第60話 はじめての報酬
ニシコから渡したい物があるからと駅前のコーヒーショップに呼び出された。
相変わらずニシコはアイスコーヒーを頼み、コトコは暖かいココアにする。
「へっへー、ハイこれ!」
ニシコは笑顔でコトコに封筒を差し出した。
「お給料だよ!」
「えっ?」
驚いてコトコは封筒から手を離した。
コトコはてっきりリボンの材料を渡されるとばかり思っていたのだ。
「だっ、ダメだよ! うちの会社、副業には許可がいるから」
「くうっ、真面目ぇ〜」
ニシコはコトコのあわあわした表情を見て腕組みをした。じっと見つめられて、コトコは小さくなる。
——きっと、ニシコは気を悪くしたに違いない。何で私はもっと上手に断れないんだろう。
コトコのみぞおちにポカンと穴ができたみたいだ。スウスウと冷たい空気が入り込んで来て、コトコはぶるっと身を震わせた。
ニシコに謝ろうと口を開きかけたその時、彼女の方が先に口火を切った。
「こっちゃん、その職場、好き?」
つづく
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