第69話 ラーメンを作りましょう
と、言うことで大工作業の片手間にカティアには錬金術を可能とする、アレの製作に取り掛かってもらった。
完成までにはちょっと時間がかかるということで、まあそこは仕方がないな。
とりあえず、本当に錬金術のようなもので、これでウチの家計の一つの産業の軸になってくれるはずだ。
で、ウロボロスとも話し合って、手乗りウサギ達の狩りの収穫量を3分の1に制限することになった。
それで収入の半分以上が吹っ飛ぶ計算になる。
元々が荒稼ぎ状態だった。
なので、錬金術で稼ぐにしても、まだまだ家計が苦しい事には変わりない。
「当面は酒は無理だな……」
と、いうことで酒も本格的に自家製で作って売り出そうと言う話になった。
製作過程を詳細を詳しく言うと、非常に不味いので割愛するとして――。
まあ、とりあえず、ワインを大量に作ることになったのだ。
前々からその目的でブドウ畑は拡張していたので、バカみたいな分量を生産することはできる。
アルコール発酵の具合を調整するとワインビネガーにもなるので、調味料としても使えるので一石二鳥だな。
で、試作品が出来上がったので飲んでみると――軽く引いた。
元々のブドウの糖度が半端無いので、試作品も凄く甘い。
少し発酵具合が甘かったんだが、逆にそれが良かった。
これは超高級フルーツワインと言っても通用するんじゃないかという感じに甘かったんだ。
特に女性陣には好評で「これはボッタクリ価格でも売れるでっ!」というのはアリサの談だ。
で、アリサが妙に張り切ってこんなことを言い出した。
「街からお偉いさんを呼んでくるってのはどないや?」
曰く、ワインは人間の街に売るのが一番良いという話だ。
で、カティアに製作をお願いしているアレについても人間が一番高く買ってくれるだろうということだな。
ワインについても、アレについてもマリアの知り合いの冒険王の商会を通じて売ることにはなるのだろう。けど、そろそろ商売規模も大きくなってきている。
と、いうことで、ご挨拶がてら街の行政幹部をお招きして一度話をした方が良い。
で、数日後。
アリサと冒険王が話を通してくれて、街の行政幹部が小屋を訪れることになったのだ。
「しかし……この小屋に客人が来るのか……何か緊張するな」
酒の販売は街の中のルールがあるので絶対に話を通した方が良いと言う事だ。
が、接待ってのには慣れていない。
とりあえず、偉い人に渡すお土産はこんな感じで用意した。
・商品としてウチで作ったワイン
・商品としてウチで作った砂糖
・デビルボアの燻製肉
・取り寄せスキルで取り寄せたポテトチップス
偉い人はかなりの堅物なので袖の下は逆効果という。
なので、金目のものは敢えて省いたんだが、本当にこんなお土産で良いのかな。
で、酒好きな人物と言う事なので、他にも濃い目の味付けの宴会料理を用意して……。
そんでもって、俺が今、作成しているのがメイン料理となる訳だな。
まあ、つまりは宴会の締めに出す予定の料理だ。
その料理の作業工程としては――
1 デスホークの骨とデビルボアの骨を寸胴鍋で24時間煮込んでベースとなるスープを作る。
2 醤油・味醂・酒・ニンニクでデビルボアの肉を圧力鍋で煮込むこと2時間。トロットロのチャーシューを作る。
3 チャーシューは宴会料理にも流用する
4 日本から取り寄せた麺を茹でる
5 2でできたチャーシューのタレと、1のベーススープを混ぜる。化学調味料も大量にぶちこむ。
6 ラーメンの出来上がり
さて、異世界で自作ラーメンを作るのは初めてだが……どんなもんだろうか。
評判が良さそうなら化学調味料の工程を省いて、どこかに出店するのも良いかもしれない。
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