第45話 河井さん
コトコより年下の子が職場にいる。
名を
コトコよりもお局様達には可愛がられているし、その事をかさにきて、よくコトコにダメ出しをしてくる子だ。
だからコトコはその子の事が苦手だった。だけどその日——。
「——ねえ、わかってんの⁈」
河井さんを可愛がっていたお局様の一人が彼女を前に怒鳴り散らしていた。
突然の大声に、少し離れた端末を使っていたコトコは顔を上げてそっちを見る。別の部署の人たちも振り返っていた。
——珍しいこともあるのね。
コトコはお局様の矛先が自分に向いていないことにホッとして、落ち着いて様子を見れた。
どうやら、河井さんがした事がお局様の気に障ったらしい。
しかも。
「あ」
お局様のお叱り中に、窓口に来た客の接客の為にその場を離れたのだ。
——いやいやいや、それは当たり前よね。
窓口に来た客にすぐ対応するのは間違ってはいない。
ただ——。
戻ってきた河井さんは、さらに大きな怒声を浴びせられていた。
つづく
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