第18話 軍事顧問
謁見が終わったあと、ノブヒデに呼ばれ、マイと二人でノブヒデの私室をおとずれる。
「よく来た、タツマ、屋敷を渡そう、ミサキ入りなさい。」
ミサキと呼ばれた16歳程の黒髪の美少女が入ってくる。
「この者が屋敷に案内してくれる、あと家の事を全てやるように伝えておる。」
「それは助かります。家事は得意じゃないですから。
ミサキさんよろしく頼む。」
「ミサキとお呼びくださいませ。ご主人様。」
「いやいや、俺の方こそタツマでいいよ。」
「いえ、御主人様を呼び捨てになど出来ません。
しかし、私の事はミサキと呼んでくださいませ。」
「はあ、ミサキわかった。家事は頼んだよ。」
俺はミサキに負ける。
「タツマさん!女の子と二人暮らしなんて良くないとおもいます!」
マイは反対のようだった。
「いや、でも、屋敷の管理なんて俺には出来ないよ。」
「なら、私も住みます!」
「それこそダメだろ?マイは王女なんだからお城にいないと。」
「お父様、いいですよね?」
マイはノブヒデに上目遣いで訴える。
「か、かまわんぞ、ただしタツマ、手を出すなよ!」
ノブヒデは俺には威圧してくる。
「手は出しませんよ、それにマイはまだ子供じゃないですか?」
マイはほっぺたを、ふくらまし。
「子供じゃないです!もう立派なレディなんですから、タツマさんもちゃんと扱ってください。」
「レディなら尚更男の家に泊まっちゃ駄目だよね。」
「・・・私は、まだ、子供の所もあるからいいのです。」
マイはブレブレだった。
だが、結局は城の隣の屋敷ということもあり、マイの部屋を用意するというだけで話は済んだ。
泊まりに来るかは不明らしいが。
翌日、俺はシバタ伯に呼ばれ演習場に来ていた。
「タツマ殿、貴殿は特別顧問に任じられたが我等は貴方の力を知らない、是非実力を見せてもらえないか?」
シバタの手には木刀が握られており、実力を見せろとの事だった。
「話が早いな、俺としても手っ取り早い、誰が相手になる?」
俺の煽りにシバタが答える。
「ワシが相手をしてやる。さあ、何時でもこい!」
シバタは怒気を含みながら俺に対峙する。
普段なら多少打ち込みをさせて花を持たせるのだが、今は実力を見せるとき。
俺は加減ない速さで攻撃する。
「なっ!」
シバタが気付いた時には目の前に木刀が来ており、かわす間もなく直撃した。
「い、いっぽん!」
審判をしていた者が声をあげる。
「お見事、陛下が特別顧問に任じるだけはある。」
シバタは大笑いしながら俺の肩を叩いてくる。
「認めてもらえましたか?」
「もちろんだ、ワシに勝てる者を認めぬわけにはいくまい。
皆、タツマ殿に従うのだ!」
兵士は全員跪き、俺に従う意を示す。
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