全員と夜の生活を強要されてヘロヘロ編
第42話 炉が俺に、炉ができたのと、炉がという(詠み人知らず)
「寝室が完成したよお兄ちゃん」
カティアが薄い胸を張っていたので頭を撫でてやった。
すると顔を真っ赤にして「べっ、別にお兄ちゃんに頭を撫でてもらいたくて報告した訳じゃないんだかねっ!」と、頬を膨らましていた。
だが、俺はカティアの頬が緩んでいたことは見逃さない。
どこのツンデレだよと思ったが、それを言うとややこしそうなので辞めておいた。
ともかく、中々に可愛げのある感じだなと俺はニヤリと頷いた。
「ああ、あとねお兄ちゃん?」
「ん? なんだ?」
「これから本格的な改築工事に入る訳だよね?」
「まあ、そうなるな」
・各自個室
・巨大な室内風呂
・キッチン
・リビング
・解体作業小屋
・農作業小屋
・酒造り用の蔵
・多目的小屋をいくつか
ザクっと言ってこれくらいは作ってもらう予定だからな。
水の確保のために川からの水路も引かないといけないし、井戸だって掘らんといけない。
やることは山積していると言えば、山積している訳だ。
「だったら、炉も作らないといけない訳だよ」
「炉?」
「うん。ある程度の金属材料は持参しているけど、色々と必要なものが出てきた場合にドワーフの里に走ると言うのも手間なんだよね」
「んー……長期間工事とはいえ、そこまでしなくても良いんじゃないか?」
「だって今後も色々と作らないといけないだろう? ボクもここにこれから先はずっと住むことになるんだし……やっぱり炉は必要だよ」
超聞き捨てならないセリフを吐かれたぞ。
「え? カティアも一緒に住むの?」
するとカティアは、再度頬を染めてこう言った。
「だ、だ、だって……っ! お、おっ……兄ちゃんはボクの旦那様同然じゃないかっ!」
「……え?」
「こう見えてもボクは一途なんだよ?」
「えーっと……」
俺がゴニョっていると、カティアは俺に抱き着いてきた。
「……すっ……すっ……好きってことだよ」
「お……おう」
「本当に……こんなことを……女の子の口から言わせるかな? 信じられないよ」
ブツブツと不満そうにカティアがそう言った。
いや、本当に可愛げがあるな、こいつは。
まあ、とりあえず、新規の同居人が一名増えたことは確定みたいだな。
ってか、どんどん賑やかになっていくな本当に。
同居人がソーニャ、マリア、ウロボロス、カティア。
エルフ十人はいつかは帰るだろうが、それでもしばらくはここで滞在するだろう。
それと、アリサも週に二回くらいはここに来るし、エルフの女王も農業視察と言う名目で週に一回は泊りに来る。
本当に俺の体がもたねーぞ……どうすんだよこれ。
まあ、全然嫌じゃないんだけどさ。
と、そこで俺は大きく頷いた。
「ああ、それじゃあ各自の個室と……井戸を作った後に炉の建築にかかってくれ」
「うん。分かったよお兄ちゃん」
良し良し。
これで身の回りの設備の充実計画は順調に進みそうだな。
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