オマケ その3 みんなでお風呂に入りましょう
朝。
起きると同時に甘い香りが鼻につく。
寝ぼけ眼の中で、頭をかきながら、匂いの原因の女性陣にため息をつく。
香水の海に溺れる……とはこういう感じなのだろうか。
と、セクシーな下着でスヤスヤと眠るお姫様達を見て俺は苦笑した。
っていうか、昨日、アリサが街から香水やら下着やらを買ってきたんだよな。
そりゃあもう、そんなものをこの連中に与えてしまうと、私も私もと大変なことになる。
「マリアの方が香水の匂いがキツいのですー私にももっとよこすのですー」
とは、手乗りウサギの女王のソーニャの談。
「ソーニャは可愛い系なので香水は似合いませんよ」
とは、サキュバスのマリアの談。
「そうです、これはマリアや私のような魔界の貴族にこそ……」
とは、メイドのウロボロスの談。
「お姉ちゃんたち! ボクもおっきくなったらセクシーダイナマイトなんだよっ!」
とは、ドワーフの幼女のカティアの談。
「タツヤさん? キャラが薄いからって私の事忘れちゃいやだよ?」
とは、転生女子高生(20歳)のマユ。
「香水……か。エルフは狩猟の際に不利になるので普段は使わんが、夜にはこれは良いものだな」
これは久々登場のエルフの女王だ。
「我は夜のランチキ騒ぎには参加はせんが……ふむ。懐かしいな、香水か」
うんうんと頷いているのは魔王様だ。
ちなみに、こいつだけは俺の嫁ではない。
「どやっ! これが出張先で買ってきたお土産やでっ! 感謝しいやっ!」
で、まあこれが狐耳のアリサ……。
うん、登場人物多すぎるよな。
で、それぞれ結構キャラが濃い。
なので、女子高生(20歳)という、設定上の奇跡を起こしているマユがキャラが薄いって感じになってんだが……。まあ、それは良しとして。
と、まあ、そんな感じで昨日の夜はみんなが我先にと香水を大量に使って、一瓶どころか2瓶も空いたんだ。
マユとアリサが「香水はちょこっとつければ良いんですよ?」「つけたらええっちゅうもんちゃうでしかし」と何度も言ったけど、ソーニャがアホの子なので止まらなかった。で、他の面々も基本は脳筋肉だから、それに続くわけだ。
っていうか、ソーニャが霧吹きを水鉄砲みたいにして、イタズラでみんなにかけだして、それに悪乗りしたウロボロスが応戦して……ともかく香水祭りで収集がつかなくなったんだよ。
で、確か、あれからみんなで酒を飲みながらセクシー下着のファッションショーをやって、その辺りで空気を読んだコーネリアが自宅に帰って……。
俺がセクシーブリーフを履かされたところで……みんなに襲われて……。
――で、今の香水の海みたいなこの惨状だ
むせ返るような甘ったるい匂い。
閉口しながら窓を開くと、最近番犬として飼い始めたフェンリルと目が合った。
で、彼はクンクンとフェンリルが鼻を鳴らして、「キャインっ!」と泣きながら尻尾を撒いて逃げていった。
「ってか、そんなに酷い香水の匂いなのか?」
クンクンと匂ってみるが、確かに強烈だけど、そこまでとは思えない。
あー、でも、一晩経っても自分でそう思うレベルって実は相当なんじゃ?
こりゃあもう、朝からみんなでお風呂に入らんといかんかもな。
☆★☆★☆★
亜斗夢君にドラム缶風呂を沸かしてもらった。
で、一足先に風呂に入っていると、寝ぼけ眼のソーニャがこっちに気付いて服を脱いで一目散に――
――ドラム缶風呂にダイブしてきた
そうして風呂の中で俺の右腕に絡みついてくる。
「おいおい、亜斗夢君がまだ……その辺りにいるかもしれないぞ? 見られたらどうするつもりなんだよ?」
「亜斗夢になら見られても良いですよー。家族みたいなもんですし」
「え? 見られても良いの!?」
「えー、タツヤはペットのフェンリルにお風呂を見られて恥ずかしいのですか?」
ああ、なるほど。
そういうベクトルでの家族なのね。
「っていうか亜斗夢君の扱い酷いな」
「いやいや、亜斗夢はみんなに可愛がられてるですよー」
「いや、ペット扱いだろ?」
「可愛いペットだから良いですよー」
いやはや、この会話を聞いてたら亜斗夢君泣いちゃうぞ。
何だかんだであの子は良い子だし、俺の事大好きだしな。
俺としては断固として亜斗夢君には幸せになってもらいたい。
「タツヤ兄やん。ウチは普段はおらんねんから優先的に可愛がってもらえる約束やんかっ!」
膨れたツラのアリサが入って来て――
「お背中お流しします」
と、マリアが入ってきて――
「お湯加減如何でしょうか? ご主人様」
と、ウロボロスが入ってきて――
と、まあ、そんなこんなで続々とみんながドラム缶風呂に入って来たんだ。
「そんな大勢がこんな狭い風呂に入るか馬鹿っ!」
と、叫んだけれど、そんな俺の絶叫は女性陣に聞き入れられるわけはなかったのだったのであった。
まあ、そのままみんなでドラム缶風呂の中で、みんなで朝からハッスルしたんだけどさ。
・作者からのお知らせ
と、いうことでネット版完結です。
また、コミック版好調です。
続刊の基準をクリアーしていたら、
恐らくネット版以降について「続きのシナリオ用意してください」となるので、コミック版はこれ以降も続く可能性もあります。
コミック2巻では乳首券も発行されているのでご興味ある方は是非ともお願いします。(マンガUP!では黒海苔で隠れて見えませんが、海苔外れてます)
また、新作始めております。呆れるほどにお馬鹿な作品で、頭空っぽにして読めると思います。ゆるふわ農家と同じく、エロ×スローライフがコンセプトで、読み口も同じだと思います。
・タイトル
エロゲの世界でスローライフ
~一緒に異世界転移してきたヤリサーの大学生たちに追放されたので、辺境で無敵になって真のヒロインたちとヨロシクやります~
・リンク
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