───無自覚。鈍感系主人公…
「ルカ、明日弁当作らないって事でお願いできるか?」
「まさか…お兄ちゃん浮気ですか!私と言うものがありながら!」
「浮気どころか付き合ってないだろ!」
「私以外のお弁当を食べるのは立派な浮気です!掴んだ胃袋を手放すわけにはいきません!」
「なに勘違いしてるのかわからんが…明日は小湊に飯奢らなきゃいけないんだ」
「前に言ってた契約のやつですね!それならそうと言ってくださいよー!」
「早とちりしたのはルカだろ…」
「うぅ…なにも言えないです」
「では明後日のお弁当は愛情2倍キャンペーンです!」
「死なない程度で頼む!」
「私ヤンデレじゃないですから!」
**
「すいません。Aセットにデザートにティラミス付けてください」
「1200円ね」
「人の金だと思って頼みまくりやがって……」
「さて何のことだか?」
「鵜崎今日は愛妻弁当じゃないんだな」
「お前…バカにしてるだろ?」
「そんなことはないよ。寧ろ羨ましくて反吐が出そうだ」
「鵜崎、今告白されたらお前はどう答える?」
「断るに決まってるよな?」
「なにを根拠に…第一経験無いから分からないわ」
「まぁ確かに断ると思う」
「その理由は何だ?」
「ハッキリと答えられないだろ?」
「小湊、急にどうした。色々とおかしいぞ?」
「その理由は鵜崎、お前の中でルカちゃんが一番になっているからだ」
「待て待て!どうしてそうなる!」
「お前気付いてないと思うけど、俺や風花ちゃんと話す時大体ルカちゃんのこと話してるからな?」
「話盛るのは良く無いぞ。流石に4割はうちの愛妹の事だ」
「それはそれで気持ち悪いわ!要するに無意識のうちにルカちゃんに攻略されてるって事だ」
「俺から見ても早くくっつけよバカップルって思うから」
「小湊ってそんなに口悪かったか?」
「元々こんな感じだよ。流石に女の子がいたら意識するけど」
「そ…そうか」
「このまま何もなければお前とルカちゃんが付き合うのは時間の問題だろうな」
「お前。ルカちゃん以外に目を向けているか?」
「どういうことだよ……簡単に言ってくれないか?」
「風花ちゃんの気持ちに気づいてるかってことだよ」
「風花にはずっと前に振られてるから…ただの幼馴染だ」
「気付くも何も俺たちは終わってる。悪いけど俺たちの事に口を出さないでくれ…」
「鵜崎……ごめん。口挟みすぎた」
「けど一つだけ言わせて欲しい。時間が経てば経つほど辛くなるのは風花ちゃんだ。そして苦しめてるのは鵜崎自身だよ」
「お…おい!それって…」
「相談ならいつでも聞くよ。待ってるね」
小湊は俺にそう言い残すと食堂を去っていく。
風花を苦しめてるのは俺自身…ってどういう事だよ。
だって俺と風花は……。
──終わったんだから──
**
「お兄ちゃんどうしました?具合悪いですか?」
「少し考え事をしててな。ルカ一つ質問してもいいか?」
「風花って俺のことなんて言ってる?」
「シスコン!童貞!って良く言ってますよ!」
「どっちも否定できないのが辛いわ…後者は触れないで欲しかったけど!」
「お兄ちゃんは私と卒業しますもんね!安心してください!」
「安心どころか不安要素しかないんだけど!?」
「仕方ありませんね!0.01の所を0.03にしてあげます!」
「0.02の差なんて信じられんわ!俺結婚するまで童貞って決めてるから!」
「えぇー間違い起こしましょうよ!」
「絶対ダメだ!自分を大事にしてくれ」
「大切にしてくれるのは嬉しい事ですけど…逆にどこまでしてくれるんですか!」
「手繋ぐところまでとか?」
「お兄ちゃんチキンです!キスはオッケーだと思ってました」
「バカやろう!キスなんてしたら子供ができちゃうだろうが!」
中学生の頃彼女できた時の予行練習とか言って鏡の自分にキスしてたのは内緒の話。
誰だってしたことくらいあるでしょ?
「お兄ちゃんガード硬すぎます!ザ・ウォールです!」
「ほっとけ!」
「お兄ちゃん、ミオちゃんに聞いてくれましたか?」
「そうそう、ミオからの提案なんだがクリスマスに集まらないかって」
「クリスマス!行きたいです!」
「決まりだな!」
「初めてじゃないですか?四人でクリスマス過ごすの!」
「大体は家族で過ごすもんな」
「私クリスマスプレゼント買いに行ってきます!」
「おいおい、まだ一ヶ月近くあるぞ?」
「急がば急げです!」
「その前にテストあるけどな!」
「お兄ちゃんいつも寝てるみたいですけど大丈夫ですか?」
「聞いて驚け!俺は4位だ!」
「下からですか?」
「学年上から4番だ」
「何で私より頭いいんですか!ずるいです!チートですよ!」
「地頭の差ってことよ…!勉強は唯一風花に勝てる手段だからな」
「ちなみにルカはどうなんだ?うちの学校って生徒の数多いだろ?」
「54位です……絶対お兄ちゃんより高いと思ってました」
「お兄ちゃんより低いの嫌です!こうなったらお兄ちゃん!勉強教えてくださいよ!」
「やり方教えるだけだぞ?」
「是非お願いします!私…数学が特に苦手で…」
「簡単なことだ。公式はゲームでいう所の操作方法と同じだからな」
「なんだかそう聞くと簡単そうですね!今ならハーバードに行けそうです!」
「ルカは大学志望なのか?」
「まだ決めてません!決まらなかったらお兄ちゃんに永久就職でも!」
「やめろよ?水瀬家の大黒柱に殺される!」
普段優しいのに娘のことになると目つき変わるんだもん。
俺もミオに彼氏ができたなんて聞いたらデートに同行するだろうけどね!
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