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それからも個人でもチームでも毎日大会に向け練習を重ね続ける。そしてボク的にはまだ練習したい気持ちもあったけど大会当日はやってきた。だけどその前から出ていたトーナメント表を見てボクのやる気はみなぎっていた。
「そういえば私まだトーナメント表見てないんだけどOFGとはどうなったの?」
「両方上手く勝ち上がれば決勝って感じだったよ」
「いいねぇー。決勝でOFG。燃える!」
「あっちはちゃんと来ると思うから後はこっちが決勝までいけるかだね」
「スノーフレークに一歩千金とsky birdsね。名前だけで疲れる」
プロで活躍する3チームを倒さないと決勝にはいけない。予選グループは違うけど多分勝ち上がって来ると思う。
「でも予選のグループで強豪チームがバラけてるって準々決勝まで勝ち残って盛り上げろって言ってるみたい」
「確かに!全部のグループにそれぞれプロチームがいるじゃん!2~3チームいるとこもあるけど俺らのグループにはNOVAだけか」
「オフラインに行ける可能性が一番あるグループね」
「運も味方してくれてるので行きたいですね。オフライン」
「いやいや。目指すのは優勝だよ」
「そのためにもまずこの初戦は勝たないといけないわね」
「そうですね。よし!頑張りましょう!」
ボクの始まりのきっかけにもなったJapan cup。その大会で初めて優勝出来たら嬉しいだろうな。そしたらまた思い出深い大会になりそう。でもそのためにもまずこの初戦を突破して流れをつかみたい。
「ジョンクさん、その部屋の右ニア【近くにいること】1人いるよ」
「――やりました」
「少し待っててもらって20秒でボム詰めましょう」
最初は調子を確認するように攻撃も防衛も慎重にしたおかげか安定して1ラウンド2ラウンド3ラウンドと連続で取ることが出来た。
「あーこれ戻れないわ。出来る限り時間稼ぐけど..。ごめんやられた」
だけど4ラウンド目を取られ。
「こっち側は僕が見とくからカズ君。裏の進行見といて」
「りょーかい。――あっ!もうロック【予め待ち構えておくこと】してた」
「こっち側気配ないから一旦外す...。うわっ!タイミング悪いなー。ごめんやられちゃった」
5ラウンド目も取られた。でもその落とした2ラウンドのおかげで再度気が引き締まって残りのラウンドはしっかりと取ることが出来た。そして1マップを取った調子でそのまま2マップ目も取り初戦は見事勝利。出だしにしては悪くなかったんじゃないかと思う。それにこの試合でボクらは自分の調子を掴めたんじゃないかな。少なくともボクは掴めた。エイムとか判断とか悪くはないけど絶好調でもないからあまりガッツリ攻め過ぎたらやられるけどそこまで慎重になり過ぎなくてもいい。これを基準にしていけば悪くないプレイができると思うけど勝てるかどうかはまた別の話なんだろうな。でもボクはボクの今できる最高のプレイをすることに越したことはない。ボクもそうだけどみんなも今回の大会は気合が入ってたからかそれから2回戦、3回戦と安定して勝つことが出来た。そして4回戦目は苦戦気味だったけど無事勝利を収め、そしてDay1の最後の試合にしてオフラインの出場をかけた5回戦が始まろうとしていた。
「相手はNOVAですね」
「予想通りと言えば予想通りね」
「あの大会の決勝で見たけど強かったですから。うぅ~緊張する」
「ここが第一関門だね」
「でもOFGとやるならここは通過点だからな」
「よし!4試合して結構疲れてるけど最後ですし気合を入れましょう!」
「そうね。最後だし頑張りましょうか」
「条件は相手も一緒だからね。余計に負けたくない」
Japan cup予選Cグループ第5回戦相手はNOVA VENTUS。彼らの戦いは一度見たことあるけどあの大会で優勝したのが納得できるほどに上手かった。だけどあれからボクらも沢山練習したからどれぐらい成長できたか試すいい機会なのかも。アニさんの言う通りここが第一関門なのかもしれない。NOVA相手にどれだけやれるのか。試すいい機会でもあるしここを勝って自信をつけたい。というかそもそも勝たないとオフライン出場できないからね。勝つしかないから疲れたなんて言ってられないしとにかくやるしかない。そう改めて決意を固めたところで相手からの『rdy』が返ってきた。試合の出だし最初の3ラウンドのプレイはボク個人をとってもチームをとっても悪くなかったと思う。だけどこっちがどうこうっていうよりは相手のミスが目立っていた。投擲物をミスしてたりカバーいなくてイージーキルできたり...。2,3ラウンドに関して言えば変なミスを取り戻そうとしすぎて更にミスしてるって感じ。とにかく1,2,3ラウンドは相手のミスで取ることが出来た。だけどさすがにそのまま一気に残りのラウンドを取れるって簡単な話はなくて気持ちを切り替えたのか4,5,6は取り返されてしまい3:3。
「相手は調子を取り戻したって感じね」
「0:0だと思った方がよさそうですよね。一旦最初の上手く取った3ラウンドは忘れましょう」
「次も同じ感じで守ってくるなら先に数人で1階の遊撃潰しませんか?さっき私1人だと時間かかっちゃったので」
「じゃあ僕がサポートするからジョンクさんは普通に進行してなお君は反対から挟むようにしない?」
「なら最初は階段ロックしておきます。敵を発見したらゆっくり反対側から進行するのでジョンクさんと挟み撃ちで倒しましょうか」
「その間に俺とビスモさんで現地攻めの準備整えておくってことか」
「アタシ、2人が挟み始めたらもう一つの階段上がりロックしとくわ。それで確実にやれるでしょ」
「1分はかけたくないですね」
そしてここからが本番だと気持ちを再度入れ替えて7ラウンド目に望んだ。事前の打ち合わせ通りまず遊撃を確実に潰してから制圧準備を整える。
「フラッシュ入れるんでジョンクさん詰めてください」
「そのタイミングで裏からアタシも入るわ」
「俺、定位置で設置する」
ボクの投げたフラッシュが爆発したのと同時にジョンクさんがボムへ入りその後ろをアニさんがカバーしながら入る。ボクは一番後ろで全体をカバーしながらカズの設置を待った。丁度敵がこっちに寄り始めたタイミングでビスモさんが裏を背後を取ったおかげで設置完了後とほぼ同時にラウンドが終了。それからも決して楽ではない戦いが続いた。そんな戦いの末にやっと1マップ目が決着。
「あぁー!とれたぁ!」
「でもまだ1マップ取らないといけないのか...」
「やっぱり大会優勝者の実力は伊達じゃないですね」
「だけどそんな相手から1マップ目取れたってボク達にもそれぐらいの実力はあるってことですよね」
「そうね。でもまだ勝ったわけじゃないしここで気を緩めたら一気にやられるわよ」
次のマップでどれだけ集中力を欠かさず自分のベストを尽くせるかが大事になってくることは分かってるからもう一度気を引き締めないと。そんな運命の2マップ目。ボクらには1マップを取ったっていうメンタル的な有利がありNOVAには自分たちの選択マップという有利があった。それにNOVAはもう負けられないという崖際に追い込まれておりそんな状況のチームは油断できない。こっちが隙を見せれば一気に喰われる可能性は大いにある。
「えっ!何その射線!なお、それ多分キツいから他行った方がいい」
「うわっ!そんなとこ隠れられるんか。ごめん図書に1人ハイド【隠れること】してた」
しかも不幸なことにボクたちが不得意というかあまり研究できてないマップで知らないことも多かった。そのせいで上手く攻められず1マップ目のやり返しをされるように3マップ連続で落とした。
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