夢遭琉湊譚
魁帆
第1話
『...最低。そんなに人に嘘ついて楽しい?私や、私の友達に、2度と話しかけないで』
中学2年生だった俺が、11月の終わり頃に言われた言葉だ。その言葉を言った奴は、
性格は良く、学年の中では、というか世間一般で見ても顔も可愛い方だったが、2年4組は学年の中でも俺や一部の奴を除いて顔立ちが整った奴が揃ったクラスだったので、クラスの女子21人中なら5位程度の可愛さだった。あぁ、それでも可愛い方の部類と呼べるな。まぁそれは置いておく。
高校生になった今でも、その言葉と、その事件を覚えている。その事件は、先生に知られることなく、友達にもあまり広くは知れ渡らなかった。
俺はもう高2になって、偏差値55位の平均的な高校に入ったが、あいつは今、どうしているだろうか。どこかで野垂れ死んでくれれば嬉しいんだが...
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高校生活は安定してる。友達もそこそこ出来たし、クラスの中で誰と誰が付き合ってるのかとかは基本最初に俺に流れてくる。俺は男子同士で仲良くやれていれば問題ないタイプなので女子のことは気にしていなかったが、最近多くの女子からは嫌われていると知って少し凹んだ。そんな人間だから、彼女なんてものは1度も出来たことがないし、作る気もない。周りは、こんなに多くの人間が付き合ってるんだけどな。
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『あ、湊おはよう。頼む!宿題見せてくれ』
「全く、やってこいよ...というか、今日の数学の奴はやっとかないとテストで赤点になるって位大事な奴だぞ」
『慣れてるから大丈夫!』
「それは草。はいよ、これ勝手に写しとけ。間違ってても責任は取らんぞ」
『毎回言うよなそれ。ありがと!』
『湊、昨日のアプデの詳細見たか?』
「あー見た。あれ凄いよな、パワーインフレ起きるんじゃないか?そろそろあのゲームもオワコンかな」
『えーマジで!?昨日2000円課金しちゃった』
「...まぁ大丈夫だろ」
『良かったぁ...?』
『おはよう同志。とりあえず航希は粛清な』
「え、なんかあった?」
『いやソ連を侮辱してきた』
「よっしゃ、やっちゃえ」
やはり、俺の周りにはほとんど男子しかいない。別に良いんだが、小学校や中学の時と比べてガラッと変わったなぁ、と。
女子との絡みは男子との絡みと同じくらいに多かった。中2の時、3人組の女子とよく絡んでいた。中3の時も、中2の時とは別だが3人組の女子と絡んでいた。だから、俺の中でこの『3』という数字は、ある種特別なものとなった。
中2の時の3人組の中には、琉花も含まれていた。うち2人は可愛いのに、1人だけなんか平凡な顔だった。可愛い方は琉花と
今では大嫌いなのに、その時は本当よく喋ってたな。
中3の時のそれは、3人とも可愛い。まず顔で評価するのは悪い癖だが、思春期だからね。今でも仲は良いし、うち2人は高校も同じだ。
ところが高校になると、男子校でもないのに男子だらけになった。中学の時の男友達は皆別の高校に行った。4人くらいが偏差値70の、地域トップの高校に行くんだから凄いよな。まぁ、そんな感じなので、話しかけてくれる女子は中学の時に同じだった2人しかいない。
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帰りのHRが終わって、漸く下校の時間。俺は、いつも同級生と駅で遊んでから帰る。寄り道は校則に違反してるが、別に気にする必要はないだろう。今日はソ連の国歌をイヤホンでエンドレスに聴きながらスイッチした。
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さて、宿題をやって、風呂と夕食を済ませて寝よう。今日は体育で疲れたんだ。あんな教科、さっさと無くなってしまえ。
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おやすみ。
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『ねぇ、起きてよ』
「...ん?」
『あ、起きた。休み時間だからって、すぐ寝るんだから』
...目の前には、琉花がいた。
夢遭琉湊譚 魁帆 @swallent
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