第5話主役は遅れて来るモノ?
「だ、大体にしてあたしはあんたなんかにラブレター出してないもん! まだここにあるもん!」
鈴木麗菜はそう言って
そしてやっぱり書いていた。
でもそうする数が合わなくなる。
「なによ、ラブレターも怖くて出せないのは引っ込んでなさいよ!」
「わ、私は頑張って告白したもん!」
「ちょっとマテ。そうすると残り一枚は?」
菊池健一がそう言って机の上に置きっぱなしのラブレターを拾い上げる。
「そっちのが私よ」
「あ、それ私です」
「そうするとこれって誰だよ?」
最後に残った一枚を拾い上げた菊池健一は首をかしげる。
まさか最初の変態か!?
だがそんな予想を裏切って教室の扉が開かれる。
がらっ!
そして姿を現したのはなんと大人の
ややきつめのスーツに身を包み誰よりも負けない胸が服を押し上げている。
びしっとしたその姿は凛々しい。
教員生活三年目の
彼女は部屋に入るなり通常では厳しい模範的な教師から一転、とろ~んとした表情で菊池健一を見る。
そして苦しそうにスーツの上のボタンを外しながらこちらに来るでは無いか!
もう作者でなくても期待してしまう。
カツカツというあのヒールに
「あら? 菊池君以外にも人がいるのね? 先生、菊池君とね、とぉっても大事な話があるんだけど他の
そう言って眼鏡をはずしながら近寄ってくる。
いや、メガネはそのままでお願いします!
むっちりとした足を黒のストッキングで包み彼女は近づいてくる。
「な、まさかこれって先生か!?」
最後のラブレターをつまんだまま菊池健一は
それもそのはず、教員の中でナンバーワンの人気を誇るこの五十鈴幸子は男子生徒の中でお世話になっていない者の方が少ないだろう!
なんのお世話かは読者諸兄にゆだねるが。
「もう、菊池君可愛らしいのだから‥‥‥」
舌で唇を舐める仕草が
「先生、今は私が菊池健一と話をしています」
「わ、私だって菊池君に用事があります!」
「え、ええとぉ‥‥‥」
迫りくる五十鈴幸子に対して豊田涼子と本田明美も引かない。
ただ唯一鈴木麗菜が言い
「ふん、小娘たちに何が出来るというの? 邪魔よ消えなさい」
思わず鼻の下を伸ばしてよだれを垂らしそうになる菊池健一の顎に手を付けくいっと自分に向かせる五十鈴幸子。
さあ、完全に四面楚歌だ。
どうする菊池健一、どうなる菊池健一?
次回、堂々の最終話!
乞うご期待だ!!
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