第19話 訓練
俺は各兵士に気の流れを教えていく。
気の流れを掴めるのは一部の者だが掴めた者はその圧倒的な身体能力の向上に驚く。
その中にシバタも含まれていた。
「おお、これは!力が漲るぞ!!」
気には色々個人差がある、力が増すもの、早さが増すもの、気を武器に流し強度を増すもの、気を飛ばし攻撃できるものと様々だ。
だが、自信の気は一定量しかない為に長時間の使用は難しい。
「タツマ殿、これはいいですな!」
シバタは上機嫌で金棒を振り回し岩を破壊する。
「シバタ殿、最初からそんな使い方をすると・・・」
「あれ?」
シバタは膝をつく。
「気の使いすぎです、そんなに垂れ流すように使えば直ぐに尽きてしまいますよ。
次はコントロールの仕方を覚えましょう。」
俺はシバタを含め、気の使い方を覚えた者達にコントロールの仕方を教える。
それと同時に戦闘訓練も開始する。
俺の指導の元、気の消費を押さえつつ戦う術を身につけていく。
兵士が目に見える程の成果が出た頃には、俺に逆らう兵士は存在しなかった。
そんな中、俺が留守の時にハヤシ侯爵が視察に来る。
「シバタ伯、どうですかな、軍事顧問殿は?
シバタ伯に比べれば使い物にならないとは思いますがまだ此処にすがり付いているのでしょうか?
おや、姿が見えませぬな、既に逃亡した後でしたか?」
ハヤシの言葉にはタツマを侮辱していることがよくわかる。
しかし、シバタを含め此処にいる兵士全員がその言葉を大人しく聞くことはなかった。
一斉に全員の殺気が放たれ、ハヤシは恐怖に腰を抜かす。
「ヒィィィ!!」
文官であるハヤシにとって殺気を味わう事など今までなかった。
その為、耐性がなく、腰を抜かした上、漏らしてしまっていた、
「ハヤシ侯、軍事顧問殿は良くしてくれていますよ。
貴方に心配されるまでもない。
貴方が心配すべきは暗い夜道だ!よく覚えておけ!」
シバタはハヤシにたっぷりと殺意のこもった言葉を贈る。
その殺気に負け意識を失った。
「なんだ、だらしない奴だ、これぐらいで意識を失うとは。」
シバタは呆れたあと、同じく意識を失っているハヤシの従者も一緒に荷車に乗せ
屋敷まで送り届けることにする。
命じられた兵は屋敷がわからないフリをして、市中をウロウロして、ハヤシの情けない姿を王都に住む住人に見せつけていた。
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