第14話 病気にならない為に
翌日、俺はマイの治療の一環として、気の巡らせ方を指導する。
「マイさん、病気の再発を防ぐ為に気の流れをコントロールする術を教えます。」
「はい、でも、私に出来るのでしょうか?」
「少し難しいかも知れませんが、覚えておくと色々便利ですから。」
「宜しくお願いします。」
マイは頭を下げる。
俺はマイの後ろに回り肩を持つ、
「タツマさん?」
「いいですか、今から俺が気を流しマイさんの気を動かします。
それを感じとってください。」
「はい。」
俺はゆっくり気を流しマイの体内の気を循環させる。
「何か暖かいものが体内に入ってきてます。あっ、動いてる。」
「そうです、それが気というやつです。今は俺が動かしてますが、それを自分で動かせるようにするのが目的です。」
俺は速度を変えたりしてマイが動きを気付くか確かめる。
「あっ、早さが変わりました、早い、私の中で暴れてます。」
マイは才能があるようで、気の流れをハッキリ掴んでいるようだった。
「大丈夫、さあ、今度は自分で動かしてみようか。」
俺は肩から手を離し、マイ自身で動かすように言う。
「うーん、うー!」
マイは動かそうと気張るが中々動かない。
こればかりは間隔の話なので出来るかどうかは本人次第なのだが、見る限り、あと少しのところまで来ている。
「タツマさん、何かコツはないのですか?」
「こればかりはね、でも、もう少しで動きそうではあるよ、グラグラしてるような感じまでは来てる。」
俺はもう一度、マイの気を動かしてみる。
「これです、こうスッと動く感じなのですが!」
「後は練習かな?」
それから、二日後・・・
「出来ました!タツマさん、動きましたよね!!」
「うん、確かに動いたよ、おめでとう、第一関門突破だね。」
「はい♪次は何を?」
「次は循環させて見て、体内を一周させる感じだよ。」
俺は肩に手をおき、マイの気をゆっくり一周させる。
「ふあぁぁぁぁ、タツマさんの気、気持ちいいです。」
自分で動かせるようになったせいか、気に敏感になっているようだった。
「ちゃんと動きを確めて。」
「だ、だって、ホントに気持ちいいんですよ。」
心なしかマイは内股になりモジモジしている。
俺は手を離して
「さあ、やってみて。」
「ちょ、ちょっと待ってください、少しだけ!」
マイはそう言うと部屋から出ていった。
暫くして戻ってきたが、顔は赤くなっていた。
それからマイはゆっくり、気を回し始めた、どうやらコツは掴んだようだ。
一週間後、俺はマイと一緒に庭に出ていた。
「マイさん、気を巡らせるのは出来てるようだから、病気に対しては大丈夫だと思うけど、今日は気を巡らせる事で出来る事を教えるよ。」
「病気を防ぐだけじゃないのですか?」
「どちらかというと、これの為に俺は覚えたかな、少しみててもらえる。」
俺は人の背丈はあるような、大岩を持ち上げる。
「タツマさん!凄いです!」
岩を下ろして、
「気を巡らせると、身体能力を上げる事が出来るんだ。力が増したり、速く走ったりね。
だから、気を巡らせれるようになったマイさんも今まで出来なかった事が出来るようになっている筈だよ。」
「やってみます!」
マイは気を巡らせ、岩を持とうとするが少し動くぐらいだった。
「持ち上がりません。」
「それは元々の力が足りないからだよ、あくまでも強化するだけだからね、
それを持ち上げるなら、元の力を鍛えるか、気の量を増やすかしないとね。」
「うー、ちょっと悔しいです。」
「マイさんはまだ若いからこれからだよ。」
「タツマさんもまだ若いじゃないですか、何でそんな年寄りみたいな事を言うんですか!」
その日からマイは身体を動かし、鍛えるようになる。
その一環で剣術を学びだした。
俺の二人目の弟子の誕生であった・・・
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