺と豊島を指差す。

すると義妹は俺の意見を無視で110のボタンを押そうとしていた。

いや、ちょっと待てコラァ!!!!!

何をしてんだ!

俺の意見は無視かコラ!


「アンタの様な奴は牢屋に行った方が一番だわ」


「誤解だっ!大体先ず、コイツは窓から侵入して来たんだぞ!」


「よくもそんなウソを.....」


「いや嘘じゃねぇよ!」


今日は最悪の日だな!クソッタレ!

思いながら豊島を見る。

豊島は、社会的に死んでますですね、とニヤニヤしていた。

コイツ絶対エッチな方法で社会的にぶっ殺す。

思いながら俺は義妹を見つめた。



「窓から侵入して来たのは分かった。何をしているのよ豊島」


「私はコイツを勧誘しに来たんですよ。マスター」


「勧誘って何の?変態クラブ?」


「そうですです。マスター。じゃ無いと.....マスターが色恋に飲まれてしまう.....」


ちょっと待って。私は恋なんかしてない。

と否定するが.....顔は真っ赤だった。

俺は苦笑いを浮かべる。

所で俺は何で正座なんだ。

何故に俺だけ。


「オイ。足が痛い」


「アンタは黙って」


「何でだよ。足が痛いっての。フローリングだから」


「だ、だいたい.....この部屋に豊島が居るなら知らせてよね」


いや、そんな暇は無かった。

と俺は考えながら眉を顰める。

豊島のせいで結構えらい目に遭ってんな俺。

俺は豊島を睨む。

豊島はケロッとしている。


「マスター。私は.....色恋に陥る貴方が.....見てられないです」


「だから色恋はしてないって言ってるでしょう。大丈夫だから」


「でもその確証は.....」


「豊島」


それに色恋に染められても私は貴方を変態故に見放したりしないから。

と笑みを浮かべる。

何か良い事言っているけどあまり人に聞かれたくないぞこれ。

俺は思いながら額に手を添える。


「つーか。勉強出来ないからお前らみんな帰れ」


「勉強が出来ないから帰れとはアンタも軟弱ですね」


「軟弱って何だよ。こっちはテストがあるっての」


「そうですか。まあどうでも良いですけど。.....あ。マスター。言い忘れていました。私、マスターに憧れて高校に飛び級で入学します」


え!?、驚愕する結。

頷く豊島。

それは確かに驚愕だな。

マジかよオイ。

しかし.....俺の学校生活がヤバイ事になりそうな.....。


「お前ら。俺の学校生活を絶対に乱すなよ」


「.....アンタの学校生活なんて知らないです」


「.....ハァ.....」


面倒臭い奴が増えそうな気がする。

俺はもう一度額に手を添えながら頭をボリボリ掻いた。

って言うかそれは良いんだが足が。

困るんだが。


「そういうわけでマスター。宜しくです」


「分かった.....けど.....凄いね豊島.....」


「私は必死に頑張りました。.....マスターと今から同じ地を歩く為に」


ガシッと結の手を握る豊島。

良い雰囲気出しているけど結局は変態じゃねーか。

俺は苦笑いを浮かべつつその光景を眺めていた。

困ったもんだな.....。

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