魔王に姫がさらわれて勇者が助ける物語ができるまで11

渋谷かな

第1話 王道11

「くらえ! デカブツ! これが僕の三連斬りだ!」

「粉々に砕け散れ! 我流剣技! 大強振!」

「ガオー!」

 イースとフレッドは雑魚キメラに襲い掛かる。

「少しはこいつも強くなっているのかな?」

「キメラの組み合わせ次第だろうな。」

「組み合わせ?」

「前の雑魚キメラ1はスライムとウルフとゴブリンの集合体だった。今回はリスや猿、葉っぱとかの雑魚キメラ2。性能的には変わらないだろう。」

「雑魚は雑魚って奴ね。」

 イースとフレッドは自身の強さに油断していた。

「この調子で狩りまくれば倒せるはずだ!」

「一気に決めるぞ! イース! ハートを燃やせ!」

「おお!」

 イースとフレッドは心に火を着火した。

「うおおおおおー! 燃えろ! 僕の心よ!」

「でやああああー! 吠えろ! 俺のハートよ!」

 戦うやる気の炎が二人のハートに点火した。

「なに!? この子たちは、まだ少年だというのにハートに火をつけることができるというのか!? バカな!? あり得ん!? 子供がハートを使いこなすなど!?」

 国家騎士アルガスはイースとフレッドのハートの強さに衝撃を受けた。

「ガオー!」

 そうとは知らずに雑魚キメラ2が突進してくる。

「友を守るために! 燃えろ! 僕の友情のハート! 我流剣技! 三連斬り!」

「友との約束を守るために! 吠えろ! 俺の絆のハート! 我流剣技! 大強振!」

 二人はハートに火をつけて雑魚キメラ2に攻撃を加える。

「ガオー!?」

 雑魚キメラ2は断末魔の叫びをあげる。

「やったー! 僕たちの勝利だ!」

「見てくれましたか? 国家騎士様!」

 イースとフレッドは全力を使い切ったが雑魚キメラ2を倒した。

「まだだ!」

 しかしアルガスは二人を褒めなかった。

「え?」

 その時だった。

「ギャアアアアー!?」

 二人に向けて灼熱の炎が放たれる。

 つづく。

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