神の御加護がありますように 3

渋谷かな

第1話 物語3

「いけ! 助手A! 助手B!」

 シンディ小隊長が指揮する小隊。助手はイースとフレッド。

「ええー!? 僕たちが戦うの!?」

「無理無理無理無理無理!? 俺たちの実力で一つ目巨人なんかと戦える訳ないじゃないか!? 向こうのレベルは低く見ても俺たちの10倍はあるぞ!?」

 イースとフレッドのレベルを3とした場合、一つ目巨人のレベルは30を超えていた。

「ガオー!」

 一つ目巨人ギガンテス。またの名をギガースは助手に巨大な棍棒を振り下ろす。

「ギャアアアアー!? 死ぬ!?」

「ウワアアアアー!? 助けて!? お母さん!?」

 完全に良い所なしの助さん格さん状態の二人は吹き飛ばされる。

「もう仕方がないな。私が包帯を巻いてあげよう。」

 優しいシンディは二人に包帯を巻いていく。

「ゴキ!? ボキ!?」

「ブクブクブク!?」

 不器用なシンディの包帯巻きはイースとフレッドの骨を折っていき絶命寸前に追いやられる。

「こいつは私が倒すから、そこで静かに見ていなさい。」

「はい・・・・・・。」

 遂にシンディが動き出す。

「良かったら残り物ですけど、どうぞ。」

 シンディは残り物のカレーをギガンテスに差し出す。

「ガオー!」

 素直にカレーを食べるギガンテス。

「ガオー!?」

 しかしギガンテスの様子が少し変だ。

「ガオー・・・・・・。」

 ギガンテスは地面にうずくまった。

「・・・・・・。」

 そして動かなくなった。

「はい。一丁上がり。アハッ!」

 シンディは一つ目巨人ギガンテスを倒した。

「シンディは、こうやってモンスターをやっつけていたのか!?」

「俺たちは、巨人を一撃で倒すカレーを食わさせられていたというのか!?」

「僕たち、よく生き残っているね。」

「不思議だ!? 奇跡としか言いようがない!?」

「シンディに歯向かうのはやめよう。」

「そうだね。」

 衝撃の真実を知ったイースとフレッド。

「う~ん。体は大きすぎて持って帰れないから、巨人さんの角をもらって帰ろうっと。助手AB、ギガンテスさんの角を斬って。」

「はい。博士。」

「直ぐに斬り落とします。」

 イースとフレッドはシンディを博士と呼び、殺されたくないので忠実に言うことに従うと誓ったのだった。

 つづく。

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