第41話 本作の登場人物は全て18歳以上です(普遍的事実)

 で、その日の夜は大変だった。

 作りかけの寝室だったんだが、ベッドだけはオーダー通りにやたらと頑丈だった。

 っていうか、巨大だった。


 で、夜……ソーニャとマリアとウロボロスは当たり前として、当然のようにエルフ十人が乱入してきたのだ。



 翌日……。

 ヘロヘロになった俺は黄色い太陽を見ながら農作業に勤しんでいた。

 するとドワーフのカティアが大工仕事の休憩中に俺のところにやってきた。


「はい、これ」


「ん? どうしたんだ?」


 見ると、カティアはオニギリを持参してきていた。

 どうやら一緒にお昼を食べようと言う事らしい。

 で、俺達は手を洗って、椅子にするに丁度良い岩に腰掛けた。


「このオニギリ美味いな。お前が作ったのか?」


「うん。お米は美味しいから興味があってね。マリアさんに作り方を教わったんだ」


 塩気がきいていて良い塩梅だ。

 俺がオニギリをパクついていると、嬉しそうにカティアが微笑んだ。


「美味しいかい?」


「ああ」


 するとカティアは本当に嬉しそうに微笑んだ。


「で、どうしたんだよ?」


「いや、キミと仲良くなろうと思ってね」


「っていうと、どういうことなんだ?」


「昨日の夜……ボクは隣の部屋で寝ていたんだけど……」


 あ、色々と声が漏れていたのかもしれないな。

 証拠に、カティアの頬が真っ赤になっていた。


「お……おう……」


「あの……その……ボクも……前にも言ったけど……そういうコトに興味が……」


 と、そういうとカティアは顔を真っ赤にして「いや、何でもないよっ!」と走り去ってしまった。


「一体何なんだよアイツは……」


 と、俺は走り去るカティアを見送ったのだった。






 で、その日の夜は宴会だった。

 女性陣は全員酔いつぶれて、リビングで雑魚寝状態だ。


 やれやれ、今日はやっと一人でゆっくり眠れるなとベッドに潜り込むと――


「どうも……」


 カティアが布団の中に潜り込んでいた。

 おいおいこれは……と俺は絶句する。


「ボクだって……女の子だよ? そういうことに……興味あるんだよ?」


「いや、でも色々問題あるだろ?」


 そういうことにこいつが興味があるのは知っていたが、まんま……背伸び幼女的なノリだ。

 さすがにこの子に手を出したら、周囲の目が痛すぎるし俺の気持ち的にも問題がある。

 だから、今まではスルーを決め込んでいたんだが……。


 と、その時。カティアの体が光り輝いて――


「ボク……大きくなったり小さくなったりできるんだよ。ドワーフ族は鍛冶職人だからね。女だと筋力が足りないから、力仕事の際は肉体強化をするんだ。これはその応用だよ」


「……なるほど」


 メタモルフォーゼ的な感じか。

 確かにカティアの見た目は十代後半になった。

 しかもナイスバディだ。無論、言うまでもないが美人だ。

 いや、だがしかし、十八歳未満はやはり不味いだろと俺は思う。


 と、カティアは俺の言いたいことを察したように頷いた。


「……ボク……百十二歳……だよ? 百と……十二歳……なんだよ?」


 なら、問題ないな。

 ドワーフ族もかなりの長命だと聞くし、そういうことなんだろう。

 いや、でもやっぱり……ちょっと抵抗あるような気も……。


「どうしたの? 困った顔をして? ボクの事……嫌?」


 と、そこで俺は素直な気持ちでこう言った。



「いや、全然嫌じゃないです」



 まあ、年齢的にも問題ないし、大きい姿だったら美人のナイスバディだ。

 これなら手を出しても問題ないだろう。

 俺はカティアを抱き寄せた。

 すると、カティアは悪戯っぽく笑ってこう言った。


「後ね……ボクはすぐにおっきくなったりちっちゃくなったりできるよ?」


「何が言いたいんだ?」


「だから、ボクはすぐにおっきくなったりちっちゃくなったりできるよ? 今は二人しかいないし、人目を気にすることもない。だから、あとはキミの判断に任せるよ」


「馬鹿言ってんじゃねえよ」


 俺がそういうと、カティアはやっぱり悪戯っぽく――妖艶に笑った。


「本当に別にボクはどっちでも良いよ?」


 で、その日の夜は色々とあった。

 詳細については、まあ……言うだけヤボだな。



 ――と、まあ、そんなこんなでカティアは俺のことを「キミ」から「お兄ちゃん」と呼ぶようになったのだった。

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