第50話 手のひらを返す



 高いお茶(数十円の違いだ)を買ったと言われて、河井さんはまたお局様達から目をつけられてしまった。


 コトコが驚いたのは、一番河井さんをかわいがっていたお茶汲みオバさんが手のひらを返したように彼女を無視し始めたことだ。


 嫌がらせの標的から外れて、少し俯瞰の視点でお局様達を観察すると、お茶汲みオバさんはジャバさんにへつらっているのがわかる。


 ——きっと、ジャバさんに合わせてるんだ。


 それでも、ひどい。


 仲が良かった人からの仕打ちは、そうでなかった人から受けるものよりも辛いだろう。


 コトコは心底、河井さんに同情した。




 つづく

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