第68話 ドワーフの見た目幼女はそっち系の改造にも興味深々です
「やっほー。カティアちゃん」
「マユさん……と、お兄ちゃんか」
エルフたちを従えて小屋を拡張中のカティア達は丁度……休憩中のティータイムだったらしい。
とりあえず、カティアには色々と頼んでいるんだが、つい先日……鍛冶用の小屋が完成した。
炉を併設した本格的なモノで、カティア曰く武器防具加工も可能だという話だ。
帰らずの森で狩猟してきた魔物の素材については、冒険者ギルドに卸すよりもここでまとめて加工してから街にもっていった方が良いという結論は大分前に出ている。
なので、その一環としても非常に役に立つ訳だ。
将来的にはドワーフの職人を雇い入れて武器や防具の加工をさせる予定だ。
あと、手先の器用なエルフなんかを雇って毛皮やらの加工品も作りたい。
と、それはさておき今日の本題はそれとは別物だ。
俺が本題を切り出そうとスマホを見せると――
「ところでお兄ちゃん?」
「ん? どうしたんだカティア?」
「今度は大浴場を作るんだよね?」
「ああ、川から水を引いたりもしなくちゃ駄目だから……大事業になるな。生活用水と農業用水の問題も解決できるし」
「その前に提案があるんだ」
「提案?」
「そのスマホを見て思い出したんだけど……寝室の改造をしたいんだ」
「ほう。どういうことだ?」
「まずはみんなで一緒に寝ている巨大ベッドをお姫様仕様にしたいんだ」
「天蓋付きってことか。まあ、それは構わんぞ」
「あと、費用はかかるけど寝室を鏡張りにするというアイデアも採用したいんだ」
「……何を言っているんだお前は?」
「それとマユが着ている服……」
「ブレザーの学生服か?」
「うん。それを人数分用意したい。あと……タツヤ達の世界の看護婦……ナース服というのかな。あれも人数分用意したいんだ。いつでも着替えることができるように、ウォークインクローゼットみたいな部屋も増設したい」
「本格的に……何を言っているんだお前は?」
「そして最後に……かなり大規模な改造になるんだが――」
カティアは力強い眼差しと共に言葉をつづけた。
「――ベッドを回転式にしたいんだ」
「ラブホテルじゃねーかっ!」
しかも昭和の奴だ。
っていうか、この前……妙に興奮して「これが異世界の寝室かっ!」と、スマホを見てたよな。
ラブホテル特集か何かのページを開いてしまったのは想像に難くない。
まあ、別にエロに興味とかじゃなくて、先鋭的な設備に職人的興味を持ったって感じだろうな。
「で、何の用なんだい?」
「ああ、そのことなんだがな……」
そうして俺はスマホの検索画面をカティアに見せた。
カティアは日本語が読めないので、書かれている文章を逐一口頭で説明していく。
「なるほど……異世界では錬金術が完成していたのか。まあ……完全な形ではないにしろ、これは絶対に儲かるよ」
「とりあえずの金欠対策にはバッチリだろ?」
「うんっ!」
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