第16話 親友の相談事


 カラオケ終了の時間が10分前になり、最後に短めな曲を1本歌い…灰色の薄いコートを羽織り、赤谷と一緒に部屋から出て会計を済ませ、外に出た。


 「あ〜歌ったな」


 「そうだな」


 袖をまくり、腕時計で時間を確認した。


 「今、3時だけどどっか寄りたいところある?」


 「ん〜あそこ寄っていい?」


 そう言って、赤谷が指を差した場所を見ると、そこは電化製品やゲームなどが詰まった大きなデパートだった。


 「おけ」


 「んじゃあ、行こう」


 先頭を歩く、赤谷に続くように足を進めた。



 **********


 「そういえばさ、安曇は友人の事が好きな人が協力してくれって言われたらどうする?」


 「随分と急だな」


 赤谷がガ◯プラを物色しながら、そんな事を言われて、少し考えるが…答えは直ぐに出た。


 「…俺なら、協力するな。少なくとも俺の友人の中にはクズはいないし、どうせなら幸せになってほしいからな。勿論、その女性が友人に相応しい前提の話だけどな」


 「そうか。正直俺も悩んでいてな…ソイツは俺の中でも大事な友人の1人でな、どうしたらいいか…」


 「赤谷は、交友関係が広いからな…。幸せな形は人それぞれだし、俺なら協力はするが、結局は本人同士の気持次第じゃないか?」


 「そうか…そうだよな。結局は本人同士の問題か、サンキュ、俺もそうするわ」


 「おう」


 この時、俺は思いもしなかった…。


 この自分の発言が原因で、


 その後、赤谷は目当てのガ◯プラを購入し…16時に地下鉄で分かれた。


 赤谷も俺も、夜遊びするタイプではないので、早めに解散するのだ。


 俺はそのまま、地下鉄を利用し…家の近くにあるスーパーで、納豆巻きを買って、帰宅し一息ついた。


 「楽しかったな」


 赤谷との、カラオケを思い出し笑った。


 その後、軽く部屋の掃除と空気を入れ替えをしている内に…空が暗くなりのを確認しつつ、掃除を終えた。


 「ふぅ…少し疲れたな」


 額に付いた汗を手で拭き取り、携帯を開くとTwitterに、梅1.00ホーチュンスが今日の配信のツイートがしてあった。


 「今日は、22時からベジタリアンのかわうそとのオフコラボか…面白そうだな」


 その時間まで、他のVtuberの動画や配信を見たりして、時間を潰すか。


 てか、あの黒髪ー初音が、梅1.00ホーチュンスなんだよな…まぁ、別にどうでもいいが。


 冷蔵庫に入れておいた、22巻の納豆巻きを取り出し…お湯も沸かす。


 お湯が沸いたら、粉状の味噌汁をお碗に入れてお湯を注いだ。


 YouTubeを見ながら、納豆巻きを食べ、味噌汁を飲むと…ささっと食器や容器を洗った。


 その後、シャワーに入ったり、歯ブラシで歯を磨き…準備を整え、ベットに入りタブレットを用意して待機してると、22時になり2人の配信が始まった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る