第7話 兄弟姉妹

 ソファーにみんなが座って、私はディーお兄様のお膝に座った。その様子を見てフィーお兄たまは少し拗ねていた。


「俺だってエイミー抱っこして座りたい……」


「まあ、今度抱っこしなよ」


「アンフィニ兄上、僕お隣に座りますね!」


「ノア!」


 そう言ってラル姉様とノア兄が慰めている。一方でディーお兄様はなんとも爽やかな笑顔だった。そんなに私を抱っこしたいのか!?と疑問に思うけど、そうえば赤ちゃんが珍しいんだっけ?と思い出す。


「みんな座ったわね」


 お母様がみんなに確認する。お父様とお母様が2人並んで座っていて、ラル姉様とフィーお兄たま、ノア兄が並んで座ってる。あとはそれぞれ座っている感じ。


 びっくりしたのが人数の割には座るところが足りないな〜なんて思っていたらお兄様お姉様達は多分自分の力でソファーみたいなのを作ったの!手をふわって振ったらもうあるの!びっくりだね!


 そんで、私はディーお兄様のお膝に座っているけど、ディーお兄様の作った1人用のソファーのアームを触ってみた。そしたらなんとも言えない柔らかさと手触り!そして押してもすぐに元の形に戻る。手触りの良さに、すぐに元に戻る事になんだか楽しくなってきゃっきゃ笑いながら何回かした。


「私の椅子が気に入ったかな、エイミー?」


「あい! とってもいいでしゅ!」


「そうか、良かった」


 ディーお兄様は遊んでいる私の頭を撫でた。


「私の椅子がとか言ってるけど大体一緒じゃないかー」


「まあ、司る力でちょっとは違いますけどね」


「それにしても〜可愛いわ〜」


「本当癒されるなぁ」


 そう言ってみんなが私のことを見ているなんて、夢中でソファーの感触で遊んでいる私は気づかなかった。


「エイミー、そろそろお話ししてもいいかしら?」


 お母様のその問い掛けについ夢中になり過ぎた事に気づいた。そうえばお話しするんだった!と思い、お母様の方を向く。


「あい、ごめんなちゃい」


「ふふっ、大丈夫よ。 そうね〜、どちらから話そうかしら?」


「エマ、最初に兄弟姉妹の事を教えたらどうかな? 力の事は後の方がいいだろう」


「分かったわ。 じゃあ最初に兄弟姉妹の事を教えるわ」


 そう言って、お母様は教えてくれた。


 1番目上はディヴァイン。つまりディーお兄様。司る力は創造と破壊、天空を司る。ディーお兄様は違う世界を管理しているんだって。それは後々教えてくれるって。


 2番目はエルデお姉ちゃん。大地と豊穣を司る。今度、エルデお姉ちゃんの力で作ったお花畑に連れてってくれるって!


 3番目はヘーラル。創造と破壊、宇宙を司る。ラル姉様も管理する世界があるみたい。


 4番目はインヴェルノ。このお兄様にはまだ会ってない。水と氷、冬を司る。見た目は白いんだって。後は会った時のお楽しみらしい。


 5番目はセレネ。闇と月を司る。闇属性のトップの神様なんだって。見た目はセクシーなお姉様らしい。うん、会うのを楽しみにしてる。


 6番目はアッシャムス。火と太陽、戦を司る。デカくて暑苦しいらしいから気を付けろとディーお兄様に言われました。でも、まだ会った事ないのでなんとも言えません。


 7番目はアンフィニ。創造と破壊、時を司る。フィーお兄たまの世界もあるみたい。


 8番目はエテェネル。創造と破壊、愛と美を司る。ネルお姉ちゃまの世界もあるって。あと、愛と美を司るなんネルお姉ちゃまにピッタリの力だと思った。


 9番目はルチアーノ。光と癒しを司る。見た目はネルお姉ちゃまとそっくりらしい。でも、髪色と瞳の色が少し違うみたい。会うのが楽しみ!


 10番目がデスティノ。運命と風を司る。正直、スティ兄ちゃんが運命を握っているなんてって思ったけど、お仕事はちゃんとしているらしい。


 11番目がノア。創造と破壊、闇を司る。ノア兄も神としてはまだまだ子供だから勉強の毎日みたい。


 それで最後に私、エイミー。本当にお母様、お父様、子沢山。でも、永遠の時を生きる神だからそんなに多くは無いらしい。管理する世界の方が多いから、上に立つ神としてはまだまだ少ないみたい。この話は難しいからまた今度ねって言われました。


「大体分かったかしら、エイミー?」


「あい! いっぱいおにいしゃまとおねえしゃまがいてうれちいでしゅ! はやく会いたいでしゅ!」


「「「可愛い!!!」」」


「すぐにまだ会ってないお兄様とお姉様に会えるわよ」


「みんな仕事が終わり次第来るって言ってたからね」


「みんなエイミーに会いたくて仕方ない様でしたわよ」


 早くみんなに会ってみたいな!ワクワクした気持ちがいっぱいになってくる。ニコニコが止まらないくらいご機嫌だ。


「うーん、とりあえず兄弟姉妹の事については話したから、次はエイミー、あなたの力について話すわね」


「あい」


 お母様がちょっと真剣な顔になった。さっきまでのニコニコ笑顔ではなく、私も自然と背筋が伸びる様な感じになった。


「そんなに身構えなくても大丈夫よ」


「大丈夫だよ。 エイミーにぴったりの力だからね」


 お母様とお父様が笑顔で言ってくれる。ちょっと肩の力がとれた。


「それでエイミーの力はなんですか?」


「俺らも気になります」


「母ー、早く教えてー」


 お兄様達は私の力に興味津々の様だ。だって前のめりになって聞こうとしてる。


「私達はもう知ってる〜」


「エイミーが寝てる間に教えてもらったもんね!」


「ええ、もう聞きましてよ」


「僕も聞きました!」


 えっ!?。お姉様達もう私の力分かってるの!?まだ私が聞いてないのに!?でも、寝てた時にって言ってたからな……。


「おかあしゃま! おしえてくだしゃい!」


 お母様の顔を見て真剣に聞く。


「エイミー、あなたの力は、すべての万物から愛される力よ」


 すべての万物から愛される力???

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