オマケにしては長いエピソード 海だ! 水着だ! イカの一夜干しだ! 魔王の妹だ! その3

「良し、ここの海運商会――丸ごと買い取ろう。出資はウチとお前らで半々で良い」


「どういうこっちゃ?」


 クラーケンについては今回で駆除は確定だろう。

 で、壊血病については正にウルトラCがあるんだよな。

 大航海時代にも船乗りを悩ませた病気だ。

 とりあえず、モヤシとプランターを船に搭載しとけば何とかなるんだが、ここは現代知識の勝利だな。


 要はビタミンC欠乏症って奴で、それで歯が抜けたり感染症への抵抗力が著しく低下するとかそんな感じだったはずだ。

 で、恐らくだがこの地域そのものが食生活的に偏っていて、慢性的にビタミン欠乏状態だったんだろうな。

 それに被せて遠洋航海での極端に偏った食事で壊血病の患者が増えた……と言ったところだろう。


 とりあえず、これで海運商会が傾いている理由を除去できるわけだ。

 問題さえなければドル箱の航路ってところなので、こっちも儲けさせてもらおうか。


 で、その日は俺たちは宿屋に泊まって翌日――。





「ボンゴレビアンコ美味しいのですー♪」


「スパゲッティうまうまなのですー♪」


「貝・貝・ニンジン・貝・ニンジンー♪」



 商会の買収についてはアリサに任せ、俺たちは浜辺で海水浴と潮干狩りと洒落こんでいた。

 アサリが大量に取れたので、携帯食として持ってきたパスタでボンゴレビアンコを作ったって訳だな。


 まあ、要はアサリの酒蒸しでペペロンチーノを作る的な料理だ。

 ニンニクとトウガラシと白ワインか日本酒、あるいは料理酒があれば簡単にできる。


「ニンニクが効いて美味しいですわ」


 と、言ったのは紫のマイクロビキニを着用したマリア。

 下の方の露出はそうでもないが、胸がヤバイ。ちょっとした拍子で見えちゃいけないモノが見えちゃうんじゃないかというレベルだ。

 爆乳サキュバスだけあって、色っぽいを通り越して……半ば痴女だなこりゃ。

 基本はロリコンの亜斗夢君ですら、マリアの胸をチラチラ見て鼻息が荒い。


「さすがですご主人様。大森林暮らしの私では魚介類は扱えませんので……」


 マリアはちょいポチャでウロボロスは痩せ型。

 二人とも胸もデカい。

 で、マリアは胸がマイクロビキニだが、ウロボロスは普通に胸は隠れている。

 ただし、ウロボロスはTバックタイプの水着で……お尻の方で攻めてきたらしい。


 やはり、基本はロリコンの亜斗夢君ですら、ウロボロスのお尻をチラチラ見て鼻息が荒い。


「ニンジン大盛りスパゲッティなのですー」


 うんうん、ソーニャは白スクール水着が良く似合うな。

 可愛らしい顔なので本当に良く似合う……って何でやねん!


 なんでスクール水着でしかも白なんだよ。まあ、スマホを良く弄っているからありえない発想ではないのだが……。


 ちなみに見た目が中学生、あるいは高校生のソーニャは亜斗夢君の範囲外みたいだ。


「そんなことよりもボクは船の構造が見たいな……どうやらボクは泳げないらしい」


 こっちは紺色のスクール水着のドワーフ幼女だ。あと、カナヅチのようだ。


 亜斗夢君は恍惚の表情で、幸せそうにカティアを眺めている。


「ふははっ! マイクロビキニかっ! 久しいのうっ!」


 上はマリアで下はウロボロスと言えば良いのだろうか。


 ――まさかの魔王様が露出度一番高かった。


 っていうか、昔に着たことあんのかよ。

 まあ、日本人っぽい人と一緒に料理屋をやってたって話だからな。


 ちなみに亜斗夢君は鼻血を出して倒れていた。

 イエスロリータ・ノータッチが信条の彼には、いささか露出度が高すぎたようだ。




 と、そんなこんなでみんなでメシを食った後、マリアが俺に「ちょっとあそこの岩場に行きませんか?」と誘ってきた。

 何か大事な話がありそうだったので、ついていくと……。


「タツヤ様?」


「ん? なんだ?」


「サキュバスはですね……ニンニクを食べると発情するのです」


「だからお前のボンゴレには、ほとんどニンニク入れてないだろう?」


「あと……エロい恰好をすると気持ちが昂るのですよ。我慢していましたが、少量とはいえニンニクで……気持ちに火が付きました」


「おいおい、昼間からはちょっと……」


 と、そこでウロボロスが現れた。


「ふふ、ご主人様? 私も初めての海で開放的な気分になっておりまして……」


 あ、コレ……アカン奴や。


 二人とも、完全にスイッチの入っている目をしている。


「いや、だから昼間からは……」


「タツヤ様……」


「ご主人様……」


 と、そんなこんなで「アーーーっ!」と、岩場に俺の悲鳴が響き渡ったのだった。


 ちなみに、陽射しも忘れての盛り上がりだったので、俺たち3人は翌日……酷い日焼けで苦しむことになったのだった。

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