第47話 山本 杏奈視点 滅
ブ男の誘惑に失敗し…突然やってきた、初音や杠を味方につけるのも失敗した。
クソ! クソクソクソクソ!!
どうして、上手くいかない!!
どうしようもない苛立ちが、山本を襲い…昔の癖だった、爪を齧り出した。
まだだ…まだ終わってない。
幸い、この部屋にはカメラなどは存在しない。
私が自分で、時間をかけて確認をしたのだから。
見てろよ…今回は失敗したけど、必ず地の底へと落としてやるからな。
いっその事、下僕に命令して3人とも襲わせるか…いや、それは最終手段だ。
私は、初音が地の底に落ちるのを見たい。
どんな顔をするのか、どんな声を出すのか、どんなふうに落ちぶれるのか…私は、それを見たい。
だから…襲わせるのは、どうしようもなくなったその時。
まだ、チャンスは残ってる。
そう自分に言い聞かせていると…杠が私に向かって歩いて来るのを気づき、警戒を強めた。
「やっほー! どうやら山ちゃんの企みは失敗したようだね〜」
「いつから気づいていた?」
「ん〜? そんなの山ちゃんが、彼に接触した時からだよぉ〜? 山ちゃんは、ず〜と私の手の上で踊っている事も気づかないんだもん。笑っちゃったよ!」
「お前ぇぇ!!」
「いいのかな? そんな事をして、後に引けなくなるよ?」
「グッ…!!」
杠を叩こうとした、右手を寸前で止め…爪が食い込む程に、強く握りしめた。
「覚えてろ…このままじゃ済まさないから」
それだけ言うと、山本は
**********
「それで? あの社長が私に何の用なの?」
「さ、さぁ? 僕は社長室に連れてこいとしか、言われてないから、分かりません」
「チッ! 使えない。それくらい聞けない何て、本当にお前は無能みたいね」
「す、すみません…」
まったく…下僕は使えないし、初音を地に落とすのに失敗した、次はあの社長に呼び出しとか本当についてない。
しかも社長は、女だからこの下僕のように…誘惑して、
「失礼します…」
おっと…スイッチを入れないと。
「失礼します」
下僕に続くように、山本が社長室に入り…子供に見える程の幼児体形の社長と、その側には大柄で黒いスーツを着た男性が控えていた。
「やぁやぁ〜山本さんよく来たねぇ。
とりあえず、座りなよ。今お茶がくるからさ」
「ありがとうございます! 社長室で出るお茶は美味しいので嬉しいです」
「そうかい、そりゃあ良かった」
運ばれてきた禄茶を、お互いに飲むと…社長はパソコンを開いた。
「今回呼んだのはね、君が私の可愛い初音ちゃんに手を出そうとしたからだよ? いやぁ〜流石に、こんな証拠まで出されたら、もうクビにするしかないね」
社長はマウスの右をカチッと押すと…。
『さっきから何なのその態度。お前みたいなブ男は、大人しく私の思い通りに動けばいいのよ!!』
「おっと…間違えた、これじゃない」
カチッ
『このボタンを押せば、お前は豚小屋行きよ? これが最後のチャンス。
私に協力しなさい。そして、初音をドン底に突き落とし…私がVtuberのトップに君臨に立つ!!』
「なっ! なななな!! 何故それを…! まっ…まさか!」
「そう! 君の推察通り…安曇君がボイスレコーダーを持っていたのさ。
いやぁ〜他の所も聞いてみたけど、酷い酷い。最後には脅迫…もう救えないね」
「あのブ男!! 殺す!! 殺してやる!!」
「もう本音も隠しもしない…と。じゃあ、もういいかな? さっさと僕の前から消えなよ。もう君の居場所なんて、ここにはないんだからさ」
「このクソガキィィ!!」
「ああ…そうくる? じゃあ頼んだよパパ?」
日々のストレスに、居場所を失ったせいか…正気を失ったように、社長に襲いかかろうとする山本を、側に控えていた黒スーツの男性が足をかけ、転ばせ上から押さえつけた。
「クソォオオオ!! 離せクソ野郎!!」
「黙ってろ。俺の嫁に手を出そうとしたガキは生かしておかん。覚悟しておけ」
「離せ!! 離せぇぇえええええ!!!!」
「大人しくしていれば、何年か刑務所に入るだけで済んだのに……本当に馬鹿な娘」
その場で喚き散らす山本に、そう吐き捨て…道端に転がる石を見るような眼をし、強制的に眠らされ運ばれる彼女を眺め続けた。
結局、山本は警察…ではなく、黒いワンボックスカーに乗せられ、ロープで手足や口縛られ、何処かに運ばれて行ったそうな。
翌日…不自然なくらい山本の事は触れられておらず、ネットではクビになったショックで、家に引きこもっていると噂されているのは、また別の話。
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ここまで呼んでくれた皆!! 次回がラストとなっております!!
明日も言うけど…明日も言うけど! ここまで読んでくれてありがとおおおお(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
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