第49話 買出し当番
コトコが遅番の時、河井さんが沈んだ顔をしていた。遅番だと午前中に何があったか、わからないまま端末へ向かうことになるので、河井さんに何があったのかコトコは知らないまま端末のある部屋へ移動した。
例の如くそこではお局様達による連絡会が行われていた。
挨拶だけして耳をそば立てていると、ふくよかなお局様が一人、コトコの元へやって来た。
某SF映画に出て来る宇宙人に似ているので、コトコは心の中で『ジャバさん』と呼んでいる。
ジャバさんは知っているかとばかりに河井さんの事を話し出した。
お茶の買い出しに行った河井さんが、安いドラッグストアではなくて、コンビニで買い物して来たのが気に入らなかったらしい。
「お金が無駄になるじゃない」
確かに皆から集めたお茶代で賄っているから、いつもよりは高くついて損失が出たのだろう。
コトコはあいまいに頷きながら、ジャバさんが自分に話しかけているのは、「あんたはわかっているわよね?」という圧力なのではないだろうかと邪推した。
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます