───翌日。それぞれの使命…


「ちょっと水瀬!」

「ルカ飯食い行こうぜ!用があるなら後にしてくれるか?」

「す…すいません!花崎さんたちのお話は後で聞きますので!」

「なんなの…あの男」



「昼休み入ってからまだ2分しか経ってないです!お兄ちゃん早すぎますよ!」

「普段のルカと変わらないぞ?」

「私そんなに早くないですよ!青いハリネズミじゃないです!」

「ルカと早く食べたかったって事にしといてくれ」

「ちなみにー!本音だったりします?」

 ルカは悪戯に笑みを作り冬馬をからかう視線を向ける。

「嘘ではない!飯も美味いし、会話も楽しい!」

「ちょっと前までは言ってくれませんでしたね!お兄ちゃんのレベルが上がってます!」

「アルテマソード使えるくらいにはなってるからな!」

「いいえ!まだかえんぎりです!」

「おぉ…否定のレベルも上がってるな。アトラスくらいはあるんじゃないか?」

「可愛くないです!バズズがいいです!!」

「あいつも可愛くねぇよ!?」

「じゃあシルバーデビルで我慢します……」

「系統が同じなんだが!?もっとベビーサタンとか無かったのか?」

「あーちゃんの方が好きなので却下です!」

「あーちゃんって誰だ?アリーナ姫とかか?確かにルカと似てるな!」

「違います!アークデーモンです!」

「ルカの好みが分からない……」

「ちなみにお兄ちゃんはお嫁さんは誰を選びましたか?」

「フローラ一択だろ!」

「実質私ですね!さすがお兄ちゃんです!」

「どこがだよ!寧ろ逆だろ!」

「私の髪って青っぽいじゃないですか!実質フローラです!」

「力技すぎませんかね?でも風花はデボラって感じするな」

「分かります!毒舌ですもんね!」

「妹公認の公式マークを風花に授けようか」

「殺されちゃいます……あはは」

「AI3回行動はしてきそうだもんな…」

「気づかれる前にこの話やめようぜ。勘づかれるかもしれない」

「さ…賛成です!」

 変に勘が良いから困る。

俺の身体に盗聴器でも付いてるんじゃないかって思うレベル。

時々風花って転生系主人公の素質あるんじゃないかって思うわ。初期からステータスカンストしてる最強なろう系!


「今回に限らず風花は味方だから安心だけどな!」

「そうです!絶対に敵対したくないです!」

「そんなお姉ちゃんに唯一苦手な事があるの知ってますか?」

「教えてくれ!あいつに一泡吐かせてやる」

「長座体前屈です!毎年おっぱいがつっかえてって文句言うんですよね!嫌がらせですよ、もう!」

「あれが付いてたら確かに邪魔だよな」

「ちなみに私はぺったんってできますよ!」

「胸が?」

「長座体前屈です!お兄ちゃんの変態!」

「な…!?胸に手を当てながら言うからだろ!」

「だってお姉ちゃんとの差は遺伝子操作って思っちゃいますよ!」

「1年も後半になってるのに1cmも大きくなりません!不公平です!ノーカンノーカン!」

「ルカちゃん世の中には覚醒遺伝っていうものがあってだな…」

「これじゃ覚醒どころか退化です!グレイモンからアグモンです!」

「試しにお姉ちゃんのブラ付けてみたらガバガバすぎて肉まん入りましたからね!」

「なん…だと…!?俺が思っている以上に奴の力は強大なのか!」

「手をワキワキさせないでください!私の触りますか?お兄ちゃんの魔法で大きくしてください!」

「残機0なので勘弁してください…」

「土下座しないでくださいよ!」


**


「それで?ルカから何か聞き出せた?」

「ドラクエと胸のことについて喋ってた」

「それだけ聞くとあんた刑務所行きになってもおかしくないわよ…?」

「違う!純粋な会話をだな!」

「今なら何も言わないわ。下心は0だった?」

「…30はあった」

「はぁ…本当に冬馬で良いのかしら?告白された先輩さんの方が良かったんじゃないの?」

「俺はそんなの認めないぞ!どこの馬の骨とも分からないやつにルカを譲るくらいなら一生手元におきたい!」

「うちのお父さんと同じような事言ってるわね…ふふっ」

「お兄ちゃんじゃなくてお父さんって呼んで貰えば?」

「勘弁してくれ…お兄たんなら大歓迎だ!」

「ミオちゃんに頼んでみれば?もしかしたら言ってくれるかもよ?」

「昔頼んだら1週間口聞いてくれなかったから却下で!」

「頼んだのね……少し引くわ」

「今思い返すとだいぶ気持ち悪いよな。さっきの発言訂正するわ」

「良かった。危うく110番に電話するところだったわ」

「もし刑務所に入るような事があったら私が養ってあげてもいいわよ?」

「マジで!?でも俺養いたい側だからな……足掻いてでも俺が家族守る」

「あんたのそういうところ嫌いじゃないわよ」

「ありがたき言葉!しかと胸に響きましたぞ!」


「このままじゃ本題忘れそうだから聞くぞ。どうだった?」

「そうね。簡単に言えば純度100の嫉妬よ」

「彼女、ルカが振った後先輩さんに告白したそうよ。どうやらルカが好きだからって理由でお断りしたみたいだけど」

「理由が理不尽すぎる。ルカもよく怒らないよな…」

「あの子は優しすぎるのよ。私なら徹底的に潰すもの」

「涼しい顔で言わないでくれるか?かっこいいから」

「でも今回はルカの事よ。ルカが望んだ結末になるよう動くのが私たちの仕事」

「分かってる…私情は持ち込まない」

「そう。ならいいわ。帰りましょもう遅いわ」

「ルカが心配しちゃう」

 久しぶりね。冬馬と2人で帰るの。

状況を選べるのだったらもっと別の形で帰りたかったわ。

 

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